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『小泉教授が選ぶ食の世界遺産 日本編』を読みました。2004年講談社から出た本で、
著者の小泉氏は東京農大で醸造学・醗酵学・食文化論を教えていらっしゃいます。
食関係の楽しい本を多数出していらっしゃいますが、
その小泉教授が「今残しておかないとなくなってしまう」の日本の伝統的食文化を選定し、
文化遺産として残すべきと考えたものが集まった本です。
とはいえ、小泉教授の本ですからそれほどアカデミックな方向に傾くのではなく
とっても読みやすいのがよかったです。
1.『発酵』の遺産
・「ふぐ卵巣の粕漬け」...石川県金沢市郊外や能登半島だけで作られている珍味中の珍味。
猛毒のフグの卵巣を手間と時間をかけて無毒化した。"この地球上で最も珍奇な食べ物"。
・「酸茎」...京都の賀茂地方で作られているカブの一種、酸茎菜。その根と茎を漬け込んだ。
高い温度で発酵させ、乳酸菌を活発に働かせている。
・「大根漬け」...秋田県のいぶりがっこ、なた漬け、桜島大根を使った鹿児島県の山川漬け(壷漬け)は日本独自のもの。
・「糠みそ」...世界に類を見ない固体の漬け床
・「豆腐よう」..."東洋のチーズの王者"。私も大好き。
・「甘酒」..."驚くべき滋養飲料"
・「種麹」...世界では微生物の発見もなされなかった600年前から、日本では種麹屋が種麹を供給してきた。
・「かんずり」...新潟県新井市の珍しい発酵唐辛子
・「琵琶湖周辺の熟鮓」...ニゴロブナのみならず、アユ、ドジョウ、コイ、モロコ、ナマズ、オイカワ、ウグイのなれずしが存在するそうな。
・「アケビの熟鮓」...青森県弘前市の近郊の村に存在するらしい。
2.『調理』の遺産
・「日本粥と日本雑炊」「日本湯葉と日本麩」...どれも原型は中国にあるものを日本独自の形に進化させた。
・「焼いて食べる漬物」...能登に伝わる大根漬け「べん漬け」と、魚を糠漬けにした「へしこ」。どちらも世界に類がない。
・「早ずし」...富山名物の鱒ずしや京都や福井の鯖ずしが代表例。
・「握り飯」..."米を主食とする日本人にとって、常に郷愁を抱かせてくれる、日本人の底力を生んだ霊力宿るほどの食べ物"。
・「圧汁巻き」...鹿児島に伝わるちまきの一種だが、中国から入ってきた粽とは一線を画している。
・『豆腐百珍』...天明2(1782)年に編集された。
・「干し椎茸」...干すことによって、生の状態とは比べ物にならないほど栄養が増すことに。鎌倉時代には気付いていたらしい。
・「『卵百珍』と日本流鶏卵料理」...天明5(1785)に刊行。
・「キリタンポ」...主食の飯をついて棒にし、鍋料理と一体化させて食べる食法は他にはない。
・「いらぶー汁」...沖縄近海に生息するウミヘビのスープ。コラーゲンがたっぷりすぎて、スープが肌につくだけでベトベトするそうだ。
3.『食材』の遺産
・「蘇鉄味噌」...南西諸島に伝わるソテツの実から毒を抜く発酵法。
・「ドングリ味噌」...岐阜県や長野県でよく作られていた。
・「梅干し」...我が国最古の漢和辞書『和名抄』にも登場する救荒食品。
・「オントゥレパカム」...オオウバユリの根をこねて発酵させ、乾パンのようにしたアイヌの保存食。
・「ネドチ」...岐阜県の美濃・飛騨でかつて作られていたトチの実を原料とした発酵食品。
・「トンブリ」...秋田県で栽培されたホウキグサの実の加工食品。
・「花料理」...菊が有名。
・「碁石茶」...プーアル茶のような微生物発酵茶。現存するのは高知県大豊町が唯一。
・「柿渋」...日本固有のもの。伝統的技術性を持つ。
・「唐墨」...ボラの卵巣を塩漬けした長崎県の名産。
・「宝漬け」...石川県能登地方で作られている鯖の卵巣を発酵させたもの。
・「魚骨料理」...鮭の氷頭料理が代表。日本人は古来から「骨湯」「骨酒」などで骨からも栄養を取ってきた。
・「めふん」...鮭の腎臓を発酵・熟成させた塩辛。
・「うるか」...鮎の内臓の塩辛
・「このわた」...ナマコの腸を塩漬けにして熟成させたもの。
・「イカの塩辛」...世界広しといえども、イカの内臓料理は他に類がない。
・「ホヤ料理」...古来から日本人はこのグロテスクな生き物を活かす料理を編み出してきた。
・「くちこ」...ナマコの卵巣を使った、世界に誇る日本の最高級最高値の珍味。
・「フグ料理」...他民族には真似のできない貴重な文化遺産。
・「黒焼き」...燃えて灰になる直前の前灰状態の薬効を期待した。
4.『調味』の遺産
・「七味唐辛子」...1751〜64の宝暦年間には既に存在していた。
・「山葵」...日本原産、日本独自の調味料。
・「山椒」...これまた日本特産の香辛植物。
・「出汁」...かつお節はイノシン酸シスチジン塩をうま味の主体とし、昆布はグルタミン酸をうま味の主体とする。両者が合わさるとうま味は7.5倍に。さらに干し椎茸のグアニル酸が加わるとうま味は30倍に!。
・「かつお節」...世界一硬い食べ物。鰹節菌と呼ばれる麹カビに水分を吸収させる。鰹節菌は油脂成分も分解してしまうので、ダシには油脂が出てこない。江戸時代の延宝2(1674)年に製法が開発されたが、この年はレーウェンフックが自作の顕微鏡で微生物を初めて発見した。
・「カレールウ」...カレー粉を主材とした日本独特の加工食品。
・「ジャパニーズ・ウースターソース」...日本人好みの風味に仕上げられた、外国にもないタイプのソース。
5.『保存・殺菌』の遺産
・「火入れ」...興福寺で酒を作っていた僧侶たちはパスツールよりも300年も前に火入れを行っていた。
・「灰による食料の保存法」...糯米に灰を加えて作った日本独特の餅菓子、灰まき。
・「種馬鈴薯の殺菌法」...切り口に木灰をつけて種芋の殺菌・消毒・防腐の三役を負わせた。
・「灰干しわかめ」...徳島県鳴門市の名産。今から150年前に前川文太郎によって発見された。
・「くさや」...今から370年前から伊豆七島で作られている。
・「凍み食」...寒天、高野豆腐、凍みこんにゃく、凍み蕎麦、凍み大根、寒晒など。
・「干し納豆」...東北地方に多い。
・新潟県村上の「塩引き鮭」と北海道の「山漬け」...とてつもない手間ヒマをかけて作られているスローフードの原点。
6.『教え』の遺産
・「酒道」...足利末期に起こった、酒の飲み方についての修道。
・「茶道」...村田珠光を祖とし、武野紹鴎を経て、千利休によって大成される。
・「懐石」「会席」「精進」料理...懐石料理は茶の湯で茶が出る前に食べる簡単な料理のこと。会席料理は本来俳席の料理。精進料理は道元が始めた。
7.『酒』の遺産
・「泡盛の仕次」...3年以上の熟成を行った古酒(くーす)の親酒に、二番手の古酒を加え、
二番手の古酒のカメには三番手から補っていく方法。スペインのシェリー酒も同じような方法をとるとのこと。
・「粕取焼酎」...日本人が400年前から造っていた本来のもので、敗戦後出回った密造酒とは異なる。
・「灰持酒」...酒に赤黄色色を付けたり、特有の味付けの目的のために、木灰が加えられた酒のこと。
・「吟醸酒」...米を磨き、低温で発酵させることで、果物の芳香がつくことがわかった。
・「燗酒」...通常の飲み方として燗をつける酒は世界にはほとんどない。
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この中では、干ししいたけとうめぼし大好き♪
2010/2/5(金) 午後 11:12
うさぎさん、こんばんは。
干しシイタケは好きなんですけど、梅干しは苦手なんですよ。
なぜか私の回りのラーメン好きはみな干しシイタケが苦手。
「ラーメンスープを作るのに使うじゃない」というと、
決まって「それは大丈夫」と答えます。面白いですよね。
それにしてもすごく勉強になる本でした。
2010/2/6(土) 午前 0:09
こうやって一覧にしてみると壮観ですね。
日本人共有の財産目録みたいな。
見てるだけで精神的にリッチな気分になれるというか。
おなかもすきますが。
2010/2/6(土) 午後 10:06 [ たら ]
梅干苦手ですかぁ〜??
うさぎは大好きなんだけど
中国産はいかなるものでも
嫌いです・・・
だから、高いんだけど紀州の
一粒がでっかいのを買って
お弁当にはいつも入れて行きます♪
2010/2/6(土) 午後 10:18
たらさん、こんばんは。
普通にレビューを書くつもりでしたが、
結局一覧表のようになってしまいました。
しかしこうすると、一目で日本の食文化が概観できるようで
たしかに壮観ですよね。
2010/2/7(日) 午前 1:25
うさぎさん、こんばんは。
梅干し、ダメですよねえ。
小梅ぐらいだったらまだ大丈夫ですが、
うさぎさんの好きそうなおっきな南高梅の梅干しとかだったら
もう全くダメです。
2010/2/7(日) 午前 1:27