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日常にささやかなエッセンスを・・・♪ 鴫原みずきの 海と山がすぐそこにある生活の一粒

連載 ☆てのちから☆

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陶芸奮闘記 ☆ てのちから ☆ Vol.13

てのちから Vol.13

 最近、主に器や手仕事の本をよく読みますが、現在売られている国内外の工芸品を知れば知るほど、バーナードリーチ・浜田庄司・柳宗悦の影響がどれほどまでに大きいかがうっとおしい程に記されている。

でも、私が彼らや彼らの運動を知ったきっかけは、ルーシー・リー。 
本で紹介された彼女の作品は、寛大さや包容力、繊細さや神経質な感じが受け取れて、とても好きな感じ。だった。
興味を持ち、彼女について書かれたいくつかの本を読み終えた頃、東京で彼女の作品展が開かれ、そのタイミングをとても嬉しく思いルンルンで会場に行った。

そこで痛感した二次元の限界と三次元の可能性。
二次元で知り得れるものは、たかがそれなのだと。

「陶器の産地を訪ねる旅」の動機のひとつが生まれた。


 益子焼とは・・・を色々調べると、大抵いくつかの写真と共に文章が添付されています。

「陶器の産地を訪ねる旅」では、その「ザ・○○焼き」というものを見る。ということと、産地の物を使った、産地で売っている、産地の作家さんの作品を購入する。という目的がありました。

しかし、残念ながら、濱田庄司の面影や民芸を感じるような「ザ・益子焼」を見つけることは出来ませんでした。
もちろん美術館にはありますし、濱田家を継承する方、益子にこだわる方の作品で見ることも購入することも出来ます。(私には手がとどきませんが・・・)

 現地の店に並ぶのは、「どこか他から移り住み、益子の土にこだわらず、自分の作風をそこ(益子)で磨く作家さん」の作品が多かったです。
益子の土や釉にこだわらず、益子風を追求しないならばなぜ移り住むんだろう。
そんな疑問も湧いてきました。

旅の途中、「だから、シャープにしてしまったら益子じゃないんだってば。」と他の旅行客の言葉が聞こえてきました。会話を聞くと、仕入れの仕事で益子を訪れたらしいんですが。

難しいです。益子で「自分流」を追及する作家さんの作品で「これ、いいな。」とうなる物は沢山ありました。 でも、それって益子なの?と聞かれると、益子で作家活動をしている人の作品。となる。そういうことですよね。

「ザ・益子」を母が見てこう言いました。「なんか田舎くさい。」
そうそう!きっとそれなんです。濱田庄司らが好み、提唱した「民衆の芸術=民芸」。 昔誰の家でもあった、おばあちゃんが愛用する茶碗。味噌壺。

『昔の生活様式→現代のライフスタイル』言葉だってこんなに表現方法が変わってきたんだもの。
田舎くささ、土臭さが削られ、シャープでモダンな物が好まれる時代に、益子の土と釉薬にこだわる作家も、伝統を守りつつ時代に沿った新たなものづくりを追求しているとのことです。  

昔と同じ「ザ・益子」はやはりその時代だからこそ。なのかもしれないし、そこがおもしろい。

本から作られた自分の感覚が、現地で実際に触れることで大きく変わり、新たな楽しさを発掘できたいい旅でした。

あらためて、自分に合ったいい物を生活に取り入れたいなら、やはり現地が一番。
工場での大量生産と違い、生産量が少なく、その作品の出来にもムラがでる作家物は、デパートや都会に出てくることが少ないからです。
もちろん、大量生産でも、工場でひとつひとつ作られている物もあります。
デザイナーの要望を実現させている職人の技が支える大量生産物もあります。

自分が器を選ぶうえでこだわっているのは希少生産かどうか、高価かどうか、技があるかどうか、ではなく・・・。

・・・それを手に取る理由は感覚の中でしっかりしていますが、まだ言葉に出せないほどぼんやりしているのです。

この旅は始めたばかり。
沢山の実際を見て、感じて、自分自身を追及しながら「陶器の産地を訪ねる旅」を続けていきたい。


                                  こころのままに こころゆくまで。
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陶芸奮闘記 ☆ てのちから ☆ Vol.12 

てのちから Vol.12

 作品展も終わり、今はとても静かに、ゆっくりと自分の為の作品を作っている。
毎日の作陶ペースを少し緩ませて、気になるギャラリーやうつわ屋さんに行き、じっくり選び抜いた物を購入。
今回の作品展ではカジュアルな物を中心に出展していたので、今は土の匂いがするような渋い物を作りたくなっている。
もともとは渋くてモダンな物が好きで、鮮やかな色を使い始めたのは鎌倉に来てから。

 実は「うつわ」に興味を持ち、好きになったのもごく最近で、私はとにかく作るのが好きだった。
もっと器のことを知りたい!と思ったのは、料理やお菓子を習い始めたことで、器を見て想像する景色が広がるようになり、器そのものの奥深さを知ったからかもしれない。

「おいしい料理」を食卓に出すとりあえずの策として気を付けているのが、盛り方と器選び。
とっても単純な策なので、毎回うまくいくとは限らないが、美味しそうに盛ると美味しく感じるものだ。うつわ自体が素敵ならなおさら。

うつわは大きさがとても重要で、いくらデザインが良くても大きさが食卓にそぐわない物だと使いにくい。
購入するときも、いつも何人分の食事を作っているのか、つまり、この器に何人分の食事を盛るのか。をじっくり想像して選ぶことにしている。
自分の生活に合ったものなら、少々高くついてもサイズのちょうどいいものを。

 うつわにはそれぞれ産地や歴史があり、大雑把に言うと、土の性質・釉薬の種類・デザインと見た目の感触で○○焼きの特徴が作られ、職人が作る物・作家が作る物、電動ろくろ・蹴ろくろ、手作り・型作り、登り窯・電気釜、などなど色々な違いがある。

イメージ 1


そういったことを知り始めると、より実際のところ。を見たくなる。
陶器の産地めぐりは去年の下半期に掲げていた目標。今年にまでずれ込んだ。
今年こそは達成すべく、予定をくんだ。
不思議なことに、うつわを切り口に、苦手だった地理や歴史が、興味深いものになってきている。
全国全ての産地を巡ることは出来ないが、まずは自分が気になる焼き物の陶器市に足を運んでいこうと思う。

イメージ 2

 写真の器は最近のお気に入りの物。
沖縄読谷村・北窯の湯呑み、小鹿田焼き・刷毛目模様の鉢と飛鉋の小皿、自作の大鉢、岐阜(多治見)の作家・横山拓也さんの片口。
これらにプラスして、平皿ではなく少し深さがある黒土の取り皿があったらどうだろうか。
きっと、食卓が引き締まり、かっこよくなるのでは・・・。

うん、作ってみよう。

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陶芸奮闘記 ☆ てのちから ☆Vol.11

てのちから Vol.11

 以前、美術展出品の奮闘記の中で、東京の工房を紹介したが、最近はめっきりお休みしている。

本業の分量を少し多くしたので、その傍ら片道2時間近くかけて工房に通うことが難しくなっている。

工房に行けば、一日こもり、帰りが終電ギリギリになり、心身ともに疲れきってしまうことも自分の中で、単純にどうかと思う。

工房で扱っている釉薬の全てを使用するには至っておらず、クセも塩梅も分かっていない。

だからこそ沢山の作品を作り、試作を繰り返すことが必要なのだが・・・。


東京には出向けないが、家で作陶する時間はある。

私の作陶スタイルは、日常の中にあり、洗濯の合間・食後の時間・寝る前のひと時。少しずつ肯定を進めてひとつの作品の形を作り上げる。

工房に行かなくとも作品は増える。

そんな時は、私が陶芸を始めた当初から通っている横浜の教室に持って行く。

陶芸は『作成→乾燥→削り→完全乾燥→素焼き→ヤスリがけ→釉がけ→本焼き』の行程を辿ってやっと『完成』になる。

横浜の教室を利用するときは、完全乾燥の段階までは自宅。素焼き以降の工程は教室で行う。

もちろん教室なので、最初から最後まで教室で行うのが基本だが、私は4年位前からこのスタイルで
やらせてもらっている。

窯を焚くのは、窯がいっぱいになるほどの作品が溜まってからなので、素焼き上がりまでには
少し時間が空く場合がある。

それまでにまた自宅で作陶し、前回持って行った作品が素焼き上がるタイミングでそれを持って行く。

そうすると、教室に行ったときには毎回、何かしらの作品が出来上がっていたり、素焼きが終わって
いてすぐ次の作業が出来たりするので非常に回転がいい。

東京の工房より土の値段は大分高いが、そんなことよりも、重要なのは焼き上がり。

最近、自分の作品と教室の釉薬の塩梅が分かってきた。と実感できることが多くなったのだ。


陶芸は、形はもちろん大事だが、釉がけは言わば人形で言う目を入れる作業。

色や艶は人間の美的感覚に鋭く刺激を与える。

それにより、作品の表情・つまり雰囲気が作り上げられる。

なのに、釉薬は作品の厚さや形でかかり方が変わるので、マニュアルという物がない。

自分の作品に合うマニュアルを自分で作り上げていくのだ。

釉薬のかかりに納得がいくようなものが出来てきたのはごく最近。

自身の作品のクセや好みをやっと自覚し始めてきた証かもしれない。と、ついついこれからの作品つくりに期待してしまう今日この頃である。

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陶芸奮闘記 ☆ てのちから ☆ Vol.10

てのちから Vol.10

 手が空いたら片口を作って欲しい。そんな依頼を受けた。
片口・・・。どうもよく分からない。売っている物も、本で見る物も色々なデザインがあるが、この突起はどう見ても注ぐためのものだろうに、どうみても液体が下に垂れてしまうような構造のものが多い。
これで使い勝手がいいの? 
液体が器をつたって下に垂れることが嫌いな私は、そのフォルムにも愛着が湧かない。
もちろん、注ぐ為の物をきれがいい構造で作ってあるものもあるし、原理は分かっているが、自分でそれを作る自信も無く、一切作ったことが無かった。 
しかし、ある友人はお茶を入れるときの湯冷ましに使う。またある友人は卵を流し込む時にいつも使っている。とも言う。
急に片口を使っている風景が眼に浮かんだ。

なんか優美・・・。いいじゃない?
途端に「使い勝手のいい片口」が作りたくなった。

片口は、もともと酒や醤油・油などを小型の容器に移す為の台所用具。
現在は食卓でも活躍する機会が増え、片口の特徴である口は、注ぐという機能とは別に、装飾として付けられることも多くなった。
しかし、注ぎやすいことと、かけにくいことを両立させることは難しい。
だからこそ「使い勝手のいい片口」を作りたい。

一回も作ったことの無い私が、そりゃぁ高望みだとは思うが、とにかく自分なりに工夫して作ってみた。
すっかり片口三昧。

イメージ 1

こうみると、このフォルム。かわいらしい。

イメージ 2

片口は、口がついていることが間抜けに思えて好みではなかったが、逆にそれを活かし、器の部分をころんとした形にすると私好みなフォルムになってくれた。

イメージ 3

横から見るととぼけた感じに見える。ひょっとこみたい。
焼き上がりで、口の機能が少しくらい悪くても、この愛嬌があれば食卓で活躍してくれそうでは無いか。
なんだか新しい発見で気分上々である。

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陶芸奮闘記 ☆てのちから ☆ vol.9

 寒中お見舞い申し上げます。
冬の乾いた風はまだ冷たいけれど、少しずつ陽が伸び、春の訪れを心待ちにする毎日です。
今年も変わらず、制作活動を楽しめる一年にしたいと思っております。
よろしくお願いいたします。

イメージ 1


  てのちから Vol.9

 昔、「あなたの作る器は重い。もっと軽い方が使いやすい」と母から指摘され、おかげで電動ロクロで作ったと思われるほど薄く軽い物を作れるようになった。
母からは「軽くて良くなった」と言われたが,弟からは「安っぽい」とも言われた。
うむ。一理あり。軽くて重厚感をだすのは難しい。
私は軽さを追及したあまり、すっかり薄い作品を作り、しかも薄く作るクセがついてしまっていた。
薄く作れることは非常に良い事らしいが、それは土を自由に操れる人が言う言葉。私はそういうふうにしか作れなくなってしまったのだ。
これは困った事だ。無意識にサクサク作っていると、軽くて薄くて・・・安っぽい物…が出来上がってしまう。

 人は物を手に持った時、どこに物の重心があるかで重さの感じ方が変わるのだそうだ。
具体的には、うつわの高さ、下から三分の一の所に重心があると軽く感じ、それ以下にあると重く感じる。
この手の感覚を利用して、作品を軽く感じさせ、口あたりやシルエットをふっくらさせれば、追及していた作品が出来るのでは?
頭では分かった。それをこの手で実現させるのは難しい。たとえ思うように作れても、焼き上がりで、よしっ!と納得がいく作品は少ない。
試行錯誤の中での作品はほとんどがボツだ。
窯から出た作品を見て、がっかりため息。
気を取り直して追及すべき点を明らかにする。人からも意見をもらう。

そっかそっか…次はこうしてみよう。がはっきりしたら、また土をいじる。

今年も色々な物を作り、その作業の繰り返しを続けていくのだろう。
終わりの無い楽しみがここにある。

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