全体表示

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全55ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

欧州債務危機が浮き彫りにするアジア政治経済の正念場

ギリシャのユーロ離脱可能性が、日に日に高くなってきている気がします。

特に、先週5月24日に終了した欧州連合(EU)首脳会議で明らかになった、ユーロ圏各国が「ギリシャのユーロ離脱シミュレーション」を水面下で始めているらしき動きは、今後の世界経済を見通すうえで非常に重要です。

ギリシャがユーロを離脱することは、アジアにどう影響を与えるのか、ここで注意深く考えておく必要があるでしょう。

簡単にシミュレーションすると、以下の通りです −

1)6月17日の再選挙で、ギリシャで緊縮財政反対派が勝利する
2)支援国群と合意済みであった緊縮財政路線を新政権が白紙撤回
3)EUおよびIMFが金融支援を凍結、ギリシャは景気回復のために割高で輸出に不利なユーロから離脱し、新通貨を採用
4)通貨価値が大きく目減り、預金や資本が流出、インフレで国民生活は厳しくなる
5)政府債務負担は膨らみ借金返済は困難になり、デフォルト(債務不履行)が発生
6)外貨建ての債務負担も急増、企業の債務不履行も続出
7)ギリシャ国家経済は破綻、南欧諸国にも波及、欧州全体は長引く景気低迷局面へ
8)ユーロ圏が大口の輸出先である中国、インドなどのアジア人口大国の貿易収支が悪化、経済成長に下方圧力
9)中国やインドを主たる貿易相手としているASEAN諸国の経済成長にも下方圧力影響
10)欧州の銀行が長引く景気低迷により資産圧縮へ、域内成長率を押し下げる
11)アジア各国から欧州の資本が流出、流入も途絶える

− ざっとこんな感じです。

要すれば、中国やインドにとってドル箱であった「欧州への輸出」が急停止となり、なおかつ「欧州からアジアへの投資」も急停止になる、というダブルパンチが同時に発生することになります。

これは、アジアにとって大きな痛手です。

この最悪シナリオを回避するためには、アジアは、そして日本はどうすればよいのでしょうか。
偶然にも、アジアは今回の欧州債務危機勃発以前から、「外需期待の輸出依存型成長モデルから、内需期待の消費主導型成長モデルへの転換」を目指し、そのための準備が進んできています。「10億人が中間層になる」と言われているアジアは、世界経済を動かす巨大なエンジンになり得ます。

したがって、現在のアジア各国、特にASEAN(10か国)+3(日本・韓国・中国)で取り組まなければならないので、如何に消費主導型成長モデルをアジア域内で確立できるのか、特に中国がこの概念をどこまで具体的に政策にしていくことができるのか、またより持続的な成長を続けていくためには日本を先頭ランナーとする少子高齢化社会の勃興にどのように向き合い、この重要な問題への解決策を日本の先進事例からどのように学び、検討していくのか、という大きな2点が鍵になることは異論はないでしょう。

特に、後者(少子高齢化への対応)については、当然の如く各国政府が労働人口を確保するためにも移民政策にどのように取り組むのか、という点が大きな焦点になり得ます。

しかしながら、移民政策はの諸刃の剣でもある、と言えるでしょう。

積極的な移民受け入れによって、外国人にとって理想的なビジネス環境を提供することで自国経済を活性化してきたシンガポールは、その結果として自国全体に恩恵を生み出すことが国家戦略として長く定着していました。代表的なのは、世界のトップ研究者を高額な報酬で集めて世界トップの開発を行う拠点として有名な「バイオポリス」でしょう。

その「移民政策先進国」シンガポールも、最近は自国民から「外国人を受け入れすぎたことで、自国民の待遇向上が置き去りにされている。外国人との収入格差が広がりすぎている」という批判の声が大きくなり、結果として昨年5月の国会議員総選挙で建国史上初めて与党の得票数が6割にまで低下する、という危機的な局面を迎えています。

この局面を打開すべく、政府はついに今年1月からは外国人就労ビザの発行を厳格化し、実質的に自国民優遇政策へと方向転換をしました。

移民政策と言えば、世界的には米国が最も有名かつ成功した国であることは論を待ちませんが、米国が中南米などからの移民受け入れによって少子高齢化を防ぐことが出来、労働人口の比率を一定の範囲内で維持できているのは事実です。シンガポールも、米国ほどではないですが移民外国人の引っ張りによって高成長を維持してきたという事実があります。

したがって、シンガポールはアジアの中で移民政策に関してはトップランナーであったために、また全人口が500万人レベルという小規模国であったために、早くも壁にぶち当たってしまいましたが、他アジア諸国が仮に今回の欧州債務危機からの教訓として移民政策に積極的に取り組むことになった場合は、シンガポールの先進事例を鵜呑みにすることはできません。

一方で、何もしなければ欧州債務危機による経済的な影響をうけて成長が鈍化していくことは明白であるので、何らかの政策転換を地域として早急に打ち出していく局面にあります。ここに日本がどう関わるのか、関われるのか、野田首相も日経新聞主催の「アジアの未来」晩餐会でラブコールを送りましたが、どこまでアジア諸国の要人の胸に響いていることやら…。

欧州債務危機によって、アジアが正念場にあることも、間違いなく露呈し始めています。

逆説的には、ここでアジアが自律的な政策を実行できれば、真の意味で世界をリードする世界最高の地域経済になることができ、今後数十年にわたって欧米にとって代わる世界のリーダーになることができるかもしれない、そういうチャンスの局面であるのかもしれません。

( tknaito 研究主幹 ) Copyright © tknaito 1999-2012

閉じる コメント(1)

閉じる トラックバック(0)

ギリシャのユーロ離脱可能性

現在、米国で開かれている主要8カ国(G8)首脳会議(サミット)で、欧州債務危機への対応をめぐって「財政の健全化と経済成長の両立を目指す」という方針が、首脳間で合意されたとのことです。

この方針合意の背景に大きく影響しているのは、何と言っても欧州における最近の2つの大きな出来事です。

ひとつは、ギリシャにおいて緊縮財政策に関する合意が与野党間で形成されず、再選挙となってしまったこと。
もうひとつは、フランスの大統領選で西側よりの資本主義者としてドイツのメルケル首相と「メルコジ体制」のもと、欧州全体を緊縮財政方向に持って行きつつあったサルコジ大統領が破れ、成長路線を公約に掲げたオランド大統領が当選したこと。

いわずもがな、過去2週間という短い間に起こった、今回の欧州債務危機の当事国(ギリシャ)および支援枠組みを主導していた国(フランス)の民意による「緊縮財政一本やりへの反発」は、米国からしてみれば「そら、見たことか」という感じで、今回の「緊縮財政だけでなく、成長にも目を向けよう」という方針の一致につながっていった訳です。

現時点での世界の最大の関心は、「ギリシャがユーロ圏から離脱するか、否か」ですが、これには「離脱はあり得ない」とする見方が世界的に大多数を占める中、「もしも」のときへの備えとして国際通貨基金(IMF)は離脱シナリオの想定も検討し始め、「イギリスの大手紙幣印刷会社デ・ラ・ルーがギリシャの旧通貨ドラクマの紙幣印刷再開に向けて準備を始めた」と英紙タイムズが報じたりと、最悪の想定をし始めるステークホルダーも出てきている不気味な展開です。

欧州各国にとってみれば、ギリシャのユーロ離脱は欧州債務危機の泥沼化を意味するだけでなく、今までの財政支援も水泡に帰すことになり、世界経済への波及を妨げる責務からも、何としても阻止しなければならない一大事です。これは、IMFも似て非なる立場です(IMF融資は「必ず返済する」という国際ルールがありますが)。

スペインの16銀行も格下げ機関から一斉に格下げされ、イタリアも信用不安がくすぶり続けている中、ドイツのメルケル首相がパプリアス大統領と電話会談した際に「ユーロ圏にとどまるか否か、国民投票をすべきだ」と内政干渉的に詰め寄ったとも報じられたことは、メルケル首相が相当イライラしていることを如実に表しています。

しかしながら、政治リスク分析調査会社「ユーラシア・グループ」の社長であり、新進気鋭の御意見番として世界から注目を集めているイアン・ブレマー氏によれば −

「(ギリシャ)国民の8割が(ユーロ圏への)残留を支持している。これが6月17日の再選挙に表れるだろう。有権者はおそらく残留を選ぶ。」
「メルケル首相は成長の必要性に言及している。妥協の道はすでに舗装されている。歳出拡大ではなく、無駄を省いたうえで効率的な投資を探ることになるだろう」

− と、ギリシャのユーロ残留、および「財政の健全化と経済成長の両立」について比較的楽観的な見方を示しています。もちろん、その両方が簡単に成し遂げられるとは思っていないでしょうが、市場から見れば「最悪のシナリオは回避される可能性は高い」というメッセージにも見えます。

ブレマーは今後の根本的な解決策に、「(欧州全体の)財政統合」を提示しています。要すれば、欧州全体はもはやひとつの経済圏なのだから、財布もひとつで管理しないと持続性は担保出来ず全体責任を問えない、という単純かつ自然な議論です。

一方、欧州債務危機が世界経済の足を引っ張っている結果、米国経済も景気低迷の余波を受けている現状において、米国でリーマンショック以降続いていた緊縮策の是非を問われたエール大学のロバート・シラー教授は −

「財政再建策がある意味、信用回復をもたらす面もある。だが、緊縮策が適切な政策だとは思わない。取るべきモデルは日本型だろう。財政出動を繰り返し、国家債務は非常に高水準になった。しかし、低いながらも成長を維持し、恐慌には陥っていない。それが現実的に我々が望めるベストの道だと思う。多くの国が景気刺激策を取るべきだ」
「均衡のとれた景気刺激予算という道があるはずだ。40年代にサラントとサミュエルソンが、増税と歳出拡大を同時に実現すれば、政府債務は膨張しないと論じている。焦点は富裕層への増税だ。増税しても消費面への影響は少ない」

− と、回答しています。オバマ大統領が、再選に向けて主張している富裕層への増税に通じている意見です。若干、大衆迎合的ではありますが。

シラー教授の上記コメントは、あくまで米国のおかれた状況に対する考えを述べているだけなので、これを欧州債務危機に置き換えて理解することは決して正しくありません。しかしながら、前出のブレマーによる「財政の健全化と経済成長の両立」が欧州域内で受け入れられることへの楽観視、そしてシラー教授の「(米国における)緊縮策が適切な政策だとは思わない」という視点は、少なからずマクロ経済学的には同じスタンスであることは間違いありません。その考え方が、今回のG8でも各国共通の基礎的な考え方として共有、一致した、ということなのでしょう。
この状況を、日本政府はどのように見ているのでしょうか。

シラー教授にも賞賛された「日本型モデル」は、借金を増やしてでも歳出を拡大して景気を刺激する代表的な手法です。しかしながら、単に歳出を拡大するだけでは、借金が積もり積もって破綻するという、ギリシャの現状そのままな訳です。したがい、無作為な国債の増発はなんとしても喰い止めなければならないのは、誰しもがわかっていることでしょう。

よく言われるのは、「日本は国債を国内でファイナンスしているから、いくら国債を発行しても問題ない」という国内ファイナンス理論ですが、これが眉唾であることは既に巷でも解説が出ているとおりです。なぜなら、実際に保有しているのは機関投資家や金融機関であるので、国債価格急落のリスクがもしも高まった場合、これら国債保有者が国債を保有し続ける保証はまったくないからです。

そうではなく、シラー教授の言う「均衡の取れた景気刺激予算」というのが王道であることは間違いなく、現在の日本では増税の話ばかりが先に立っているので、話を聞く国民は「絞り上げることしか考えていないのか」と、辟易するわけです。増税と歳出削減、そして効率的な景気刺激のための支出、この3点セットが同時に実行されない限り、国民の不安は消えません。

翻って、ギリシャを代表する欧州債務危機に翻弄されている世界経済の現状に対し、アジア各国はこれをどう受け止めるべきなのでしょうか。

中国は傍観しつつ、自国の成長減速と共産党トップの交代が重なってしまった今年をどう乗り切るのか、内向きな状況に陥ってしまっています。しかしながら、欧州は中国の主要輸出先であることから、今回の欧州債務危機は顕著に中国経済へ影響を与えているのが事実です。

中国が政治経済実態的にもG8に入るべきであることは世界の共通認識であるのに、いまだにこの「欧米主導の仲良しグループ」に正式には呼ばれないことは、特に今回のように世界経済が大きな局面にある時に大変残念なことです。

G20で存在感を発揮し始めている韓国やインドネシアは、まだまだG8には遠い存在であることは仕方ありませんが、欧州債務危機が泥沼化すればシンガポールや香港の欧州系金融機関の業績が一気に悪化し、両地域の景気は急降下すると既に想定されています。これに直接リンクするのが中国経済であることから、今回のG8の議論には中国には是非入ってもらいたかった、と痛切に感じています。

先週16日には、韓国や香港などのアジア株が今年最大の下げ幅を記録しました。香港に日は、香港株式時価総額全体の16%を占めるHSBC(香港上海銀行)の本拠地があり、最大の顧客は欧州です。この影響は見逃せません。

シンガポールの金融機関も類似であり、シンガポールが躓けばインドネシアやマレーシアも影響を受け、リンクする中国経済のの更なる減速はベトナムや台湾にも大きく影響を及ぼすことから、どうしても各国は次善の策として内向きな経済政策を今後取り始める場面が増えることが想定されます。

6月17日のギリシャ再選挙で、反緊縮財政派が政権をとる確立は決して低くありません。そうなった場合、合意済みであった緊縮財政路線を新政権が白紙撤回すれば、EUは金融支援を凍結し、ギリシャはたちまちデフォルト(債務不履行)に陥り、ここからの再生シナリオのひとつとして「ユーロ離脱、旧通貨ドラクマへの回帰」が最悪のシナリオです。

仮にそうなった場合、ギリシャ自体は「割高で輸出に不利であったユーロ」から「割安なドラクマ通貨」を採用したほうが、インフレ率の急騰やデフォルトのリスクを差し引いても「ユーロにとどまって頭を垂れて、国民が安い賃金と年金で構造改革を長期間続けていくよりは、ユーロから離脱して自国通貨下落による競争力回復でV字回復するほうが即効的だ」と考えている人は、少なくないかもしれません。なぜなら、ギリシャの人々は1997−1998年に発生したアジア経済危機で、IMFが主導した経済再生プログラムがことごとく失敗したことをよく知っているからです。当時、アジアに共通通貨はありませんでしたが、IMFは過去から学んでいない、と考える向きは少なくありません。

そのIMFに600億ドルを追加拠出した日本を、ギリシャや欧州、そして米国の人々はどのように見ているのでしょうか。「日本は財政危機だといわれているのに、まだまだカネがあるなぁ…、余裕があるんだなぁ…」という感じでしょうか。

欧州債務危機が、アジアや米国のみでなく日本にも大きなダウンサイドリスクをもたらしていることは事実です。しかし、「カネだけ出してもらえば良い。あとは黙ってて。内政で大変でしょ」というのが、何とも悲しい日本の現在の立場です。

( tknaito 研究主幹 ) Copyright © tknaito 1999-2012

閉じる コメント(3)

閉じる トラックバック(0)

財務省の大盤振る舞いと、村井信尚@IMF

先週は、日本政府が久々に国際社会で注目された週だった、といえるでしょう。それは、2つの大きな「大盤振る舞い」によるものでした。

ひとつは、4月21日に東京で開催されたミャンマーと日本の政策対話。

つい一昨年までは「世界の悪役」のひとりだった元軍人のテイン・セイン大統領(元首相)が、2010年11月の総選挙以降はガラッと「いいヒト」に変身。誰もが「そのうち、手のひら返すよ」と思っているうちに、あれよあれよと民主化が急進。アウンサンスーチー女史も自宅軟禁から解放され、つい先日の補欠選挙で彼女が率いる国民民主連盟(NLP)が大躍進したのは、すでに有名な事実ですね。

その「元悪役」テイン・セイン大統領が来日したことを機会に、日本政府は同国への延滞債務3,000億円を免除(=借金棒引き)することを発表しました。おまけに、25年ぶりに円借款供与を再開する、というオマケまで。

これだけ見れば、国際援助の世界の過去にもあった似て非なるニュースのひとつであり、一般の方からすれば「フーン」で終わってしまうのかもしれません。

しかし、何がこのニュースの大きな価値であったかと言えば、「ミャンマーの最大債権国であった日本が、ミャンマー政府に対して寛大な譲歩をして、延滞債務免除を行った」という事実は、他の債権国(欧
米各国)にとっては「かなり意外な展開」だったからです。

欧米諸国からすれば、現在の日本の財政状況は数字(債務残高の対GDP比が200%超え)だけで見れば「世界最悪」であり、常識的に考えればそんな財政状況の国が3,000億円もの債権をポンと放棄することなどできる筈がない、と考えていました。これは、数字だけで見れば、至極真っ当な考え方です。

一方で同時に、ミャンマーとの歴史的関係が最も深いといわれる日本が、ここまで(意外にも)ミャンマーの改革が加速している中で、まさか指をくわえて黙っているはずがなく、何かの「アメ」を与える用意をしていたことは周知の事実で、おそらくそれは「債務の繰り延べ」などの金融的小手先手法で借金を一度チャラに見せかけ上して、すぐにまた債務をつくるような手法をとるのであろう、との見方が大半でした。

日本政府にしてみれば、「てやんでいっ、ミャンマーと日本の関係は、お前ら欧米とは違うというところ、見せてやるぜ!」とでも言わんかのように、本当に気前よく借金棒引き、もとい延滞債務免除を断行しました。しかも、新規の優遇金利貸付までオマケにする、最高の待遇です。

これには、欧米諸国も「日本、おぬしもなかなかやるなぁ…(でも、大丈夫なの?)」という感じなのだと思います。

もうひとつは、17日に安住財務大臣が公表した国際通貨基金(IMF)への「600億ドル拠出」を表明したことです。

すでに各紙でも色々と書かれていますが、欧州債務危機がまだまだくすぶり続けている中で、IMFの最大拠出国である米国が大統領選との絡みもあり「拠出しない」と決断したことに真っ向から相反し、第2位拠出国でありながら大してIMF内ではプレゼンスも保てていない日本が、必要とされた5000億ドルのうち10%以上を単独で拠出する決断をいち早く表明したことは、結果としてBRICSなど他新興国などの判断にも大きく影響を与えたと言われています(結果的には、4300億ドル程度どまりとのことですが)。

この背景には、

1)欧州危機が止まらないと、世界全体の景気は停滞し、行き場のなくなったマネーが安定通貨といわれる日本円にどんどん流入し続け、円高が止まらなくなる、

2)IMFでは第3位拠出国にまで迫ってきた中国のプレゼンスが大きくなり続けており、今回の巨額拠出によって日本のプレゼンス(=IMF内のポスト)を高めたい思惑も取引要因としてある、

3)世界各国や市場から「日本の財政は本当に大丈夫なのか?」と言われ続けている中、巨額拠出を政府が断行することで、「財政は健全」ということを国際社会にアピールしたい
 
− などなど、様々な思惑があると言われています。このほかにも、色々とウラでは「思惑ネタ」も飛び交っていますが…。

いずれにしても、この2つの「大盤振る舞い」が、受け取り手であるミャンマーとIMFにとっては嬉しくなかった訳はなく、国際社会からも「日本も大胆なことするねぇ…」と久々に注目されただけでも、少なくとも財務官僚はニンマリだった1週間だった訳です。

このような「大盤振る舞い」は、前述した「世界最悪」の財政状況だけで考えれば到底有り得ない支出なのですが、そこは財務省、実は周到に原資を考えているようです。詳細にはなかなか不明ですが、簡単なキーワードで触れてみれば「外為特別会計」「外貨準備」「財政投融資借入金」そして「消費税」、ってところでしょうか。


さて、少し話を変えますが、20日のG20会合でIMFへの4300億ドル拠出が固まった翌日、IMF本部では「IMF・世界銀行総会」のサイドイベントとして「Asia’s Rebalancing – Regional and Global Implications」と題した、大物エコノミスト達によるパネルディスカッションが開催されました。

パネラー達は、Ilan Goldfajn (ブラジルItau Unibanco チーフエコノミスト)、Vincent Reinhart(米国モルガンスタンレー証券チーフエコノミスト)、Yi Gang(中国人民銀行副総裁)、篠原尚之(IMF副専務理事)、Pamela Cox(世界銀行東アジア大洋州地域担当副総裁) − という、錚々たる顔ぶれでした。

そして何より、これらの大物パネラーをとりまとめるモデレーター役に、日本テレビの「NewsZERO」でアンカーを務められている村尾信尚さん(関西学院大教授)が、堂々と登壇されました。

実際に会場で聞いてみると、村尾さん、とても流暢とは思えない「日本人英語」なのですが、それでも「アー、ウー」という突っかかりもなく的確な単語の使いまわしで、しっかりとモデレーター役を務めてられていて、正直申し上げてなかなか見直しました。

隣に座った篠原副専務理事は、村尾さんの財務省時代の先輩にあたる方ですが(村井さんは旧大蔵省主計官)、割と冷めた目で村尾さんを見下す感じで受け答えしていたのが、印象的でした(良い印象ではありませんが)。

さて、そのパネルディスカッションですが、内容的にはやはり「中国」が中心になりました。しかし、当事者の人民銀副総裁がいたこともあり、なかなか面白いやりとりでした。

概要的には、『世界全体の経済が低迷する中、アジアも影響を受けているが、再び成長軌道に回帰することは可能であるのか(Rebalancing)』という大きなテーマの中で、以下のようなコメントが各パネラーから出ました −

● 代表的に注目すべきは、やはり中国経済の先行き。中国はGDPに占める投資の比率が相変わらず高く、特にリーマンショック以降は急増しているが、持続成長に必要な自国内消費の比率はまだ低いままである(篠原)。

● 中国の成長率が低下傾向にあるのは、長期的な構造要因によるものであると言える。それは、人件費の上昇に生産性上昇が追いついていないこと(競争性の低下)、人民元為替交換比率の調整、高齢化社会の到来、などなどが重なり合っている。
GDPに対する消費が低いという指摘は多々あるが、統計の問題は指摘したい。中国の都市部を見れば消費はどこも盛んだ。もちろん、都市部以外は低いかもしれないが、統計に出てきていない消費の上昇は見られている。長期的には、消費を伸ばして投資比率を抑えることは政策として優先的にある(Yi Gang)。

● 中国の成長低下が、基本的に構造的な要因であることに疑いはない。しかし、中国は今後の政策次第では、新しい成長モデルとして他新興国に対する競争的な地位を確立できるチャンスも持っている(Pamela Cox)。

● 中国だけでなく、ほかBRICS諸国も対GDPの消費を指摘されるが、実態的には伸びている(Ilan Goldfajn)。

● アジア地域を見てみると、中国よりも安い人件費で生産される加工品、おいしい果物、伝統工芸品、文化など、魅力的なモノが豊富だ。ただし、中国以外の国の課題は、中国へこれらの魅力的なモノを輸出するためのインフラが不足している。これを強化しないと、地域の持続的な成長は確保できない(Pamela)。

● アジアでは、自国外との金融のつながりは深い一方で、自国内での金融網の発展が弱い。Financial Integrationは重要なトピックだ(篠原)。

● ブラジルの主要輸出先は中国だ。南米には、アジアの6倍もの水や土地がある。アジアと南米は補完関係になれる(Ilan Goldfajn)。

● 一定の経済規模になるとそこから先に進めない「中進国の罠」の理論をよく言われるが、中国の現在の一人当たりGDPは約5,000USDで、「中進国の罠」に嵌らないためにも研究開発(R&D)、教育、大学の研究と企業活動のリンク、所得分配の不均衡改善、などを強力に進めていく(Yi Gang)。

● 先進諸国はどこも公的債務の膨張に四苦八苦している。これに対峙していくためには、密度の濃い財政計画が必要だ。アジアにおいて、以前に日本が先頭を走って他アジア諸国がそれに追随していた「雁行形態経済成長モデル」が、これからは中国が先頭になって新しいモデルを創り出すことは可能だと思う(Vincent Reinhart)。

● これらは発言のごく一部ですが、上記のような興味深い見解が、それぞれ相手の立場も見ながら腹の探りあいをしつつ、主に中国を中心に議論されました。

日本について議論が盛り上がらなかったのが、ちと残念でしたが。。。

( tknaito 研究主幹 ) Copyright © tknaito 1999-2012

閉じる コメント(6)

閉じる トラックバック(0)

日銀政策の賞味期限とインドネシア&ミャンマー

2月14日に日本銀行が発表した金融緩和策が、市場から「賞味期限切れ」を指摘されています。

政治的なプレッシャーもあり、初めてインフレ目標的な表現を明示した2月の日銀政策でしたが、その市場に対する効果は、過去1ヶ月強の間は覿面(てきめん)でした。

外国為替は円ドルベースで8.5%も円安が進み(2月13日終値の77.57円/$と3月15日につけた高値84.17円/$の比較)、日経平均株価も同日以降は終値ベースで14%上昇し(2月13日終値とその後の最高値だった3月27日終値比較)、「外国人買い」が増えただけでなく、年度末という時期もあいまって高配当の個別株式を確定前に購入する「日本人買い」も偶発的に重なり、2008年のリーマンショック以降久しぶりの「健全な上げ相場」を演じていました。

ところが、これは2月14日時点ですでに指摘されており、ほぼ公然の共通認識にもなっていたところではありますが、日銀の今回緩和は期限も明示的でなく、実際の不動産買取も過去の実績から考えても実体が伴っておらず、「今回緩和の市場効果は数ヶ月。問題は、その効果が持続している最中に『次の手』を打てるかどうか」という点が市場関係者の間ではまことしやかに語られていました。

その「数ヶ月」がいま、終わろうとしています。

先週末時点で、為替は1USD=81円台まで円高に振れ戻り、日経平均株価も1万円を割り込んで9500円を市場は意識し始めています。

そのきっかけになっているのは、もはや国内の税と社会保障の一体改革にかかるゴタゴタ内政問題など全く関係なく、ましてや亀井静香氏が国民新党をクーデター的に追われたことなど全く市場は加味せず、米労働省が先週6日に発表した今年3月の雇用統計でした。発表によると、非農業部門雇用者数は前月比12万人増にとどまり、予想の20万3000人増を大幅に下回ったとされていて、このことが「欧州債務問題はまだ終わってない。米国はQE3(金融緩和第3弾)を真剣に検討しないと、まずいことになる」というメッセージが市場に送られたためでした。

この流れに呼応して、アジア域内の景気減速懸念も再燃しています。

中国は先日の全人代以降、パッとしたニュースもなく重慶市トップだった薄氏の解任問題により中国全体における統治(ガヴァナンス)や法令順守(コンプライアンス)がまだ問題視され、インドも財政赤字問題が深刻化してきている中で政治が経済の足を引っ張り始め成長鈍化が顕在化し、ベトナムも消費減退による経済成長息切れ懸念が不安視され始めています。

そんな中で、孤軍奮闘とも言える注目株がまだあります。

それは、インドネシアとミャンマーです。

インドネシアは、産油国でもあるにもかかわらず1998年のアジア経済危機後の長引く景気低迷によって石油精製施設インフラの整備がずっと手付かずであったことから、2003年には原油の純輸入国に落ちぶれてしまいました。そして、2005年にはOPEC(石油輸出国機構)メンバー国からも脱退を余儀なくされる不名誉な事態になった後、やっと2009年頃から経済が安定成長路線に入ったことを受け、現在急ピッチで石油精製施設インフラの再整備が進んでいます。

しかしながら、そういった大規模インフラは1-2年で整備されるはずもなく、現時点ではまだまだ純輸入国的な構造であることには変わりないのが実態であり、それを穴埋めするために政府は産油国であることを良く知る自国民のためにガソリン単価を低く抑えるべく、政府補助金を石油業界に長年支払い続けていました。

ただし、この補助金はアジア経済危機でインドネシアを「管理下」に置いたIMFからも指摘され続け、真の資本主義国家になるためにもいつかはなくすべき「悪貨」だと言われ続けていました。

そんな中、好調な内需に支えられて安定的に6%成長を続けるインドネシアではモータライゼーションの急速な進化でガソリン需要が急増し、需給バランスが崩れ始めました。政府は、急増する需要に応えるためには輸入を増やして供給を追いつかせなければならないのですが、ここで問題なのは世界的な原油価格の上昇により政府の「仕入れ値」も上昇し続けているため、政府は上述した補助金をとうとう打ち切る方策に転化せざるを得なくなり、ガソリンの小売価格を4月から33%も値上げすることを国会で与党が提案しました。

これに野党が猛反発、そして市民も暴動やデモを小規模ながら起こしたことにより、結果的には与党が提案を取り下げる結末になりました。

景気の過熱感からも消費者物価は上昇基調にあり、原油高が社会コスト全体の増加要因として小さくない懸念になりはじめています。そこに今回の与党案取り下げという不始末が生じ、常識的に考えれば国家全体の財政懸念につながることからも現政権にとっては政治的に非常に危うい状況となっただったわけです。

ところが、ジャカルタ株式指数は先週に、史上最高値を8ヶ月ぶりに更新(4,215.44)しました。

これには市場関係者もビックリ。逆説的には、今回のような揉め事くらいでは大きく崩れない現ユドヨノ政権の安定性と、多少インフレ懸念があっても底堅い2.4億人の内需は旺盛であり、国全体の経済ファンダメンタルズ(基礎的要因)から見れば「狼狽するほどの大きな心配要因は発生していない」という投資家、特に欧米+アジアの外国人投資家の判断が株価に反映されていることが、再認識されました。

もうひとつの有望国、ミャンマーでは、報道にあるとおりアウン・サン・スーチーさん率いるNLPが補選で圧勝し、米国が経済制裁を解除し、この解除措置を中国が歓迎するという「正の連鎖」が想定どおりに起こっていることが、世界中の投資家にとって「Gold Rush」を思わせ始めています。

ミャンマーの最大債権国である日本も負けてはいなく、民間投資ではローソンがコンビニの進出を発表したり、各大手企業が続々と「ミャンマー詣で」を繰り広げる日々であり、もはや1年前には全く考えられなかったことが現実化しています。

ひとつ大きく心配されるのは、世界中からの注目とは裏腹に、長い間世界から孤立していたミャンマーには今回のような超急速の開国を支え続けるだけの政治家と官僚の数がいない、という問題です。実態を良く知る人いわく、「現在のミャンマーにおける改革を実際に動かしているのは、わずか30人程度の政治家と官僚だけだ。彼らは、明らかに『改革疲れ』を示し始めている」という危機的状況が報告されています。

このことは、The Financial Times紙にも大きく報じられましたが、もはや動き出した時計は止められる訳もなく、超高速で日々が流れていて、いつ時計のムーブメントが壊れるのか、それだけが心配です。壊れる前に手当てをと、各先進国が行政の専門家を派遣して支援する動きが始まっていますが、これには各国が主導権を握ろうとする思惑も入り乱れており、国としてどこまでまとまった構造になりうるのか、はなはだ不安は尽きません。

インドネシアとミャンマー、まったく政治経済状況は異なる2つの国ですが、同じASEAN10カ国の重要国であり、日本との関係もASEANの中では最も古く絆も深い部類にあることから、これら2国が偶然にも同時期に世界の注目を浴びている事実を、日本は単なる対岸の景色と捉えている場合では、まったくありません。

日銀の金融政策も賞味期限を迎えようとしている中で、日本は財政再建のために「税と社会保障の一体改革」、特に消費税法案で右往左往が続いていますが、もうひとつの経済成長の話が完全に抜け落ちています。そして、その有効手段のひとつである戦略的外交も。

日本の外交には、インドネシアやミャンマーのような親日国家で勢いのある国をどうタイムリーかつ戦略的に扱うか、官僚の中には考えている人たちは結構たくさんいるのですが、いかんせん政治家(特に現与党)には真剣に考えている人が見当たらないのが、なんとも悲しい事実です。

( tknaito 研究主幹 ) Copyright © tknaito 1999-2012

閉じる コメント(2)

閉じる トラックバック(0)

BRICS銀行の衝撃

諸事情により1か月以上更新できず、大変失礼いたしました。

さて、この1か月も、世界経済では色々ありましたね。

欧州債務危機の落ち着き、日米金融市場の回復、インドネシアで燃料値上げ検討によるデモ発生、etc…

その中でも、当研究所が最も注目したのは2点です −

1)3月初旬に北京で開催された、全国人民代表大会(全人代2012)
2)3月下旬にニューデリーで開催された、新興5か国(BRICS)首脳会議

− いずれも、非常に興味深い会議でした。

まず、全人代。

その概要はすでに各紙に報道されているとおりですが、何より「高成長時代に幕」とも形容されたように、2012年の経済成長率の目標を昨年までの8%から7.5%に公式に引き下げると表明したことでした。

これには、様々な解釈がついて回りますが、まったく明白なのは、中国が2005年から全人代で継続的に設定してきた「8%前後」という目標値、そして実績としては9〜14%台と常にそれを上回ってきた「高成長時代」が、労働人口の減少が間近に迫ってきたことを主たる原因として、これ以上継続させることは困難であることを世界中に明らかにした、という重要な点です。

日本は「世界の高齢化社会最先進国」でありますが、中国も過去の「一人っ子政策」の影響により実は相当のスピードで少子高齢化が進んでいることは既に数年前から論じられていて、今回の「表明」は世界にとっても想定内の話ではありましたが、全人代という最も権威があり重要な公式会議において「表明」したことは、世界経済にとっては改めて中国の高成長だけに依存できた時代は終わった、ということを意味しています。

日本の事情に置き換えて考えれば、今までは人件費や巨大人口市場の比較優位性で「中国に行けば明るい未来が開けている!」と単純に考えた民間企業も少なからずいらっしゃるかもしれませんが、もちろんそもそもそんな夢物語はあるわけではなく、今後は労働力確保と原価管理いう意味では、今までよりもより一層「我が社にとってのポスト・チャイナはどこの国?」という自問自答に備えた国際戦略を必要とされる、ということになります。

一方の「BRICS首脳会議」ですが、こちらはある意味、今後の世界経済を震撼させる予感を十分に持たせた内容であり、世界経済全体にとって「新たな想定カード」を1枚突きつけられた、という感が否めません。

というのも、3月29日にBRICS(ブラジル、ロシア、中国、インド、南アフリカ)トップ全員が合意してまとめられた「デリー宣言」には、「国際通貨基金(IMF)改革への憂慮」「世界銀行およびIMFトップ選出への注文」が公然と記され、その上「新たな開発銀行(BRICS銀行と仮称)の創設可能性検討」が初めて明記されたからです。これは、世界経済にとって寝耳に水、の話でした。

「新たな開発銀行」とは何か、と言えば、要すれば今後の世界経済の効果的・効率的な成長を考える場合に、現在の世界体制において、短期資本の支援にはIMF(アジア経済危機や欧州債務危機での役割を御参照)、中長期資本の支援には世界銀行(長期の無利子近似・有利子貸し付けを世界中の途上国および中進国に対して行う)という1944年以来の「プレトンウッズ体制」が70年近く継続していますが、各機関の出資率トップはずっと米国であり、中国などは出資比率を上げてきてはいますが、実態的には欧米先進国が内部の要職ポストを牛耳っている、という事実があります。

BRICS各国にしてみれば、今やBRICS5か国の外貨準備高を合計すれば約3.5兆ドルという巨額の「外貨当座預金」があり、仮にこれら総額の5%を5か国で拠出したとしても、資金総額1800億ドル(約14兆円)の巨大銀行を創設することが可能となります。

そして、その巨大銀行が世界銀行・IMFよりもより積極的に好条件で、世界の先進国に対して短期資金を融通し、途上国・中進国に対して経済発展用の中長期資金を融資することを本当に開始した場合、欧米寄りの先進国はともかく、アジアや南米、そしてアフリカなどの中進国・途上国はどう考えるでしょうか?

当然、世界の中進国・途上国が「欧米よりもBRICS!」と考えはじめる可能性があるのは、皆無とは決して言えません。むしろ、欧米先進国の経済的な低迷に反比例する政治的な高圧的態度を毛嫌いする国々は、積極的に「BRICS銀行」の枠組みに参加するでしょう。特に考えられるのは、米国の政策に反発の強い中東地域を中心としたイスラム圏各国とアフリカ各国、そして南米でしょうか。

もちろん、BRICS銀行の創設は、そんな簡単なことではありませんし、そもそもBRICS各国内でも思惑の違いから今後の紆余曲折も容易に想定されます。何より、国連の独立専門機関として世界各国の合意(という戦勝国の傲慢)によって設立された世界銀行・IMF、および既に存在している各地域の専門開発銀行(アジア開発銀行、欧州開発銀行、アフリカ開発銀行、米州開発銀行)との違いを、BRICS銀行はどのように合理的に説明していくのか、そして機能の差別化を図っていくのか、難問は続きます。

短期的には、BRICS各国の経済状況の差異さえあります。政治は安定ながらもレアル高による景気低迷に悩まされるブラジル、世界的な資源価格上昇によって経済的恩恵を被りながらも政治的不安定要因を大きく抱えるロシア、生産人口問題は中長期的に楽観できるも政治的不安定さを残し産業構造の転換も遅れ高成長の持続に黄信号がともりつつあるインド、「高成長時代に幕」を引いて持続的な安定成長への移行を試される中国、そして経済好調ながらも政治不安定で国内治安に大きな不安を抱える南アフリカ。。。

「BRICS銀行」は昨今の国際政治経済状況を考えれば、当然の選択肢として登場したものであることは間違いなく、今回のBRICS首脳会議で採択された「デリー宣言」が世界に対して「本気のメッセージ」を出したことは、決して見逃せない一大事であることは間違いありません。

2015年に控えるASEAN統合はこれにどう向き合うのか、中東各国はどう反応するのか、そして日米欧先進国はこれにどう対処するのか、2012年の重要ウォッチ項目であります。

( tknaito 研究主幹 ) Copyright © tknaito 1999-2012

閉じる コメント(5)

閉じる トラックバック(0)

全55ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


.

人気度

ヘルプ

Yahoo Image

  今日 全体
メンテナンス中 - -
メンテナンス中 - -
メンテナンス中 - -
メンテナンス中 - -

ケータイで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

URLをケータイに送信
(Yahoo! JAPAN IDでのログインが必要です)

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

メンテナンス中

開設日: 2005/5/7(土)


プライバシーポリシー -  利用規約 -  ガイドライン -  順守事項 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2012 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.