Tresor ~*トレゾア*~

花より男子の二次小説です。CPはつかつくです。

Marry Me? 〜20〜

“はかない恋”アネモネの花を誰かを弔うかのように放ったからといって、それが好きな相手だったからとは言い切れないだろう。第一花を選ぶ時に花ことばを意識して選ぶ奴なんてどれくらいの割合でいるんだ?大概花の見た目で選ぶ奴のが多いだろう。
そう思うのに、なぜだか引っかかった。
そして、聞かずにはいられなかった。



「恋人でも亡くなったのか?」

「えっ!?あっ…」

つくしは口ごもってしまった。
なんて答えたらいいのか…。

あんたがあたしを忘れて17年間も思い出さないから、気持ちの埋葬をしに来たってぇ?

ん…言えるわけないっ!ないっ!!そもそも私の事思い出してなさそうだし、こんな事言ったら不審者だと思われちゃう。


「昔、まだ高校生だった頃ね、付き合っていた人がいなくなったの。
いつか私を迎えに来てくれる。そんな気がしてたけど、気のせいだったみたい。」

つくしは道明寺を見る事無く、穏やかな地平線を眺めながらゆっくりと答えた。

高校生から!?この女はそれからずっとそのいなくなっちまったっていう男の事を待ってたのか?
この女、どう見ても30位だよな。

「どんだけ待ってんだよ…。」

司は呆れてしまった。

つくしを忘れて、恋も愛も移ろいやすい信用ならない戯言や絵空事のようにしか思っていない司にとって、一人の男を10年以上も待ち続けるなんて冗談か、事実なら只の時間を無駄にしたバカな女だとしか思えなかった。

司の言葉につくしは胸がチクンと痛むのを感じた。

解ってる。この発言が第三者として発せられたって事くらい。解ってるんだよ。
でも、あんたにだけは言われたくなかった…。


そう思うと、涙が込み上げてきた。今振り返ったら泣いているのがばれてしまう。
つくしはじっと涙がこぼれないように、下唇を噛み締めて斜め上45度に顔を上げて司が立ち去るのを待った。

だが、想いとは裏腹に、なかなか立ち去ってくれない。

早くどっか行ってよぉ。


もう限界!!
このままいたら折角埋葬した気持ちが掘り起こされちゃう。

つくしは指の腹でこぼれそうな涙をぬぐうと、司を見ないように俯いて立ち去ろうと歩き出した。
司の横を通り過ぎた瞬間、右手をギュッと掴まれ歩みを止められた。

な…に…?

司は無意識のままに女の手を摑んでしまっていた。

俺は何してんだ!?

言葉も発せず、手を離す事もできないままに、自分がなぜこの見ず知らずの女に話しかけ、立ち去ろうとしているのに手を握って呼び止めているのか…

こんなのらしくねぇ。

そう思うのに、離す事ができない。
懐かしいような感触がする。


つくしは突然の事に心臓の鼓動が早まるのを感じ、とうとう涙を堪える事ができず、頬を伝ってしまった。


司はつくしの横顔を眺めながら、頬を伝う涙に気が付いた。


『泣くな。泣いてももう、俺は何もしてやれねぇ。』

今のはなんだ!?
突然聞こえてきた…幻聴か?

その瞬間、俺は思わず女の手を離してしまった。













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私がブログ村サイトのランキングに参加している事は、読んで頂いている読者の方々でしたら御存知だと思います。

昨日、なんとインポイント3030ポイントも頂けましたΣ(・□・;)

一日だけでですよ!?一日だけでこんなに頂けるのって、おそらくなかなかないことだと思います。この先私は、二度とないと思います…。
驚きすぎて何度も見返してしまいました。
一昨日、実はあまり頂けていなかった事もあって、一昨日と昨日を比べると20倍以上です!!
一体私のブログに何が起きているのか…
嬉しい悲鳴とはこのことをいうのでしょうね…

こんなにたくさんのポイントにご協力下さったお一人お一人の気持ちが、とんでもなく大きなサプライズを下さいました。
感謝致します。

それから、現在私のブログをお気に入り登録して頂いている方限定で読むことができる“守りたいもの”を連載しております。
せっかくお気に入りに登録頂いているのに還元できていないなと思い、少しでも何かしたいなという想いから限定公開にしました。
ご理解頂ければ幸いです。

中編〜2〜を今夜0時に予約しておりますので、ご興味のある方はよろしくお願いします。



きぃ




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“Marry Me?”の19話ですが、12月23日に半分書き、そのままかけずに非公開としてましたが、残りを仕上げて先ほど公開にしました。
探しづらいかもしれませんが、気が向きましたら読んでみて下さい。

それから、“本当にほしいプレゼントは”に書き終えていくつかコメント頂きました。
嬉しいコメントの数々ありがとうございました。
いつもくださる方、初めてくださる方、続編を期待してkださってありがとうございます。
これまで書いてきたシリーズよりもランキングのポイントやナイスを多く頂けたのもうれしい驚きでした。
ご協力してくださったみなさん、ありがとうございます。

感謝を込めて きぃ

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記者会見、それぞれに伝えたいことは伝えた。遣るべきことはやった。
みんな手ごたえを感じていた。

会見終了後、全員でつくしの待つ道明寺邸を訪れた。
それぞれ年末の忙しい中仕事を抜け出して来ているので、すぐにでも社に戻らなくてはならないというのに、誰一人としてそうはしなかった。
桜子の手配により、会見には来ていなかった優紀も合流した。


全員が揃うのは、実に12年ぶりだった。
つくしはF3達と会うのは数年ぶりだった。


「しっかし、おまえらにはホント驚かされるわ。」

「ニュースで司の写真見た時、すぐにつくしが相手だって気づいたよ。」

「ああ、あの顔はやべえよな。クックあんな顔牧野相手にしか見せねえもんな」

「そうですわ。でも、本当にお相手が先輩でうれしいです。」

ああ。
みんなが言葉にしなくても同意している。
自分の事のように嬉しいのだ。
12年にも及ぶ恋が愛に変わり、成就したことに。

「おまえら…サンキューな。」

「みんな、本当にありがとう。」

そこへタマに連れられてなのかが現れた。

みんながなのかを見て、亡きつくしの弟である進を思い出した。

「あんたがさ、俺たちと距離とったのって、俺たちに迷惑かけないためだったんでしょ?」

「え!?」

類はチラッと、滋と桜子を見た。

「つくし、ごっめ〜ん!しゃべっちゃった。」

なんていって、滋は軽く舌なんて出してる。

もう!と思っていると。

頭に優しい感触が触れた。

「ごめん。お前がつらい時に力になってやれなくて。」

すると、類が頭を撫でていた。横には美作さんと西門さんもまた、類と同じような表情をしてそれぞれ肩に手をのせてきた。

「黙っててごめんね。ありがとうね。」


司はその様子を後ろからそっと見つめていた。
牧野に触るんじゃねぇ!って喚きたい半面、自分が去った後の数年間、牧野とあいつらだけの時間が流れていたはずだ。俺が知らない時間がな…。

司は自分の気持ちを抑えた。

そしてなのかの元へ行き、みんなになのかを紹介した。

「俺の娘のなのかだ。」

「はぁ!?まだなってないでしょ?」

「もうなったようなもんだろ?なんなら今から役所へ行くか?」

「あり得ない!急にも程があるでしょ?第一両親にも挨拶してないし!」

「まあ、さすがに今日出すってわけにはいかねえけど」

言いながら、司は胸ポケットから折りたたんだ一枚の紙を取り出し、広げてつくしの前に差し出した。

つくしは大きな瞳を更に見開き何度も読み返した。

つくしだけじゃない、全員が驚いた。司の変わらぬ俺様ぶりにF3は笑い出した。
しかしみんなは幸せだった。
昔と変わらない二人の空気感と痴話喧嘩に、誰もが安心し幸せに包まれたのだった。

「なにこれ…」

「みりゃあわかんだろ?婚姻届だ。」

「いつの間に?」

だってそこにはパパの署名があったから。
あんた、毎日忙しそうにしてたのに、一体いつ会いに行く時間なんてあったのよ?

「昨日な…。仕事、手につかなくてよ。やっぱおまえのおやじさんとお袋さんに挨拶しときたかったし、進と春菜さんにもな…。」

「どういうこと?まさか…」

お墓…いったっていうの?

「ああ。許可貰わなきゃいけねえだろ?男のけじめだよ。
今度は3人で行こうな。」

断りもなく勝手なことしてって怒ってやろうと思ったのに、反則だよ…。
昔からあんたはあたしの考えてることの裏の裏まで先回りしてくる。

「おまえがサインしたら、すぐにでも出してえが、まずはニューヨークに一緒に行ってくれるか?」

「もちろん。あんたが行くとこには、これからずっとついて行く。」



******


あれから二日後


記者会見により、牧野つくしへの世間の認識が変わった。

それは、司だけでは成しえなかった事だ。
あのまま司がつくしへの想いを話したとて、恋に目が眩んだ腑抜けだと思われていたに違いない。
仲間たちは司の事をも守ったのだ。


しかし、その仲間たちを結び付けたのは、つくしと司なのである。


大納会、道明寺ホールディングスの株価は今期最高値をつけて終えた。
それは花沢、美作、大河原も同じだった。

年末の忙しい最中の緊急帰国を許した甲斐があったものだと、それぞれの父親であり会社のトップである社長たちはほくそ笑んでいた。


そして、この夫婦もまた…

「楓の思惑通りだったかな?」

妻の顔を覗き込みながら、こんな仕草をするとは誰も想像つかないような茶目っ気あふれる笑顔で彼女の夫が聞いてきた。

「思惑だなんて…嫌な言い方なさいますわね」

ムッと、怒ったふりをするのは、世間では鉄の女と恐れられている女。


「来年は忙しくなりますわね…。」


「ああ。」

二人は微笑みあいながら会社の順調と息子の幸せに微笑んだ。


〜fin〜





☆☆☆☆☆☆

短編のはずが、終わらなくなってしまい、ずるずると調子にのってエピを増やしたりしてたらここまで来てました( ゚Д゚)
中編といったとこでしょうか?

ひとまずこのお話はこれをもって終了させて頂きます。
もうこれでいいよ。というお声がない限りは結婚後のこの家族の事も続編か短編か、何かしらで書きたいなと思います。

次は書きかけを書かなきゃですね。そちらの更新を待っていてくださっていた方(いるといいのですか…)には長いことお待たせ致しました。
何を書いていたか、抜け落ちています。
読み返してみて、私のモチベーション次第でどちらを先に書くのか決めさせて下さい。


もしかしたら、気分がのらずに又新たな新作かもしれません。

何が出るかはお楽しみ(楽しんでないから!)と、誰かに突っ込まれそうですが、よろしくお願い致します。


きぃ☺




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「では、ここで質疑応答に入らせて頂いてよろしいでしょうか?」

突如乱入して来た彼等が話終えただろう瞬間を見定めて、司会者が司と彼等に視線を向けた。
全員がコクンと頷いたのを合図に、報道陣達は先程までの静寂が嘘の様に、我先にと挙手をしだした。

「JTVの高梨と申しますが、道明寺さんに質問です。捜索隊も捜索を断念する程の悪天候で、命の危険もあったと思います。見つかる保証もない中雪山へたった一人で捜索に出た事に躊躇いはなかったのですか?」

「ありませんね。見つかる保証はなくても、見つける自信はありましたから。」

そんなものあるのか?
高梨だけでなく皆が思った。
他の人が言ったら突っ込まずにはいられない答えなのだが、不思議とこの男が言うならそうな気がする。

「月刊経済の茂木と申しますが、日本のみならず世界経済にも影響を与える皆さんを牧野さんが結びつけたと仰いましたが、彼女はどのような役割を果たされたのでしょうか?」

「元々私達はF4なんてグループでいますが、実情は個人主義だったんです。でも、他人の為に一生懸命な彼女と関わる内に、そういうのも悪くないなと思うようになりました。」

「日の出テレビの朝比奈と申しますが、F4の皆さんと三条さんは同じ英徳学園出身ですが、その中に大河原さんが加わった経緯は、道明寺さんと婚約されていたからではないのですか?道明寺さんと大河原さんが婚約を解消された原因が牧野さんだと一部報道されていますが、事実でしょうか?」


「じ……」「事実ではありません。」

司が言いかけたところに滋が大きな声で被せ、それを妨げた。
司と滋は見あった。
滋の瞳は『私に話させて!』と語っているように見えた。
司は頷いた。任せたぞ。

「元々司と知り合った経緯は、確かにお見合いであり、短い期間ではありますが、婚約しておりました。しかし、あくまでも企業間の政略的なものでした。」

滋は司のグラスに入った水をグイグイと飲み、渇いた喉を潤すと、再び話始めた。

「私達は産まれたときから政略結婚をするのが当たり前のように教え込まれ、それが当然だと思って生きてきました。どうせコテコテの坊っちゃんが相手だと思っていたら、見ての通りワイルド系のカッコいい男だったんです。私は好きになりましたが、司は既につくしにぞっこんでした。つくしが身を引いた事で一時的に婚約出来ただけです。
私が二人に割って入ったのであって、司もつくしも悪くはありません。
それに、つくしが身を引いて私達の前から姿を消した時の司の荒みようを目の当たりにしたら、やっぱり司にはつくししかいないんだなと思いました。」

「牧野さんは恋敵ということですか?」

「そもそも私が恋したのは、つくしを好きな司だったんです。つくしがそばにいない司に魅力は感じません。
それと、私は司よりつくしに惚れましたから。」

そう言って満足げに微笑む彼女の笑顔にみんなは釘付けになった。
元々キレイな顔立ちから放たれる笑顔は確かに美しかった。しかし、それだけじゃない。彼女の人柄がより際立たせているのだ。
男より男前。
友人の為にここまでプライベートをさらけ出した彼女をみんなは称賛の目で讃えた。

どこからか拍手がおこり、やがて会場全体が拍手に包まれた。

つくしはテレビの向こうで号泣しながら聞いていた。

「よかったね。」

タマもつくしほどではないが泣きながらつくしの手を握って喜びを分かち合っていた。

「はい。はい。私……幸福者ですね。」









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