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先人の英知に感謝
はじめて満濃池を見た時、想像以上の大きさに驚きました。水面は静、空と溶け合う一切が「空」、果てしない宇宙への入り口を感じました。
地図のない昔、地形を掌握、掘った土を盛土に転用、突き固めて堤を築き、灌漑事業を成し遂げた人間空海。彼の尽誠による満濃池は今も、丸亀、善通寺近在の人々の命の水がめです。瞼を閉じると古の築堤現場の号令が聞こえてくる、こんな郷土の土木遺産を誇りに思います。
階段を上ると池の守り神、神野神社がありました。由緒有る石造鳥居から望む、満濃池を背景に。つつじ、松、桜、灯ろう、狛と、記念写真にはもってこい。見落とすところでした、この境内の一角に「日支事変 凱旋記念」の石碑がありました。
空海が唐に渡り、無事に凱旋帰国した故事にならい、近郷の出征兵士も武運長久をここで祈願したのでしょう。「一定回来為公(きっと帰って来る、ふるさとの為に)」、しばし網膜に焼き付けたであろうこの満濃池を。
祈願の甲斐あり凱旋帰還。再びこの地を踏みしめた喜びは想像に難くありません。社殿に無事を報告し、祝い酒を心行くまで酌み交わし、うどんで締めた先人の姿が目に浮かびます。
時空を超えて一部始終を見つめていたこの鳥居。傍に立ちました。眼下でバス釣りの少年達が池に向かってルアーを投げ入れていました。 デジカメを腕にアイスクリンをほおばるお遍路さんもいました。
この堤の中をくぐり、ユルを超えて流れる命の水。空即是色、美しい国のインフラ(基盤)を担った先人の英知と努力に感謝せずにはいられません。
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