なぜアメリカのベンチャーから大企業が生まれるのか
“住まい、街、暮らしを支える(24)”なぜアメリカのベンチャーから大企業が生まれるのか今週、東京ビックサイトで行われた、スマートエネルギーWeek2012というイベントを見に行った。このイベントは、今話題の「スマートグリッド」「エコハウス・エコビルド」「太陽電池」「2次電池」などの見本市を同時に行うもので、出店社数2千社と発表された大型の見本市だ。
スマートエネルギー展の開催されているビックサイトに向かう人ごみ
8年で8倍、年間4兆円の成長産業が生まれる?初日はあいにくの雪だったが、入場者は引きも切らさず会場は盛況だった。入場者には海外からのバイヤーも多く、新しい仕事のネタを見つけようと言う雰囲気が、展示ブースのやり取りの中から感じられた。
まず訪れたのは、バッテリー関連の会場だった。これまで私にとって、バッテリーは車の車検の時に交換を気にする程度の存在で、昨年の震災の時にあわてて懐中電灯の電池を探し回ったことがバッテリーとの久しぶりの付き合いだった。
ところが、電気自動車の普及や電力のピークカット対策、再生可能エネルギーの利用ではその貯蔵装置として重要な役割を果たす。
そのため、今後2020年までの8年間で8倍に成長し、4兆円近い産業になると言う、非常に有望な機能製品なのだ。そのために、多くの企業が必死で参入の機会を狙っている。会場には、化学工業から機械産業、IT産業などのブースがびっしりと並び、バッテリーと言う単純な構成の機能部品にも、こんなに多くの関連企業があるのかと改めて感心した。
出店している企業は、部品・部材のメーカー、素材メーカー、製造装置、検査試験機器の専門企業で、門外漢の私には社名を知らない企業も多くあった。人が熱心に集まっているのは日本の中小メーカーで、漏れ聞こえる会話からアジアの企業が優れた日本企業の情報を得て商談に持ち込もうとする様子がうかがえる。
こうした中から優れたヒット商品が生まれ、新たな成長企業が育っていくのだろう。
ステラモータースの成功の秘密は参加した基調講演会では、不動産会社やハウスメーカーの講師が話されたが、内容的には抽象的で話の内容にも新しさはなかった。
そのなかで感心したのは、テスラモータース(Tesla Motors, Inc.)のJB Straubel CTOの話だった。同社はアメリカのシリコンバレーに本拠を置く電気自動車とその関連商品の開発・製造・販売しているベンチャー企業で、トヨタが撤退した後の工場を引くけたことで、日本でも知らている。
その話を聞いて、電気自動車の車載バッテリーのリーディングカンパニーになった訳がよく分かった。
一つは、自社製品としていきなり高級スポーツカーを開発して販売し、それに合わせて高出力・高性能のバッテリー装置を開発したことだ。もう一つは他のメーカーが既存のフレームをいじらずに電気自動車を開発したのに対し、自動車のフレームをバッテリーの搭載スぺースに併せ新たなコンセプトで設計したことだ。もちろん、それを構成する機能部品は全て外部からの調達で賄っている。
二次電池展のパーティ会場(2次電池の市場は8年で8倍、4兆円)
マーケットインの発想でモノづくりを行う会社の設立が2004年で、車の販売が2008年、電気自動車がまだ試行段階になったころだ。成功の秘密は、他社に対し1・2年の先行で電気自動車用の基幹技術を確立し、その製品を自動車の開発を急ぐ世界のビックネームに売ったことだろう。
会場に出展している日本企業の多くは、自社の技術を活用しながら、如何にバッテリー産業などの成長産業に参入するかに苦心している。いわばプロダクトアウト型の事業展開だ。確かにその製品品質は高いが、他社を圧倒するユニークさに欠ける。
これに対し、ステラモータースはマーケットインの発想で製品開発を行っている。そのスピード感とユニークさが競争力になるのだろう。
アップル社などアメリカのベンチャーにはそうしたマーケットインの発想から成長した企業が多い。日本のモノづくり産業にもそうした企業はあるが、まだ少ない。多くの企業が、プロダクトアウト型の発想に転換することで、大きな発展を手にすることが出来ると思うのだが。
建設産業の再生について考えるシンポジウムを3月13日早稲田で開催するので、関心のある方は下記をアドレスを見てください。
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