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少々古い話で恐縮ですが…。
 
2008年9月、中国の有人宇宙船「神舟7号」で3人の宇宙飛行士が軌道上に送られ、中国初の宇宙遊泳に成功し
 
ました。
 
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ところが、ネット上で公開された宇宙遊泳の動画に不審な点が多くあり、「これはプールの中で撮影された、捏造
 
映像ではないか!?」と騒がれた事がありました。
 
 
この「捏造説」の根拠として、次の様な指摘があります。(〔 〕内はその反論です。)
 
○時々、泡の様なものが写る。(1分5秒、1分58秒、2分5秒、2分33秒など)〔泡ではなく、船内の小さなゴミなどが出てきたもの。宇宙飛行士は「メモの紙片」と証言している。同様のものは他国の船外活動の映像にもたまに写っており、別に珍しいものではない。〕
 
○空気の無い宇宙空間で旗がはためいている。〔アポロ疑惑の焼き直し?飛行士が手で振っているので、はためいている様に見えるだけ。〕
 
○背景の宇宙に星が写っていない。〔これも、アポロ疑惑の焼き直し。露出が宇宙飛行士に合っているので、光量の少ない星が写らないだけ。こう言う事を言う人は、スペースシャトルやISSでの船外活動の映像を見た事がないのでしょうか?どこにも星なんて写っていませんが。〕
 
○神舟7号は高速で動いている物体とは思えないくらい画像が安定している。〔抵抗の殆んど無い宇宙空間を慣性で飛行しているので、安定しているのは当たり前。他の宇宙船も全く同じです。エンジンを全開にしながら飛んでいるとでも思っているのでしょうか?〕
 
○後ろに写っている地球が小さすぎる。〔広角レンズで撮影しているので、小さく見えるだけ。〕
 
○暗い筈の影の部分が妙に明るい。〔地球の反射光のため。〕
 
○飛行士の腕時計に照明設備が写りこんでいる。〔宇宙船の一部が写っているだけ。〕
 
○船外に出た宇宙飛行士が作業らしい作業をしていない。〔この時のミッションは宇宙空間での宇宙服のテストなので、宇宙空間に出る事自体が目的だったため。〕
 
―等々。挙げ始めたらキリがないのでやめときます。
 
詳細な反論は(参考)にあげた松浦晋也さんのサイトをお読み頂くと宜しいかと思います。非常に詳細に書かれ
 
ておりますので。
 
 
しかし、アポロ疑惑もそうですが、「星が写ってない」だの「高速で動いている様には見えない」だの、無知をさら
 
け出しながら捏造と言われても…。「捏造」を「捏造」したがっている様にしか思えませんね…。
 

 
さて、アポロ計画陰謀論は反科学を標榜するキリスト系ファンダメンタリストの一部が言い始めたものでしたが、
 
さて今回のネタはどうやって生成されたのでしょうか?
 
 
まずは、「中国=偽装」のイメージが下地にあった事は間違いありません。直前に開催された北京オリンピックで
 
も数々の偽装が報じられ、中国に対する信頼度が急降下していた時期です。それ以前にも例の「毒入りギョー
 
ザ事件」や「石景山遊園地のパクリ」などが大きく報道されておりました。もともと偽ブランド商品の横行などの問
 
題などがあった事とも相まって、「中国のやる事は何かイカガワシイ」と言うイメージが定着していたのです。
 
 
さらに、日本国内で中国に反感を持つ人が少なからず存在する事が下地になっていたのだと思います。(この辺
 
を深く突っ込んで行くとオカルトブログの本筋から外れてしまうので、あっさりでやめときますが。中国に対する蔑
 
視と、反日への不快感、不景気な日本を追い越す勢いで成長する中国へのやっかみもあるのだと思います。)
 
 
そこに捏造疑惑生成のきっかけを与えたのが、英デイリー・メール紙の記事でした。
 
中国の新華社通信系のサイト「新華網」が、神舟7号が打ち上げられる前に「神舟はすでに地球を30周した
 
【注1】」などと記事をあげてしまった事を報じたものです。これは、いわゆる「予定稿」を出してしまったと言う単
 
純なミスで、すぐに削除され、謝罪・訂正がなされました。しかし、時既に遅しで、「やっぱり中国のする事はアヤ
 
シイ、ホントに神舟7号は有人宇宙飛行をしたのか?」と言う疑念を生み出してしまったのです【注2】。
 
 
そこに「ニコニコ動画」に、「神舟7号の映像に泡が!!」と動画が出た事で、(主に中国に反感を持つ人達の
 
間で)一気に捏造疑惑に火が点きました。(参考)にあげたアルカン速報を見ると、その様子が良く判ります。
 
 
しかし、前出の松浦氏らの詳細な反証により、点いた火はすぐ下火になり、アポロ疑惑ほど世間の耳目を集める
 
事もなく忘れられていきました。
 
 
この一件、どうやら最初に「ニコ動」に動画をあげた人の思惑に皆が乗っかってしまい、空騒ぎを起こしたと言う
 
のがホントの所の様です。【注3】
 

 
 何で、いまさらこんなネタを引っ張り出したかと言うと、ネタ切れもあるのですが、この捏造疑惑は出所が比較的
 
はっきりとしていて、陰謀論や捏造論が発生する初期過程が良く判る事例の一つだと思ったからです。
 
特に、「ニコ動」などの新しいメディアが、火付け役・煽り役になった事は、過去の捏造論などには見られなかっ
 
た新しい流布の形態なのかなと。UFO動画や心霊動画と同じく、今後はこのパターンが増える事間違いなしでし
 
ょう。
 

 
【注1】新華網の記事=「太平洋上の眠れぬ夜 神舟7号、30周目の観測記(2008/09/25 09:04 新華網)」
リンク先は繁体字版で、何故か削除されずに未だに残っています。私には読めませんが、発射3日目を伝えている記事で、観測船・遠望一号と神舟7号の宇宙飛行士の生々しいやり取りが克明に記載されているそうです。これじゃあ疑われても仕方がないかな…。予定稿としてもやりすぎですよねぇ。
 
【注2】中国は神舟7号以前に、5号(2003年10月)・6号(2005年10月)と二度に渡って有人宇宙飛行を成功させておりますが、この時は特に「捏造疑惑」は起こらなかった様です。やっぱりこの誤報が大きなきっかけだったのですね。
 
【注3】現に、動画のUP主は「想像以上の多くのデータを収集する事が出来、管理人様には大変感謝しております。皆様のお陰でうp主の当初の目的はほぼ達成する事が出来ました」と、釣りが目的だったかの様なコメントを書いています。
 


 
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