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久し振りの「議運傍聴」あれこれ

ここのところ所沢市が重要事業として取り組んでいる「まちづくり基本条例検討委員会」に加わったことで、ここでの作業に追われていて、議会watchingもままならぬ状況でしたが、昨日(11/20)、久し振りに「議運」を傍聴してみました。

聞くところでは、前回の「議運」は議員さん同士のかなり激しいやり取りがあったそうですが、今回はさしたることもなく、主たるテーマは、間もなく始まる12月定例会での市長提案議案についての西久保副市長による説明と、恒例の議員さんが一般質問を行う順番を決める「くじ引き」という議会直前にいつも行われる型通りの内容でした。

上程議案については、例によって傍聴者には何の資料もありませんので、ただ聞き流していて十分メモもとらなかったので、申し訳ありませんが、報告するようなことはあまりありません。

そこで、この「くじ引き」について、ご存じのない方のために若干ご説明しようと思います。私たち市民には「一般質問」でどの議員さんがどのような順番で質問するかというようなことは全く意識の外ですが、議員さんにとっては、これは結構大事なことだそうです。

それは、議員さんも質問に当たってはそれなりの勉強が必要で、質問しようと思う事項について、行政サイドにいろいろと事前のヒアリング゙を行うのですが、初日とか2日目だとこのヒアリングの時間が十分とれず、また最終日くらいになるとやや緊張感がなくなるようで、ある議員さんによると、3日目あたりが一番良いのだそうです。

この「一般質問」における質問の仕方については、以前お伝えしたように9月定例会では「一問一答」と「初回一括」2つの方式が丁度半々でしたが、市民からみれば「一問一答」の方がはるかに分かりやすいという評価が圧倒的だったようで、12月定例会では、皆さん「一問一答」で行うようです。

「一問一答」については、当プログの「書庫」の「所沢市の議会」に本年9月議会の報告として「9月議会と一問一答」という表題で2回に分けて詳述してありますので、興味のある方はそちらもご参照頂ければ、と思います。
ここには同じ「傍聴席」メンバーの高垣輝雄氏も「分かりやすくなった『議会傍聴』」として投稿されておりますので、そちらもご覧ください。

むしろ、「議運」が終ったあと、ある議員さんから重要なことを伺ったので、そのことについて以下に記します。

それは、懸案の「委員会会議録」が議会が終了した数日後には、「抄録」ですが議会のホームページに掲載されるようになるということです。これも以前「傍聴席」でとりあげたことですが、本会議というものはいささか儀式化した要素があり傍聴者にとっては退屈なところもあるのに対して、「委員会」の方は議員さん同士が議論する度合いがはるかに高く「会して議する」という議会本来の在り方に近いと思います。「一問一答」が本格的に導入されれば、本会議の内容も従来とはかなり変わってくると思いますが「委員会」の重要性は依然として高いでしょう。たとえ「抄録」であっても「委員会会議録」がホームページに掲載されるということは、所沢市議会としての確かな一歩前進だと思います。

議会が分かりやすくなることは、市民にとって慶賀すべきことです。ただし議員さんからすると、「初回一括」という方式にも意味があるようです。これについては、また別稿でふれたいと思います。いずれにしても、12月定例会は11月30日(月)から12月16日(水)まで開催されます。一般質問での各議員さんの登板順も、市議会のホームページで見ることができます。直接の傍聴でもネットでの視聴でも結構です。皆さんご自身の目で耳で、変わろうとしている所沢市議会に注目しましょう。                    記 本間

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 所沢市の借入金と返済について (2)

 所沢市の借入金と返済について

     『傍聴席』勉強会 ――所沢市財政課による出前講座

 夕張市の財政破綻は新聞に公表されて多くの人々を不安に落としいれたが、近頃は大阪、千葉をはじめ多くの市町村が心配先となっている。11月10日の読売新聞によると日本の国債残高は6月末、864.5兆円に達し、国民一人当たり678万円になる。国、県、市町村の借金をまとめるといくらになるのか、恐ろしい。
 所沢市の出前講座、今月は財政課に講座を依頼し「所沢市の財政」を勉強することになった。

講座 1) 所沢市の市債及び一時借入金の合計
     一般会計  620億円
     特別会計  261億円
     合計     881億円(市民一人当たり26万2千円)

 現在歳入に対し公社債比率は7.5%をしめ、また実質公社債比率は9.6%であるこの数値が25%を超えると早期健全化団体に、35%を超えると夕張にように財政再生団体になります。所沢市の現在の計画によると毎年元利償還を61億〜75億円おこない公債費比率を平成28年度には4.5%にするとしています。しかしこの借入金に対する金利は2%程度、年間17億円程度が必要と思われます。

講座 2) 所沢市の保有財産
 現在所沢市には保有する土地、建物が(帳簿上)3598億円ある、市債の残高に対し約4.1倍ある。

講座 3) 所沢市の予算を『家計』に例えてみるとーー
    歳入  給料               589万円
        パート収入             24万円
        家族からの仕送り(国の補助金)  130万円
        ローン借入(市債)         44万円
        貯金の取り崩し           34万円
        その他(繰越金)          10万円
         合計                831万円

 この表をみると、収入613万円に対し831万円の生活をしている事になります、親(国)は多大な借金を抱え苦しんでいるなか何時までこの生活が出来るのでしょうか。

質疑応答
*現在所沢市の人件費比率(歳出ん対し)27.1%を占めその他物件費にも臨時従業員費が含まれている、この合計は
(回答)人件費、特に諸手当については改正の検討をしている。物件費の内のパート経費は現在集計されていない。
*経常収支比率が平成20年度91.6%を占めている、財政計画の見直しをするべきでは無いか。
(回答)一般的には80%以下が望ましいと言われています。今後共検討すべき課題と思っています。
*毎年の決算報告は黒字になっている。現状の決算報告を市民に状況が理解出来る報告書に改正できないか。
(回答)現状では難しい
*情報公開を市民に分かり易く行って欲しい。将来の展望を市民に説明し、市民と協力する形にすべきではないか。
(回答) 今後とも努力します。

以上 2時間に渉る『傍聴席』の勉強会でした。  平成21年11月13日  高垣 輝雄

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「民主主義の舞台」をめざして : 自治体議会の新展開 

       
第17回 一般質問の合評会をしてみませんか?     廣瀬克哉

 その一般質問に異議あり

 議員の皆さんと話している時に、しばしば聞くのが「この間の議会でこんな一般質問があって・・・」という話題である。良かった質問についてということは稀で、問題のある質問について話題になることが多い。良い一般質問がほとんどなくて、問題のあるものばかりだ、ということでもないのだろうが、問題性は多様だから、つい話題にあるということなのだろう。
 問題がある場合も、意図的に虚偽にもとづいて行われた質問や、明白な誹謗中傷であれば、懲罰委員会にかけることが想定されるから、そこで質問の内容と懲罰に当たるかどうか議員間で検討ができる。困ってしまうのは、懲罰に該当するようなものではないが、内容について議論したくなるような一般質問の場合である。
 データの解釈の仕方が独善的で偏っている、自分の思いこみで一方的に相手の「失敗」や「陰謀」を決めつけてしまう、といった一般質問については、議会における言論の自由の大切さを考えると、ただちに懲罰の対象にすることは不適切だ。しかし、懲罰委員会でもなければ、他の議員の一般質問の問題点について、議事のなかで公式に取り上げて議論ができる場が、ほとんどの議会にはそもそも存在しないのである。
 議員同士で、あるいは会派の中で問題のある一般質問について非公式に議論することはあるだろうが、それは市民から見えないし、もちろん議事録にも残らない。公式の議事録に残っているのは、問題ある一般質問とそれに対する答弁だけとなってしまう。

 一般質問を一番多く聞いているのは議員

 ところで、この連載の第13回(2008年4月号)で「議会評のススメ」を書いた。そこでは、良い議論や質問についてはその優れたところを指摘し、悪いものについてはどこがダメなのかを指摘する批評がなされないと、議会での議論が鍛えられないという趣旨のことを述べた。
 その時には主として議会の外にいる批評者を想定して書いたのだが、あらためて考えてみれば、一般質問を毎議会基本的にすべて聞いているのは同僚議員である。優れた一般質問も、いまひとつのものも、さらには酷いものも、同じ議場の中で接しているのである。自ずと議員たちの中には、一般質問についての評価眼が備わってくるはずだ。
 一議員対執行部という関係で行われるのが一般質問なので、通常の議会の議事進行の中では、ある議員の一般質問に対して、他の議員に異議があったとしても、それを表明する機会がない。不規則発言(ヤジ)の形で短く批評したり、牽制したりするのがせいぜいなのである。
 ちなみに、著者自身は、議会におけるヤジについては、批評的に内容のあるものや、議会でのやりとりを活き活きしたものにするためにプラスのものであれば、むしろ積極的に評価すべきものと考えている。しかし、ヤジをとばすしか批評の機会がないというのは大問題である。
 かくして、せっかく磨かれた同僚議員たちの評価眼も、非公式に内輪(議員仲間)で雑談をするときにしか活かされないというのが現在の議会の一般的な姿となる。

 自由討議のやり方が分からない?

 2006年の栗山町議会基本条例以来、議会における議員同士の自由討議の重要性がしばしば指摘されるようになった。それに対して、とくに都市部の議会や都道府県議会のように、会派制がはっきりしていて規模の大きな議会では、どのようにすれば自由討議が効果的に実践できるのかが分からないという発言もよく聞く。特に長の提出議案がほとんどで、しかも「与党」との間で合意ができてしまっているような環境では、議員同士の討議というものが、想像もつかないし、それにどんな意義があるのかもピンと来ない、というのである。
 長の提出議案であっても、たとえば委員会審議に十分な時間をかけ、議員も議案についての事前調査を深めた上で取り組めば、議案についての賛否をめぐって議員同士の討議はいくらでも成立し得るはずだ。しかし実際には、長の提出議案に反対の議員が問題点を追及していくとしても、賛成の議員が議案を防御するために積極的に発言することは稀である。とくに「与党会派」の多数が確保されている場合には、賛成討論さえほとんど行われず、反対討論を聞き流して、粛々と多数決で議案を通すということになってしまいがちである。
 あるいはまた、議員が一般質問によって個別に問題提起するのではなく、議会全体としてしっかり論議を重ねた上で政策提案をしようとすれば、自ずと議員同士で討議をして政策を練り上げていくという作業が不可欠となる。たとえば、都道府県として最初に議会基本条例を制定した三重県議会は、検討会などを設置して政策提言をまとめる活動を積極的に展開している。

 議員間討議の第一歩として

 このように、議員間討議のやり方についてはさまざまなものが考えられる。しかし、それらを比べても、現状の議会からの距離が一番近く、かつ、議会での議論の質を向上させるために有効と期待できるのが一般質問の合評会である。
 他の議員の一般質問の内容については、各議員がいろいろな感想をもっていることと思われる。どちらかといえば、「与党」議員よりも、そうでない議員の方が積極的に一般質問を行う傾向が強く、それに対して反論、防御を行うのはもっぱら長以下の行政担当者という現状がある。しかし、その答弁は多くの場合、守りきることや、次の追及を避けることを主目的としていて、標的とされている政策や事業を積極的に支持する立場からは、積極的に欠け、物足りないものであったりもする。追及している議員の論拠についても異論がある場合もあろう。
 議会日程の中に「一般質問に関する自由討議」の時間を設けて(たとえば、一般質問の最終日の最後の時間に設定することが考えられる)、右のような議論を議員同士で自由に行うのである。
 普段はあまり議事の中で発言をしない「与党議員」も、こういう場では言いたいことが多々あるのではないだろうか。その一方で、あの追及の仕方は甘い、何を目指して一般質問をしているのか目的をハッキリさせろ、など、質問の鋭さを磨くような方向での議論が展開されることも想像される。
 頑張って一般質問をしてみたものの、行政にうまくかわされて終わりになり、次のステップがうまく見いだせない、という議員も少なくないことだろう。それに対して、同僚議員から忌憚のない批評や、もう一歩先に進むためのアドバイスを受ける機会が設定されることによって、次の展開のヒントを得る人も出てくるだろう。そのようにして一般質問のレベルが向上すれば、自ずと議案審議のレベルの向上にもつながることが期待できる。

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『傍聴席』勉強会 ー 所沢市職員課による出前講座

所沢市職員課による出前講座  職員給与について (追加質疑)

 10月の出前講座を受け、質疑応答の時間不足で後日追加質問に快く対応していただきました、その内容を記載します。

1) 特殊勤務手当ての見直しについて
(質問) 特殊勤務手当ついて市民の目には大いに疑問を感じます。改正に向けた検討がされているとの説明ですが、内容をお知らせください。またこの件にで市民との対話、意見交換等考えていますか。
(回答) 特殊勤務手当て、清掃手当、土木作業手当、炊事手当、変則勤務手当、保険指導手当等本来給与に含まれていると考えられるものについて廃止の方向で論議している。市民との意見交換は現在考えていない、しかし市民の代表である市議会の方々から意見、ご指導をいただいている。
(追記、−改正について12月所沢市議会に議案提出さてる可能性があります)

2) 職員平均給与について、
(質問) 職員平均給与について、一般行政職、現業職、再任用職員別にお教えください。
(回答) (平成20年4月1日現在)
 職員区分       平均給与月額  平均年収
 一般行政職     478,352円  7,696,863円
 現業職     448,368円  7,339,916円
 再任用職員(行政、現業) 214,688円  3,524,488円
☆ 平均年収は高すぎないか、他市町村と比較すると同時に民間とも比較し検討してもらいたい、又再任用職員は週31時間勤務者と34時間30分勤務者と二通りの勤務者の合計であるが、この月給は1時間6000円余になる。 民間と比較し余にも高すぎないか。
3) 退職金、埼玉市町村総合組合について
(質問) 組合に昭和37年より平成20年間加入して、負担金346億円、支給金301億円であり45億円少ない、これは基金としの積立ですか。
(回答) 推察通り基金として積立ている、残高は平成21年3月末で263億円あり ます、現時点では負担金支出が支給額を上回っていますが、今後退職者が多く見込まれ、長期的に見れば負担金が支給額を上回り続ける事は無いと認識しています。
☆ ある所沢市議員に確認すると、埼玉県市町村事務組合は退職金を市町村単位の積立でなく『賦課方式』で運営している、所沢市分の基金としての積立金があるとは考えは間違えである。事務組合に加入している意義はなにか、今後も加入の利点を検討する必要がある。

 高垣 輝雄 記

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「民主主義の舞台」をめざして : 自治体議会の新展開-15

「民主主義の舞台」をめざして:自治体議会の新展開      廣瀬克哉

第15回 議会ウォッチャーとの効果的な連携

 議会ウォッチングの広がり
 議会改革で全国的に注目を集める自治体が登場してきたことに刺激を受けてか、市民の議会への関心は少しずつ高まってきている。そのあらわれのひとつが、各地に増えつつある議会ウォッチングの動きである。
 かなり長い期間にわたって持続的に活動している会もあるが、最近になって活発に動き始めるグループが多数登場してきている。そして、新たに議会ウォッチングを始めた方の多くにとっては、現状の議会のあり方への疑問や不満がつぎつぎと沸いてくるという状態にあるようだ。
 勢い、議会ウォッチングのレポートは辛口の評価が中心になる。議会によっては一般質問をほとんど行わない議員が多数存在する場合もある。表決に際しても、本会議で討論が行われない議案の方が、行われる議案よりも遙かに多い例も多い。代表者として公費から相当額の報酬を支給されている立場にありながら、それに見合う活動をちゃんとしているのか、という疑問が呈されるのが一般的だ。

 議会からの反発
 このような議会ウォッチャーからの評価に対しては、議員側からの反発も強い。有権者からの評価である以上、なかなか表だっては反論しにくい面があるため、公式の場で反論が展開されることは稀だが、非公式な場では相当強い反論が表明されることがある。特にベテランの「有力議員」と呼ばれるタイプの議員の間には、相当強い違和感があるように思う。
 このような違和感には、まったく根拠がないわけではない。一般質問をほとんどしないタイプの議員にも二種類があって、政策的な知識や能力が低く一般質問をこなせないタイプと、一定以上の力量があって、地域の政策課題についても実際上は問題解決を実現できるタイプである。ベテランの有力議員の中には、この後者のタイプが少なくない。
 なぜ、後者の議員が一般質問をしないかというと、一般質問という制度が、このタイプの議員の目から見ると、効率が悪く、実効性に乏しいからに他ならない。
 議員の下に持ち込まれる、要望や相談ごとなどについては、実際に問題を解決するような実効性ある成果を得ようとすれば、議場で正面から議論することよりも、問題を直接行政や首長に持ち込んで、行政の対応として解決してしまった方が早いことが多い。日本の自治体運営が、圧倒的に行政優位の実態にあり、制度もそれを支える方向で構築されているという性質が強い以上、少なくとも短期的な実効性を優先するなら、議会審議で取り上げるよりも、行政との直接交渉の中で要求を通していく力をつけた方が、遙かに効率的なのである。
 ベテランの有力議員の中には、そのような直接交渉力こそが、議員としての実力であり、一般質問など議場の中で取り上げることによって答弁を引き出すのは、せいぜい事後の確認手続程度のものだという認識が支配的だ。一般質問の場で何とか実質的に意味のある答弁を引き出そうとするのは、直接交渉力のない、すなわち議員としての力量が不足している議員が頼る、次善の手段に過ぎないという感覚がある。
 ところが、議会ウォッチングによってつけられる「成績表」の上では、実力者である自分の成績が、力量不足の議員よりも下になってしまう。そこから、議会ウォッチングに対しては、議員の仕事の実質を理解しないで、表面的なパフォーマンスだけを評価していてけしからん、という反発が生まれるのである。あるいは、議会ウォッチャーたちが内心政治的に支持する会派や政党の議員の評価を上げるために基準を設定しているのではないか、という疑念を持つ人もいる。
 
 不幸なすれ違いの構造
 ところが、一般の有権者の目から見ると、先に紹介したようなベテラン議員の行動は、ほとんど目に入ることがない。議会審議という観点で言えば、首長から議会に議案が提出される前に実質的な決着を付けてしまうのだから、目に入るはずがないのである。
 議会ウォッチングが広がってきている背景には、議会の働きが外部からはまったく見えないという実態がある。ある自治体に議会が存在することによって、その住民にとってどんなメリットがあったのか、それが見えていない。まずは議会活動の実態に目を向けて、あらためてそれを検証してみようという関心をもつ人が増えているということなのである。
 ところが、まずは目に見えるところから議会の実態を把握し、記録し、公表する活動を始めて見ると、少なからぬ議員から反発を受け、時として(特定政党を支持するためにやっているのではないか、といった)身に覚えのないレッテル貼りをされてしまうことさえある。議会ウォッチャーとしても、それに対してますます反発し、酷評が募っていくことにもつながる。
 議会の側は、せっかく一般市民が議会に関心を向けてくれたのに、議会の実質的な機能をうまく伝えられず、結果的に反発を受けるだけに終わってしまっている。議会ウォッチングの側は、議会をよく理解したうえで、より良い地域を作っていくために、議会の機能を向上させていく一助になろうとしたのに、かたくなになってしまった議会は、期待したような方向への改革に進もうとはしないという壁にぶつかってしまう。何とも不幸なすれ違いの関係ではないだろうか。

 議会の役割についての共通了解をつくる
 つまるところ、議会が果たすべき役割についての共通了解が、議会と市民の間に存在していないということが問題なのである。ベテラン議員が思い描いている「ちゃんと仕事をする議員」のあり方と、一般市民が思い描くそれとは、あまりにもかけ離れているのが実情だ。
 これはどちらが悪いという話ではなく、相互のコミュニケーションが不足しているところに根本的な原因がある。そして、選出する側と選出される側の役割分担という観点からは、やはり選出された議会の側から、積極的にコミュニケーションを図っていくことが求められているというべきだろう。
 私自身は、ちゃんと仕事をする議員のあり方について、右に述べたようなベテラン議員たちとは少し見解が異なり、政策的な実効性の確保以上に、論点や争点の発見、公開機能の方が、議会としてより優先しなければならない役割だと考えている。このような見解に反対の考えをもつ議員の方々も少なくないと思うが、そのような方々も、その考えを有権者に示して、それに納得してもらう必要性があるということについて異論があるわけではないだろう。
 まずは、そういうあるべき議会像の違いについて、率直な意見交換をすることが、市民と議会との生産的な関係の構築のためには不可欠なことだ。議会ウォッチングの広がりと、それによって示される評価への議員側の違和感の広がりは、そんなコミュニケーションのきっかけを提供してくれているのではないだろうか。

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