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2012年2月9日

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総合福祉センター基本計画(素案)

総合福祉センター基本計画案
〜素案にしても雑に過ぎないか?〜
 
26()の午前10時からほぼ2時間にわたって、市議会の全員協議会が開催されました。その目的は、(仮称)総合福祉センター(複合施設)基本計画(素案)について、藤本市長も列席のなかで、行政側からの議会への説明とこれについての質疑応答でした。
 
この案件については平成9年から検討が始まっていましたが、その後いろいろなプロセスを経て、当初想定していた旧市庁舎を利用する計画が、新所沢の旧生涯学習センターを取り壊して、ここに新たな複合施設を設けるというように変更されています。
 
この日明らかにされたこの施設の内容は、大きくは①福祉センター(子ども・若者・高齢者・障害者等が地域で自立した生活を送るための地域福祉活動拠点)、②子ども支援センター(子育て家庭への支援と子どもの発育支援)、③社会福祉協議会、④地域便益機能(多目的な集会スペース)4つで構成され、これらについての⑤総合相談窓口を設けて利用者の便宜を図るとしています。この構成は、基本的には平成12年の「提言」を忠実に踏襲しています。
 
会場には資料として、センターの基本計画(素案・23)と平成12年の「提言」(17)、用語解説(合計特殊出生率、ニート、バリアフリー新法etc・3頁 )が貸し出されましたが、すべて会議終了時に回収されてしまいました。
 
当然のことながら議員さんからも沢山質問がありましたが、大きくは①コストに関する質問(建設費、取り壊し費用、発足後の維持費等、またこれまで22億とされてきた建設費が25億になっている理由)、②ハード面についての質問(駐車スペース、地階の検討の有無等)、③4つの複合機能の具体的なソフトの内容を問う質問(ex 医師や専門家の配備の有無、診療体制の有無、あるいは人材養成等)、④既存の組織あるいは機構(14か所の包括支援センター、各行政区のまちづくりセンター等)との相互連携、⑤この施設の見込み利用者数、ほぼこんなところであったように思います。
 
この日の説明と質疑を傍聴して感じたことを率直にいえば、所沢市の財政規模からして、one project 25億はかなりな額ですが、この計画(素案)なるものは、平成12年の「建設検討懇話会」(構成員は学識経験者、福祉関係団体、公募市民)からの「提言」以来10年をかけて検討してきたにしては、あまりに具体性に乏しく、到底“計画”とはいえない漠然とした“構想”レベルに過ぎないと思います。ともかく判断の拠りどころとなる定量的な基礎データが示されず、従って説得力ある具体的な説明もありませんでした。民間で若しこの程度の内容のものを“計画”として役員会に上程すれば、仮に“素案”であっても、責任者は即刻その職を解かれるでしょう。
 
議員さんの指摘事項に私見も交えて、この“素案”の問題点を以下に列記します。
 
    各分野での様々な福祉ニーズが、この10年間でどのように推移してきているのか、その実状の分析に基くneedswantsの質と量を把握し、これへの必要な対応として何がどの程度必要なのかが明らかでない。一言でいえば、計画の妥当性の根拠となる基礎データが全く示されていない
    何故“総合化”なのか、その必然性についても具体的な説明が無い。従って、4つの分野が1つの建物にあることによる具体的な効果が分からない。
    各行政区の既存のいろいろな部署や組織(包括支援センターやまちづくりセンター等)との具体的な相互連携がどうなるのかが分からない。
    福祉の分野で大きなweightを占める社協との連携についても具体的には説明されていない。(特に災害時の機能、役割分担等)
    上記の諸点が曖昧なため、ランニングコストの概算値も把握できない。
    外部の機関(リハビリセンター等)との連携が分からない。
    その結果、この複合施設の管理運営を担う「地域福祉推進室」の内容も明らかでない。
 
概ね以上のようなところですが、要するに、この施設ができることによって、他市との比較等も踏まえて、所沢の福祉がどのように改善され、どの程度の水準を満足するのか、の説明が無いということは“計画”としては致命的です。所沢市の病弊ともいうべきマーケティングマインドの“希薄さ ”がこのプロジェクトにも如実に現れていると思います。
 
このプロジェクトを長年待ち望んできた障害者の方たちも大勢いることは周知のことです。藤本市長も今回の全員協議会での説明と質疑の模様を終始その場で確認されていますから、役に立つ施設作りのために必ずや適切な指導が行われることを期待するところ大です。市長、よろしくお願いします。
 
                    記  本間

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{メディア談話室} 期待される新たな原発報道 -1-

{メディア談話室}
  期待される新たな原発報道 -1-
(共同通信社社友) 藤田 博司
 「2011年報道写真展」がいま、横浜の日本新聞博物館で開かれている(4月15日まで)。昨年1年間の優れた報道写真を集めたこの展示で目を引くのは、当然のことながら東日本大震災にかかわる写真である。巨大津波の猛威、その被害の甚大さ、被災した人たちの悲嘆と苦悩―写真が切り取った現実の一つ、一つが見るものの心を打つ。
 
 抜け落ちた事故の記録
「なでしこジャパン」の女子サッカーワールドカップ優勝のような明るい話題の映像もある。「アラブの春」を伝える海外の写真もある。が、昨年暮れ、約300点にのぼる展示のプレビューを見たとき、どうしても釈然としない気持ちが残った。福島第一原発事故とその深刻な影響を記録にとどめる写真がすっぽりと抜け落ちているように感じられたからである。
 
 原発事故関連の写真が皆無というわけではない。事故から8か月もたった昨年11月、メディアの代表取材で原発敷地内を撮影したものはある。放射線被害を逃れて避難所に暮らす人々の写真はある。しかし事故直後の敷地内の写真はもとより、住民がとるものもとりあえず避難を余儀なくされたあとの、原発周辺地域の町や村の様子を記録したものがほとんどない。
 
あれだけの大規模な被害をもたらした、人類の歴史に残る事故を証言する映像の記録が、少なくとも大手メディアの報道写真にはない。これは日本の写真ジャーナリズムにとって大きな失態といえるのではないか。
 
原発事故後の写真が乏しいことにいくつかの説明はできる。原発敷地内に入るには放射能汚染の危険が大きすぎたし、取材も認められなかった。周辺地域への立ち入りも長期にわたって制限された。報道各社は当局による立ち入り制限の措置を前に、すっかり立ちすくんでいたように見える。しかし事故直後はともかくその後の数か月は、取材する側にその意欲さえあれば、方法、手段はあったはずである。だが報道各社が敷地内や周辺地域の取材をするために、あらゆる手立てを尽くした形跡はうかがえない。
 
むろん写真だけの問題ではない。文字で伝えるニュースもテレビ映像も、一部の例外的なケースを除いて、事故から最初の数か月間、原発とその周辺地域から、ほとんど報道らしい報道はなかった。報道写真の場合と同様、報道各社が記者を現場に送り込んで実情を伝えようとする努力を怠ったためと思われるのである。
 
事実踏まえた検証
歴史の最初の証人となるべきジャーナリズムがその責任を果たせなかったという意味で、これには大きな悔いが残る。ただ覆水は盆にかえらない。済んだことを悔やむより、これからの報道でこの失態の償いを心がけることが、メディアに求められるだろう。その期待を持たせてくれる、新たな原発報道の試みもいくつか始まっている。
 
その一つは『朝日新聞』が朝刊総合面の左肩定位置に、昨年10月から連載を続けている「プロメテウスの罠」である。1シリーズ各十数回で、1月初めから第6シリーズに入っている。数人の記者がそれぞれのシリーズを担当、原発事故直後の周辺地域の事情や放射能研究者・専門家らの動き、政府・行政機関の対応などを、その後の綿密な取材を踏まえて伝えている。最新の第6シリーズでは、事故直後の首相官邸の様子を生々しく再現していて、興味が尽きない。
 
この連載の際立った特徴は、原発事故にかかわるさまざまな場面を、できるだけ具体的な事実として記録にとどめようとしていることだ。その意図をきわめて効果的に支えているのが、すべての人物に実名で語らせていることである。新聞報道にありがちな「当局者」や「関係者」といった匿名の人物は登場しない。伝える事実に信頼性を持たせるには、この方法しかありえない。その手法を連載は忠実に実践している。
 
事故から半年余り過ぎて始まったこの連載、欲を言えばもう少し早い時期に始められなかったかと思う。一連のシリーズでは、行政や東京電力の事故対応の不手際が次々に明らかになっている。とりわけ際立つのが、原発を推進してきた東電や学者、専門家たち、原発を監督する立場の政府当局の無能、無責任と不誠実だ。ジャーナリズムがこうした事実をもっと早い段階で明らかにしてくれていれば、今後の原発政策に対する国民の視線はもっと厳しいものになっていたに違いない。 続く

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