学校の宿題

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玄武山道場に、ユウが困った顔でやって来た。シンさん、利吉、源八が怪訝な顔になる。
 
利吉「ユウ、どないしたん?悲しい顔になってるで」
ユウ「実は、今日、音楽の先生から無茶な宿題を出されてん。こんなん無理やわ〜」
 
ユウ、1枚のプリントを取り出す。源八が受け取ってそれを読む。
 
源八「『愛の歌を自分で作って、下に書きなさい』。何やねん!これ!」
利吉「こんな宿題出すセンセがおるのん!?ユウ、音楽の先生って、どんな人や?」
 
ユウ「情熱が空回りしてる先生。青臭い言葉をいっつも言うてる。俺ら生徒はドン引きしてるのに、先生だけが満足して悦に浸って、授業を進めてる」
 
シンさん「うわ〜。芸術家っぽい先生やな〜。青臭い言葉って、どんなこと言うてるの?」
 
ユウ「『さあ、今日もみんなの情熱の歌声を聞かせてくれ!』、『もっと先生に気持ちをぶつけるつもりで!さあ、歌おう!』、『出来ない事は無い。みんなだって、天使の歌声が出せるんだ!』
『上手く歌おうと思うな。心を込めて歌うんだ。全てはそこから始まる』・・・・・・・・こんな感じ」
 
利吉「笑えて来る〜。会ってみたいわ〜」
源八「で?その青臭い言葉を言うてる先生が、愛の歌を作れって、宿題を出したんやな?」
 
ユウ「先生の言葉を聞いてるだけでも恥ずかしいのに、その上何で、恥さらしみたいな宿題をせなあかんねん。音楽なんか無くなってしまえばええのに・・・・・」
シンさん「せめて、主題を『愛』じゃ無いやつにすればええのにな」
 
利吉と源八、嫌味な目でシンさんを見る。
 
利吉「シンさんは、こう言うの得意なんと違うの?」
源八「ホタルさんにコクった事あるやろ?それに今、ちょうど主役やってるしな」
 
シンさん「は?何でそれとこれと関係あんねん。お前らだって、1回ぐらいコクった事あるやろ?ガキの時とか」
利吉「どこまで遡んねん。ガキの告白なんか、『愛』とか呼べるか」
源八「怖いな〜。幼稚園生が、『愛してます』とかコクってたら」
 
ユウ、3人に相談したのが間違いだったと気付く。
 
ユウ「もうええわ。他の人に相談しよう」
シンさん「ええ!?ユウ、俺ら、そんなに頼り無い!?」
ユウ「頼りないわ〜。みんなアラサーのくせに、ビシッと告白できそうにないもん」
 
利吉、源八、シンさん、痛いところを突かれて気まずくなる。
 
源八「そ、そ、そんなん、ユウに言われた無いわ!13年間生きて来て、1度もコクった事無いくせに!」
利吉「俺なんか、初恋が幼稚園やったから、その時にはコクってたで!」
シンさん「お、俺はもう、わ、分かってるやろ?は、恥ずかしいけど、18の時にコクったし!」
 
ユウ、悔しくなる。
 
ユウ「あーもう!分かった!じゃあ、『愛』で連想するもの、何か言うて」
利吉「お!それ、ええな!やってみよう!」
 
源八「愛、愛・・・・・・阪神タイガース愛好会」
シンさん「剣道愛好会」
利吉「空手愛好会」
ユウ(呆れながら)「ゴルフ愛好会、卓球愛好会、マンガ愛好会・・・・とか出て来るんやろ!もう!あかんわ!愛好会しか無いやんか!」
 
源八「だって〜。難しいねんもん!愛って何?シンさん」
シンさん「俺に聞くな!愛って何?利吉」
利吉「うわ〜!めっちゃプレッシャーやわ!そんなん分かってたら、俺ら、悟り開けるで!」
 
ユウ、頭がこんがらかって来た。
 
ユウ「もう、何でもええわ!好きなモノ、言うてみて!」
シンさん「イカとタコがあれば、俺は生きて行ける!」
利吉「そうか!俺は、たくあんと柿ピーがあったら、他の食べ物なくても大丈夫やで!」
源八「塩分が高過ぎじゃ!鮭とシシャモがあれば、俺はええけどな」
 
ユウ「源八さんも、塩分の量は利吉さんと変わらんのと違う?・・・・・ん!何か、閃いた!そうや!俺、『愛の歌』、書けそうな気がする!」
 
シンさん、利吉、源八、驚く。
 
シンさん「何!?書けそうか!大丈夫か!?『愛の歌』!」
ユウ「うん!何とかいけそうや!3人の会話を聞いてて、思い浮かんだ!」
源八「マジか〜。だてに27年生きてへんぞ!俺だって、13歳を救える!」
利吉「感謝しい!ユウ!俺らのおかげで学校の宿題が出来るんやからな!」
 
ユウ「うん!感謝する!3人とも、ありがとう!!」
 
 
 
 
 
 
                『そうめんへの愛の歌』
 
                                作詞・天笠祐
 
                そうめん そうめん
               君がいれば生きて行ける
               君がいれば 僕は幸せさ
 
               たとえこの世が滅びても
               僕のこの気持は永遠だから
               流れる竹筒に乗って
               君の元へ会いに行くよ
 
                そうめん そうめん
               どうかそのままの君でいて
            ネギなんかで着飾らなくていいんだよ
              めんつゆと、素のままの君が
                  好きだから
                何も飾らない君でいて
 
 
 
 
 
 
表紙:スミレ(アップ)
 
 

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