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仕事が終わり家路の途中、心地よい夜風に誘われ川ップチにでると、流れを失いマッタリといごかぬ川面を大きなボラが何匹も飛び跳ねている。「ぼちゃん、ぼちゃん」あそこで跳ねた!あっ今度はあそこ・・・おぉいかいのが飛んだぁ・・・などと、時を忘れてずっと見ていそうになる。
家に帰り、なんでボラは飛び跳ねるのかなぁとネット検索に答えを求めてみても「引っ掛け針釣り」のようには掛かってこない。
以前何かで諸説聞いたことがある。一つ、体についた寄生虫を払い落とすため。二つ、気分の高揚あるいはストレス発散のため。三つ、水面に浮かぶ餌を捕獲するため。四つ、泳法の一つである。
このうち、一つ目の行動は結構他の魚でもすることらしい。二つ目はクジラのジャンプする理由の一つにも挙げられている。ちなみにクジラのジャンプは、仲間に自分の位置を教えることで縄張りを示しめす行動とも言われている。
多数が密集してしかもそこいらで「ぼちゃぼちゃ」飛び跳ねているボラには縄張り説はあてはまりそうもないかな。
よくトビウオとボラは色や魚形が似ているから、トビウオになれなかったボラが飛びたくて跳ねているなどとお伽話のようなことを聞いたりするが、ボラはボラ目ボラ科でトビウオはダツ目トビウオ科の魚。トビウオはどちらかというとサヨリとかサンマの仲間である。また、月に飛びつこうとかしているとかとも言われるが、月夜に関係なくボラは跳ねる。もっとも干潮時には川底を群れて泳いでいるボラも、水位があがる月夜の満潮時は助走の関係かジャンプもしやすく活発に跳ねているようにも思えるので、潮の満ち引きには少なからずとも関係はあると思う。
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翌朝散歩している時に丁度干潮時をむかえ川の水位がかなり低くなっており川底が随分澄んでみえたので、久しぶりに防波堤を越えて川底を除いてみた。
すると、ボラの群れがきれいに列をなして川底を這うように泳ぐ姿がその色鱗までがはっきりみえる。
川底はヘドロ状ではあるが、ヘドロとわかるくらいだから水自体はかなり澄んでいるということなのだ。
そういえばメタンガスの噴出も少ない。
そしてじっと見つめていると様々な訪問客が入れ代わりたち代わり目の前に現れた。
ハゼ、セイゴ、白っカイズ、トラフグの子などの小魚やなんとクラゲまで・・・。
以前から住んでいたのかも知れないが、澱んでいて魚がいることすら判らなかった。いいや、水が綺麗になったからこそ魚が帰ってきているのだと思う。その証拠に、縁側のコンクリートの袖やハシゴやロープに牡蠣がビッチリと着いているではないか!これには本とに驚いた。
「巴川で泳いだ」という父親たちの自慢話がウソであるかのように、僕が小僧のころの巴川は最悪に近いくらい汚れていた。色々なものや場所が開発されたり近代化されて元の姿を失ってゆく中で、身近な巴川が僕の知っている巴川が少なくともそれよりも昔の姿に近づいこうとしていることに気づいて今日はものすごく感動している。それは川面を飛び跳ねるボラのような気分だ。
西風が吹く時期、湾の海水は一層透明度を増してくる。そのころになればきっと川面ももっと澄んでみえるにちがいない。これから毎日のぞいて見るのが楽しみになってきた。
そして、西風の到来を告げる「おいべっさん」のお祭りまで丁度今日であと一ヶ月だ。
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