ぎんだら酩酊日記〜今宵も一口を肴に〜

ミスチルの次は浜省です。さいたまスーパーアリーナ行くぞ〜!!

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龍的世界

 
2011年も残すところあと10ヶ月ですね。
 
昨日ようやく村上龍歌うクジラを読了したんですが、まー苦労しちゃいました。  上・下読むのに3ヶ月くらい掛かっちゃったよ。。
 
 
舞台は未来の日本。  「歌うクジラ」から発見されたSW遺伝子によって不老不死が叶うようになっています。
でもその遺伝子を接種されるのは、優秀な科学者や政治的リーダーなど一部の選ばれた人だけ。  その他の一般ピーポーは、下層・最下層に分けられて整然と隔離された差別社会の中で居住区も指定され強固な管理の元でただ単に生きています。  物語は最下層の流刑地『新出島』に生まれたアキラ少年が亡父に託された世界が転覆するような情報が入ったチップを最上層に住むヨシマツに届けるために旅に出て、行く先々の様々な場所で様々な階級の人々と出会い、武器である「敬語」を駆使して障害を乗り越えていくロードムービー的小説です。
 
 
ストーリー展開や物語の設定は、龍の持ち味である描写のリアルさ、想像力の豊かさによって情景が目に浮かぶようにグイグイ引き込まれていきますが、文章を読み進めるのがすごく大変なんです。
 
まず、セリフに「」が一切ありません。 でもまあ、これは意識しなければ後になって気付くくらいで、それほど違和感はない。
 
最悪なのが、反乱移民の子孫が登場してくるあたりからで、彼らの話す言葉がわざと助詞をめちゃくちゃにしているので、読んでいて非常に気持ち悪くなります。  なんとなく乗り物酔いをしているような気持ちになってしまうんです。
 
たとえばこんな感じ、
 
ところで誰をガスケットが見にいくんだ、とサガラという人が聞いて、おれをアキラをアンだ、とヤガラという人が答え、オグラという人が露骨に不愉快な表情になって大きな音で舌打ちをした。 一枚二十万をガスケットのゲームがあんたを娘を島のあいつで見るとけっこうなことだな、オグラという人はそう言って鼻で笑った。
 
わかります?  ミスタイプじゃないんですよ、ほんとにこんな調子で200ページくらい続くんです。
 
これまでの龍小説でも、意図的に句読点を省いた手法なども使われていたり、独特のリズムで効果を演出しているものはありましたが、今回の小説ほど苦労したのは初めてでした。
 
私のように、龍小説は全部読んじゃる!みたいな人はなんとかクリアできるかもしれませんが、そうでない人には楽しめないかもしれない。
 
小説全体としては、これまで築いてきた龍的世界の集大成ともいえる内容です。 ドラッグ、差別、移民、突然変異、SM・幼児嗜好・スナッフ等の倒錯した性、殺人におけるサイレントでいながら極彩色でグロテスクなバイオレンス描写などなど、まさに龍小説のダイナミズムを集約したような作品です。
作者のエネルギーが液体となってビチャビチャとかかってくるような小説なんです。  おかげで読む方も相当なエネルギーを必要としたうえ、読了後は消耗し削られベトベトした液にまみれ異臭を纏うことになります。
でも、それが村上龍の小説だと言われればそうなんだと思います。
 
 
 
もし、あなたが「村上龍を読んでみようかな〜」って思っているとしたら、この「歌うクジラ」から入ることはお勧めできません。  まずは「コインロッカーベイビース」を読んでみるのがいいんじゃないでしょうか。  龍世界を受け入れられるかどうかのバロメーターになりますし、小説としても最高に素晴らしいです。
 
それで大丈夫なら「愛と幻想のファシズム」や「5分後の世界」を読んでみましょう。  龍の一番脂の乗った時期の作品ですし、私も大好きな小説です。
 
ここまでくれば、もうあなたは龍世界の虜になっているはずですから、「トパーズ」や「コックサッカーブルース」も大丈夫なはずです。  ドのつく変態SM小説です。
 
そしたら「69」や「テニスボーイの憂鬱」「走れ!タカハシ」などの楽しい小説を読むことも、ようやく許可してあげようではありませんか。 
 
あとはお好きに「料理小説集」や「映画小説集」の短編ものを読むもよし、「昭和歌謡大全集」→「半島を出よ」を続けて読むのもよし、デビュー作にて芥川賞受賞作の「限りなく透明に近いブルー」を読んでみるのもいいじゃないですか。 そうそう、リチャード・バックの小説の翻訳なんですが、「イリュージョン」もなかなか良いですよ。
 
そしてその頃にはもう「歌うクジラ」だって受け入れられるはずです。  ぜひ、龍世界の迷宮までたどり着いて絡まっちゃって抜け出せなくなっちゃってください、お待ちしておりますよ〜。
 
 
では、グッド・ラック!
 
 
  

閉じる コメント(4)

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すごい冒頭ですねw
でもそういう発想ができるのは頭がキレル証拠ですね(拍手)
さすがボキャブラリー溢れる会長だ!

2011/3/3(木) 午後 4:12 とっぷがん

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「ラッフルズホテル」仲間に入れてあげてくださいっ(最近読んだから)

やっぱりやるなぁ、龍。
「イリュージョン」はかなりお気に入りです。
バックは日本では翻訳に恵まれていますな。

小説が苦手なら「すべての男は消耗品である」シリーズのエッセイなどはいかがでしょう?

それにしても、龍。迷走しているな、相変わらす。
「歌うクジラ」文庫になったら読もうと思います。

若い頃、よく村上春樹と間違っていました。「コインロッカーベイビーズ」を読んでからはもう間違っていません。
ダブル村上。

2011/3/3(木) 午後 6:13 [ みちろー ]

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とっぷがんさん<
今日、ふとカレンダーを見ていたら既に今年の2ヶ月が終わっちゃっていることに気付き、あとの10ヶ月もあっというまに過ぎてっちゃうんだろうなー、って思って。。
キレる男は仕事中にカレンダー見てボーっとしてたり、ブログ記事書いてたりしないと思いますよ(笑)

2011/3/3(木) 午後 10:56 ぎんだら

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みちろーさん<
「ラッフルズホテル」はどのカテゴリーかなぁ、「トパーズ」と「KYOKO」の中間くらいでしょうか?

「イリュージョン」いいよねー。たまに疲れたときにパラパラ開くとつい全部読んじゃうw

「すべての〜」シリーズは3冊目くらいで止めちゃったな。やっぱ小説だけでいいかなと…。

龍との出会いはウチの誰かが間違って買ってきちゃった「限りなく〜」を高校生のときに読んでしまってから。それから興味が沸いちゃって、ラジオの「若いこだま」(だっけ?)とか聞いてたし、Ryu's Barとか毎週観てたなぁ。。
かなり影響受けちゃったんです、僕。。

2011/3/3(木) 午後 11:13 ぎんだら

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