食うべき詩

お笑い芸人の件から生活保護受給者へのバッシングが一気に吹き出た。濫給と漏給のほんとの実態を知ってほしい。

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前回の記事「『国民会議』の第1回公開シンポジウムに行ってきた」には書きませんでしたが、著作権保護期間の延長問題を考える国民会議のシンポジウムに参加して、今まで気づかなかった視点を得たような気がします。「反対派のパネリストは4人とも子供がいない。賛成派の2人は子供、孫がいる。自分の死後の著作権保護期間をどう考えるかということに、自分の子孫をリアルにイメージできるかどうかが影響する」延長賛成の立場での会場からの発言の一つです。そのときはちょっと的外れな印象があったのですが、だんだん一面の真理を確かに衝いているように思えてきたのです。

外圧だとかディズニーだとか企業だとか著作権者団体とか、そういう要素をとりあえず脇に置きます。今回のパネラーに限定しての話ですが、賛成派の方はやはり著作物(創作作品)を私的な財産ととらえている。子供も作品も自分がこの世に生み出したもので、子供や孫が作品から経済的恩恵を受け続けるのは当然であって、その期間は長ければ長いほどいい。本音としては著作権は永遠に子孫に受け継がれるべきだと考えていてもおかしくないのです。

反対派は作品を公共財ととらえている。個人の内なるものを人々に向けて解き放ったものと考えている。著作物からの収益というのは、作品を生み出す創作者とその家族の生活を支えるため、創作者存命中と死後一定期間に限り認められたものに過ぎない。著作権システムは社会に役立つように設計すべきものととらえている。

著作者と利用者の間で賛成・反対が分かれているのではなくて、著作者の中でも意見が分かれているのは、こういう創作とか作品とかに対する「実感」の違いも一つの要因としてあるのではないかと思いました。創作された作品をあくまでも「私」(わたくし)のものとしてとらえているのか、創作者もその一員である社会の共有物としてとらえているのか。その「実感」の分かれ目の一つに子供のいるいないがある、というのは案外的を得たものの見方かもしれません。わたしは子供がいないので延長反対なのかな?

パネリストの一人山形浩生氏も述べていましたが、インターネット技術とデジタル技術によって表現・発信の敷居が低くなり、今は誰もが利用者である一方で表現者=創作者=著作者となりうる時代です。わたしたちがブログに掲載したささやかな一文でもイラストでも著作物。おそらく商用利用や著作権料のことなどを考慮するような事態となることはまず無いでしょうが、もしそうなったとして、自分の作品をどういう風に扱いますか?扱って欲しいですか?あなたには子供や孫がいますか?

国民会議のサイトで当日のパネルディスカッションのストリーミング動画がアップされています。


■虫干しにあたっての補遺(33) 2009/05/27
2年半たったけど未だに子どもなし。だからかどうか分らないけど考え方変わらず。
(元の書庫【著作権と表現の自由】)
過去記事の虫干しにあたって

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敬意や名誉が第一義的というのは違うな。訂正。やっぱり表現そのものに価値があるはず。金も名誉も関係ない、書かずには、描かずにはいられないっていうことだな、やっぱり。プロであってもなくても。

2006/12/17(日) 午前 1:26 トンコ 返信する

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はじめまして。少し前から拝読していました。ブログを持っていないので非ログで失礼致します。著作権には文化の発展を実現させる目的があると思います。創作物がすぐに模倣されてしまうことになれば、人の創作意欲を損ないかねないため、著作者の権利として守られている、ということを考えると、新たな創作意欲を生み出すためにも保護期間は50年でいいかなと思います。私には、子も孫もおりますが、子にも孫にも社会の一員としての自覚を常に抱きながら成長していって欲しいです。 削除

2006/12/17(日) 午後 8:36 [ 子を持つ親 ] 返信する

はじめまして。そうですね、50年というのが国際的にも国内的にもコンセンサスとなってきたことを考えると、延長することの妥当性はよほど強力な根拠が必要だと思います。一度延ばせば縮めることはかなり難しいことですから。コメントありがとうございました。

2006/12/17(日) 午後 9:26 トンコ 返信する

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はじめまして。なぜ死後50年なのでしょうかね?著作物が出来てからxx年ではなぜいけないのでしょう?ずっとそれが疑問なんです。ちなみに私には子供がいますが、自分の著作権は自分の代で終結したいと思います。

2006/12/23(土) 午後 9:49 [ あまぐり ] 返信する

はじめまして。死後50年の理由、実は定かじゃないです。著作者の子供の生存期間中ということだと読んだことはありますが、公の立場ではっきり解説されているものは見たことがありません。著作権保護期間が、著作物ではなくて著作者に対して設定されるのは、著作権自体が著作物を多数生み出す著作者と家族の生活を支えるために設定されているからだと思います。

2006/12/24(日) 午後 0:05 トンコ 返信する

わたし個人としては、amaguri4141さんと同様、遺族には申し訳ないですが死後0年で直ちに権利が切れるべきだと思います。現実の仕組みから見ると、出版社やレコード会社など権利の一部を譲渡されている著作権者の利害が大きいのだと思います。ビジネスですから保護期間は長いに越したことは無いでしょうね。

2006/12/24(日) 午後 0:12 トンコ 返信する

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こんにちは。例えば著作者が著作物を生み出してすぐに亡くなってしまった場合、著作権が守られなければ、世にでる機会を他人が奪ってしまう可能性がありますよね。だから死後にも権利は守られていると思うんです。 削除

2006/12/24(日) 午後 3:07 [ 子を持つ親 ] 返信する

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>はじめまして。死後50年の理由、実は定かじゃないです。:ベルヌ条約(文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約)に加盟しているから、だと思います(元の条約で決めた根拠は多分「子を持つ親」さんのご推察どおりでしょうね)。WikiPediaの記述)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%AD%A6%E7%9A%84%E5%8F%8A%E3%81%B3%E7%BE%8E%E8%A1%93%E7%9A%84%E8%91%97%E4%BD%9C%E7%89%A9%E3%81%AE%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%8C%E6%9D%A1%E7%B4%84 削除

2006/12/24(日) 午後 11:03 [ Z ] 返信する

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また、こういう記述も見つけました。特に日本とアメリカでは20年違うので、延長議論の背景には「国際整合性」もあることは否定すべきでないと思います。http://ja.wikiquote.org/wiki/Wikiquote%E2%80%90%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88:%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9%E3%81%AE%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E8%91%97%E8%BF%B0%E5%AE%B6 削除

2006/12/24(日) 午後 11:13 [ Z ] 返信する

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しかしながら、ご指摘のとおり日本における現行法制度は課題が山積みで、その解消を抜きにして単に延長というのは賛成できないという点について私も同感に思っています。 削除

2006/12/24(日) 午後 11:17 [ Z ] 返信する

子を持つ親さんのおっしゃっているのは、作品未公開の状態で作者が亡くなった場合のことでしょうか?うーん、そうだとするとケースバイケースなのではないでしょうか。無名・有名、遺族がいるかいないか、遺族の意向等々。。。

2006/12/25(月) 午後 10:23 トンコ 返信する

Zさん、ちょっと表現が足りませんでした。ベルヌ条約で死後50年とされてた根拠が良く分らないということです。子供ないしは孫の生存期間ということかなと想像しますが。

2006/12/25(月) 午後 10:41 トンコ 返信する

「国際整合性」という主張はもちろん承知しています。しかしその背景はアメリカの「年次改革要望書」、ありていに言ってしまえば「外圧」です。それで07年度までに結論を出すように迫られているというのが現状です。アメリカの著作権産業の輸出額は全産業中トップということですから。貿易収支という面で見れば日本に不利、ベルヌ条約という国際標準からも逸脱、さらに発展途上国に対する先進国の収奪を強める、日本の著作権者のことを脇においても、あまり延長がいい事のようには思えません。

2006/12/25(月) 午後 10:47 トンコ 返信する

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そうでしたね。トンコさんは自分の作品をどう扱って欲しいか?って尋ねられているのですもんね。なんかピント外れててごめんなさい;;法律の解釈から入っちゃいました。私だったら、自分の書いたものを細々と発表したとして死後に万が一大きな力を持つ他人が自分のものとして発表しちゃったら悲しいかなと思って・・・でも死んだ後自分じゃ分らないんだからやっぱり遺族の立場考えちゃってるな〜;; 削除

2006/12/25(月) 午後 10:56 [ 子を持つ親 ] 返信する

あー!やっぱり貴重なご意見です。わたしは子どもいませんから。心情として、著作権であれなんであれ遺族に残すとか、死後の心配とかそういう感覚がまだ分らないんです。どうもありがとうございました。

2006/12/25(月) 午後 11:09 トンコ 返信する

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私はシンポジウムについては出席しておりませんので内容がよく分かりません。多少なりとも調べてみましたが、国際比較の詳細資料が見つかりませんでした。聞きかじった範囲ではそもそも日本の場合はドイツ法を参考にしており、アメリカの著作権法とは考え方を異にしているようで、法律の見直しだけでも大変なのにとてもあと1年で国民の総意をまとめるというのは難しいでしょう。 削除

2006/12/25(月) 午後 11:13 [ Z ] 返信する

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ただ、個々人が今まで「個人利用の範囲」に甘えてきたのではないかという見方もでき、また必ずしも正当ではない権利管理団体の運営(著作権に限りませんけれど)に手をこまねいてきた状況が、結局待ったなしとアメリカから圧力をかけられてしまったのではないかとも思いました。ぎりぎりになってからあたふたする・・・というのは日本の悪い癖なような気がします(^^; 削除

2006/12/25(月) 午後 11:18 [ ] 返信する

Zさん、「知財立国」という国策の下、短期間で強引に話がまとめられてしまいそうな状況に異議を唱えたのが今回の「国民会議」だと思っています。本当の意味で国民的議論が必要だと思います。一度延長したら中々短縮できるものではないですからね〜。。。

2006/12/27(水) 午前 0:54 トンコ 返信する

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いったん法律改正で延長が決まってしまったら、短縮することは難しいでしょうね。今回の「国民会議」がそういった「決めるときに声を上げることができる」人たちを増やしてくれるといいなと思います。ただ、ことネットが絡む話は上の方たちが疎いんだか実感がないんだか後手後手にまわりがちで、ともすると変な方向に飛んでいってしまいかねないのが怖いところです。この延長議論がもっと”炎上”して注目を浴びるといいなと感じました。 削除

2006/12/27(水) 午後 11:34 [ Z ] 返信する

日弁連が反対の態度を表明しましたね。どれだけインパクトがあるか分りませんが、議論の活性化に繋がればいいなと思います。もっともっとクリエーター自身が本音の意見をどんどん出すのも必要なんじゃないかと思います。

2007/1/4(木) 午前 10:31 トンコ 返信する

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