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徳山ダムへ行った。従姉がきれいだよって、そう言っていた。
興味が湧いた。ひとつの村を吸い込んだダム。
何を私に伝えてくれるのだろう。
トンネルを幾つも越えると緑に囲まれた山の狭間に美しい橋が架かる。
豊かな水を育む水面に頭だけ覗かせた木。
村に続いていた道はダム底へと向かい、愛しい人たちへの決別がそこにある。
涙が溢れる。
このダムの底にこの村を愛した人たちの故郷が、長い眠りの時を迎えてしまったのだ。
帰る場所さえ失った人々は、その寂しさをどうやって癒すのだろう。
先祖を、故郷を、そのダムの底に残してしまった後悔はいつまでも消えることはないだろうに。
いつかずっと遠い未来、百年、千年先の未来、今私たちがその祖先の息吹を感じているように
ひとつの村の息吹はダムの底で生き続け、私たちの子孫に何かを語りかけてくれるのだろうか・・?
消えてしまったひとつの村を私は決して忘れることはない。
ダムが美しくあるのは、深い哀しみをそこに押し隠していることを知っているから、
私はこのダムを心から愛してやまないだろう。
忘れたくない。忘れられない。
ひとつの村で生き、そして土と帰った家族を、愛しい家族を、
飲み込んだこのダムへの本当の想いを。
どうか、忘れないでほしい。
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