はじめてのダブリンの旅その6
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翌朝、朝食に下りていくと昨夜(数時間前)までドンちゃん騒ぎだったパブや中庭を掃除している人たちが見えた。朝食は希望を言うと、ボリュームタップリのタマゴ料理などを出してくれて(私はエッグとベーコンと言ってみた)アイルランド名物のパンが出てきた。センパイ曰く、ロンドンでも買えるが痛みやすく、冷蔵庫で保管しなければならないとか。美味しくてお代わりした。 その後バス停に向かって歩く。途中の雑貨屋でアイリッシュタイムスを買ったら、金・土・日の3日間用で、2ユーロと高額。センパイは「新しくないニュースに、2ユーロも払えって?!」とまた職業病。 予約しておいた観光バスはトリニティ大学の前で私達を拾ってくれた。バスはほとんど外国人観光客のようだったが、アジア系は私達だけだった。バスが走り出すど、ガイドが街のランドマークの説明を始めた。その英語はやはり流れるようなやわらかい明瞭な発音。日本人の耳にはとても聞きやすい。 やがて建物の向こうに海が見えた。海岸線沿いに延々と緑の藻のようなものが浮いている。これがきっと海草だ。 アイルランドでは岩盤の上に薄い土が乗っているだけだ。そこで農民は海草を土に混ぜて耕作してきた。有名なシングの小説「アラン島」では、海草を硬く乾燥させて燃料の代わりにも使っていた。 海岸沿いを回ると古城についた。緑のなだらかな土地の向こうにお城が見えた。ふと「風とともに去りぬ」の続編「スカーレット」を思い出した。 レット・バトラーと別れたスカーレットは、従兄弟の神父コラム(実はアイルランド独立運動のリーダー)の影響もあってアイルランドへ渡る。「今までジョージアが一番美しいと思っていた」 レットから支払われた離婚慰謝料でバリハラという広大な土地を買い、そこの領主になる。領主の館を格式高く築きあげ、領民にまじって土地に桑を打つ。 しかし、一度収穫が悪いと、領民はイギリス人領主に対するものと同様の憎悪をスカーレットに向ける。またレットの娘(本人は知らない)がハロウィンの日に生まれてしまい、迷信深いアイルランド人から「(魔女の)取替えっ子」と忌み嫌われる。 物語の最後で、イギリス軍に銃殺になるコラム。「アイルランドの自由の為に!」 領民に火をつけられ、炎上するバリハラ城などが小説で読んだのに、映画でみたかのように鮮やかに浮かんだ。 ダブリンに戻る時、「このシーズンは、アイルランド・フットボールの試合がありますが、今日は幸いにも地元ダブリンチームの試合があります。もし見たい方はどこかのパブに行くことをお勧めします」 −−もちろん、そうした。 ダブりンに戻ると、マディガンズに行った。街中はダブリンチームのカラーである紺と水色の旗やユニホームを着た人であふれている。レンスター州内のリーグだ。このサッカーはなんと15人対抗で、手も使うことができる。ちょっとフットボールというかんじ。パブの中は大騒ぎ。そんななか、憧れのアイリッシュシチューとサーモンのオープンサンドを頼んだ。量はたっぷりで美味しかったが店中大興奮になっているのに、料金回収に来ないので、「これじゃあ簡単に食い逃げができるなあ」 ビールのようにカウンターでお金を払おうとしたら、いつも来るコたちを扱うように「席に座ってな。もって行くから」と言われてしまった。ここでは、ガイジンでも町の人のように扱われるようだ。 ダブリン滞在も終わりに近づき、ロンドンに戻る時間が来た。 空港に着くと、格安チケットのライアンエアは大幅に遅れ、夜遅くまで飛ばなかった。8時をすぎると売店なども閉まり、寒くて凍えていた。ライアンエアは、来る時もへたくそな運転手が着陸した時、「オンタイム!」とはしゃぎ、乗客は拍手していた。。。 夜遅くロンドンに着くと、驚くことに入国チェックがなかった。 「アイルランドから来たんでしょ?」 なんと、自分の国の一部のつもりなのだろうか?? こうしてアイルランドの旅が終わった。また行きたいなあと思っている。(おしまい)
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