海外木工機械を購入する場合_その4
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Rev.1 2009.07.07 トルク式を変更
海外木工機械を購入する場合_その4
3.
(1)東京に住んでいる人が、アメリカのルータ(ユニバーサルモータ)を使用 (2)東京に住んでいる人が、アメリカのテーブルソー(誘導電動機)を使用 (3)東京に住んでいる人が、ヨーロッパのルータ(ユニバーサルモータ)を使用 (4)東京に住んでいる人が、ヨーロッパのテーブルソー(誘導電動機)を使用 (5)大阪に住んでいる人が、アメリカのルータ(ユニバーサルモータ)を使用 (6)大阪に住んでいる人が、アメリカのテーブルソー(誘導電動機)を使用 (7)大阪に住んでいる人が、ヨーロッパのルータ(ユニバーサルモータ)を使用 (8)大阪に住んでいる人が、イギリスの兼用機(誘導電動機)を使用
さて、今日は(7)(8)について説明しますが、考え方は今までと同じです。
(7)のケース
ヨーロッパのルータ電源仕様をAC230V、50Hzとします。これを大阪で使用する場合(AC200V、60Hz)どうなるでしょう。 ルータは一般的にユニバーサルモータです。ですから能力は電圧のみで決定されます。電圧はモータが230Vに対し、給電は200Vですから、約13%低くなります。その分回転数が下がりますが、ルータの場合は速度調整付が一般的なので、特に問題は無いでしょう。トルクも要求されれば電流は流れますので、普通の使い方で充分と思います。また焼損等モータが壊れることもありません。 尚、ヨーロッパ製品はAC100Vクラスの電圧はほとんどありません。AC220V〜240Vなので、日本でも200Vで使用する必要が出てきます。
(8)のケース
このケースは実は今年の四月に Re:Woodworking (http://woodwork.cocolog-nifty.com/) のforestさんがイギリスのAxminsterから手押しかんな盤、自動かんな盤の兼用機を個人輸入されています。 http://woodwork.cocolog-nifty.com/woodwork/2009/04/index.html 上記4月のブログの中に出てきます。 04.21 行って来ました・その2 04.21 行って来ました・その1 04.20 行ってきます 04.17 カーポート・・・ 04.15 驚愕の事実・・・ 04.09 今回のポチ (forestさん、勝手に紹介させてもらってます)
Rev.1
尚、このAxminsterの電源仕様はAC240V、50Hzなので、これに合わせて以下検討します。 誘導電動機のトルクの基本式は、(電圧/周波数)の二乗に比例します。240V、50Hzの場合を1としますと、大阪(forestさんは大阪ではありませんが60Hz地域です)で使用した場合、 T=((200/60)/(240/50))^2=0.48となり、なんとトルクが52%減少します。 うーん、ちょっと下がりすぎでしょうか。
前回の「_その2」(http://blogs.yahoo.co.jp/toshim11/39076280.html) と同様に、48%にトルクが下がると言う意味は、負荷が要求されたときに、出しうる最大トルクが48%しか出ない、と言う意味です。仮に負荷が48%以下のトルクしか要求しなかったら、大阪で使ってもイギリスで使っても全く同じ様に使えるということです。
Axminster 兼用機のモータ仕様は1100W、50Hzです。
この場合のモータ定格トルクは、7.24(N.m)となります(モータのPole数を4Pに仮定)。これを大阪で使用したら、単純に定格トルクが48%つまり、3.5(N.m)となります。定格トルクとは銘板に書かれている電流(定格電流)が流れた場合です。これをPowerに換算すると、P=T*Nですから P=0.48*60/50=0.58 で最大1100*0.58=634Wの仕事ができることになります。
つまり、イギリス製兼用機を使う場合、切削量を厚くして切削し、負荷からトルクが要求された場合、最大7.2(N.m)発生させることができますが、これを大阪で使用した場合、最大でも3.5(N.m)までしか出せない状況となると言うことです。
判りやすく別の言い方をすれば、イギリスで1100Wのモータを大阪で使用すると、634W相当になる、ということです。ですから、その分を考慮しながら使用する、あるいは下がる分を見込んでより大きな馬力のモータを購入する、と言う手もあります。
尚、このケース(8)は周波数が高くなった、また電圧は下がったケースですので、いずれもインピーダンスが増える方向で電気的には安全な方向ですので、モータが焼損したり損傷を受けたりすることはありませんので、安心して使用可能です。
今回の使い方として、トルクで52%減、Powerで40%減でよしとし、そのまま使用する手もあります。幸いにかんな盤ですから、手押しの場合は、切削量を薄く、かつ送り速度を遅くする。また自動の場合も、切削量を薄くし、送り速度の調整がついていればできるだけ遅くする等で、トルク不足は解消できます。
もうひとつの使い方として、どうしても初期の能力を発揮したいと言う場合は、
a)昇圧器を用いる b)インバータ化する の2案があります。
a)昇圧器とはステップアップトランスのことです。トランスで給電電圧を200Vから240Vに上昇させます。この場合、出力容量(モータ)が1100Wですから、これを入力側に換算し、且つ起動時の容量を加味しますと、最低でも3kVAは必要かと思います。5kVA以上が理想です。
でも周波数を50Hzには変更できませんので、やはりトルク的に30%ダウンは避けられません。 まあでもこの位なら上記で書いたように、切削量を下げたり送り速度を下げることにより、何とか使用できる範囲ではないかと思います。
b)インバータ化の場合
ドライブがベルト掛けなら、モータを三相誘導電動機に交換し、ドライブをインバータ化することで、全く問題なく100%本来の仕様で使用できます。この場合、より大きなパワーのモータにしておけば安心できます(スペースが許せば)。このインバータ化については、最後にまとめます。尚、ベルト掛けと書いたのは、モータ交換が容易に可能だからです。またモータ側のプーリの交換も必要になるかもしれません。
続く
次回は今までのことをまとめてみたいと思います。 |


良く理解できていませんが、トルク-17%ということでなるほどです。
ブログ紹介頂きましたが、ウチはまだ起動できていないので^^;実証例としては片手落ちですね。100Vではどうしてもブレーカーが落ちてしまい、現在200V配線を電気屋さんにお願い中です。今週末には来てくれると言っていましたので、その頃には笑っているか、もしかしたら泣いているかも(笑)。
2009/6/15(月) 午後 0:46 [ forest ]
(続き)トランスは準備済みですが、某カスタムトランスメーカーに機械の詳細を連絡した上で見積もりをお願いしたら、2kVAで見積もりを送って来ました。表示のしかたあるいは安全係数の見方が違うのかも知れませんね。
金額的にかなり高いので、ヒヤヒヤしながら市販品の変圧器の方にしてしまいましたが、その選択の正否も今週末に結論が出ると思います。
2009/6/15(月) 午後 0:59 [ forest ]
forestさん、ちょうどタイミングが良かったので、事後承諾で勝手に紹介させて頂きました(^^;
トランスを入れることで、-17%ならまず使い勝手は問題ないはずです。
どこへ見積もり依頼したかわかりませんが、2kVAなら起動時を全く考慮していません。どの程度の電圧ドロップかわかりませんが、運がよければ逆にソフトスタートで起動できます。でも、ドロップしすぎると、この起動時間が長くかかり、そのためにトリップの可能性も出てきます。まあやってみて問題があればトランス容量を上げれば良いでしょう。
2009/6/15(月) 午後 3:20 [ toshim11 ]
最大トルクが出ないと言うことは、空回りのような感じでストレスが溜まりそうですが、一般的には気にするほどでもないのでしょうか。
2009/6/15(月) 午後 9:09
炭焼きの倅さん、ストレスが溜まりますか。
このあたりはやり方次第でできると思いますよ。
例えば、最大トルクが下がった分、トルクが少ない使い方、一般には切削量を減らすということでしょうか、そうすれば問題ないです。
2009/6/15(月) 午後 9:42 [ toshim11 ]
初めまして。とても素晴らしい記事ですね。
私は関東地方に住んでおります。
アメリカからモーター(単相誘導電動機)を個人輸入しようと思っているのですが
電圧と周波数の問題で躊躇しています。
toshim11さんの記事を読んで少しだけ理解できたように思います。
お伺いしたいのですが、
私が購入したいと思っているモーターは1800RPM、1/4HPで
アメリカ仕様の110V/60Hz機とヨーロッパ仕様の230V/50Hz機の二種類が設定されています。
このモーターを100V/50Hzの関東地方で使いたい場合は、ヨーロッパ仕様の220V/50Hz機を購入し
ステップアップトランスやスライダック等で220Vに昇圧して使用すれば、
性能の差が無く使用できるということでしょうか?
2009/6/29(月) 午後 7:17 [ rio*u*de*7 ]
初めまして、rio*u*de*7さん、コメントありがとうございます。
結論から言いますと、東京で60Hzの単相誘導電動機は全く保証出来ない、というか使用できない可能性大です。
単相誘導電動機の場合は速度センサ(スイッチ)が入っており、起動完了付近でそのスイッチが入り、回路のを切り替えをやっていますが、50Hzだと回転数が5/6となり、そのスイッチが入らなくなる可能性があり、その場合回路を焼損します。
その他に、コンデンサで位相を90度進める回路を作っていますが、50Hzになると、これが90度になりません等いろいろ不都合が出てきますので、購入するならヨーロッパの230V,50Hzです。
続く
2009/6/29(月) 午後 8:54 [ toshim11 ]
1/4HP程度ですから、多分ステップアップトランスを用いる、あるいはスライダック(これもステップアップトランスの一種です)を用いても問題ないとは思いますが、一つ気にして頂きたいのが、起動電流です。起動時には、定格の5〜6倍の電流が流れます。普通は1〜2秒程度、ファン等イナーシャの大きな物は2〜4秒位この電流が流れますので、その間で電源側のブレーカがトリップすることが考えられますので、その分余裕を持ったブレーカが必要です。まあ先にも書きましたが、1/4HP位なら多分20AブレーカでもOKとは思いますが。
出来れば今は一般の家庭にも200Vは引き込んでいる(電力会社から)と思いますので、建屋の中の電気工事をするだけで200Vが使用できるはずです。ステップアップトランスを追加するより、この200Vを使用する方が、今後を含めてベターと思います。200Vにすると電流が半分に成りますので、ブレーカも安心です。
2009/6/29(月) 午後 9:04 [ toshim11 ]
とてもわかりやすい説明をありがとうございました。
昇圧機が一台あるのですが、容量的に不安ですので
アドバイスいただきました200Vの件につきまして
検討してみようと思います。
toshim11さんのブログに辿り着けて本当にLuckyでした。
ありがとうございました。
2009/6/29(月) 午後 11:14 [ rio*u*de*7 ]
rio*u*de*7さん、
ありがとうございます。
また進展がありましたら状況を教えてください。
2009/6/30(火) 午前 10:07 [ toshim11 ]