日記
2012年5月28日 宴(運動会)の後 その1老犬は運動会の徒競走が好きである。
幼い子供達が、これからの社会の荒波に挑戦するような真摯な態度が好きなのである。
スタート地点の後ろから、妻と一緒に眺める・・・
こんなときでも、老犬の人間考察の癖が頭を持ち上げる。
妻に「右から二番目の赤が勝つよ」と宣言する。
これがまた8割の確率で当たるのである。
「何で?」との妻の問いに、老犬は答える。
「短距離は、まず、肥っているのは駄目。痩せていても腰の高いのは駄目。ピッチ走法と言って足を早く回転させるものが、勝つ」
競馬の世界からの知恵だとは言わなかった。
孫の次男は、小学校2年生。食が細く、痩せぎすで背は高いほう。白組である。
スタミナの懸念があるが、体形から老犬は勝てると見た。
念のため、集合地点で声をかけた。
「1等になったら、なにか買ってやろうかな・・・」
教育上宜しからぬ言質だと、娘が老犬を睨んだ。
「優勝したら、ケルディオパック買って」と言ってスタートに向かった。
なんだそれ、と娘に聞こうと思ったが、厳しい顔をしているのでやめた。
結果は二着・・・・・・。
なんと、肘を折りたたんで振って走らないので、スピードが出るはずがない。
上体だけをみたら、まるでペンギンが走っているようだ。
これは格好の孫をからかう材料ができたと、老犬はほくそえんだ。
やがて、楽しい昼食の時間。
今日は、晴天で気温も高い。校庭の中の木陰を探す。
木漏れ日のなかに薫風に浸りながら、ピニールマットを広げて孫を待つ。
孫が帰ってくると同時に同級生の女の子がきた。
「これ、あげる」と言って孫にお菓子を渡す。
「あの子、つー(孫)のこと好きなのよ」と娘がいう。
老犬は時代を感じた。なんと女の子が積極的になったことか・・・
「でも、あの子、茶色いから嫌いなんだ」と孫はいう。
日に焼けて健康そうなのに・・・「女の子はみんな年をとったら色白になるの」と老犬の妻がいう。
いぜれにせよ、老犬の血を引いているせいか、こんな幼時から外形で好き嫌いを判断するとは、呆れるほかわない。・・・老犬は話題を変えた。
「2等だから、ケルディオなんとかというやつ、今回はお預けだな」
「じぃじぃ、それはないよ。・・・白組が優勝したらっつて、言ったじゃん」
頭は悪くない。とっさに条件を切り替えてくる。
老犬も甘いもんだ。容認してしまう。・・・
あとで、娘に聞いた。「ケルディオってなんだよ」
「よく分かんないけど、ポケモンのカードのことじゃない」
「え!去年まで遊戯王のカードだったじゃないか!」
「知らないわよ、お父さんが約束したことでしょ」
・・・そう言って、娘から突き放された。
三男はおとなしく、癒し系の美男子で、眼鏡をかけると「コナン君」のようだ。
もっとも、「コナン君」とふざけて呼ぶと「違う!」と怒られるが・・・
それに比して、この次男は感情の起伏が激しく、人の観察好きな老犬にとって格好の素材である。
・・・さらに、明日に続く・・・
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