都市商業研究所(都商研)

「都市商業研究所」は学生主体の研究機関です。「市街地活性化・都市交通などに関するコラム」と「都市別の市街地紹介」をお届けします。

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愛媛県西条市  市制:1941年4月29日、合併新発足:2004年11月1日
 【人口】112,091人(増加率:-1.1%)、外国人数793人
 【面積】154.57k㎡
 【平均年齢】47.2歳
 【事業所数】5154事業所
 【年間小売販売額】954.5億円(増加率:7.4%)
 【大型店面積合計】105,922㎡
 【主要駅など】JR伊予西条駅(西条地区)/壬生川駅(旧東予市地区)
 【主な市街地大型店】西条:マックスバリュ西条大町店、紺屋町ショッピングモール
 【主な郊外大型店】フジグラン西条、フレスポ西条、フジ玉津店、マルナカ西条/フジ東予、マルナカ東予
 【主な撤退大型店】大屋(再開発中)、ナンカイ(→トポス→マンション)、ダイエー(→フジグラン)/壬生川:東予ショッパーズ
 【主な商店街】西条:紺屋町、アオイロード、銀座街など/小松駅前/壬生川:駅前中央通、ファミリーロード三津屋本通
 【主な観光地】石鎚山、鉄道歴史パーク、うちぬき(湧水)、西条まつり(だんじり)
 【主な事業所】今治造船、ルネサス、クラレ、田窪、住友重機、住友金属鉱山、フジボウ、四国コカコーラ
(人口など:'10年国調、面積:'12年国土地理院、事業所:'12年総務省経済センサス、小売:'07年経産省商業統計、大店面積:'12年4月)


 
 西条市は愛媛県の東部に立地する工業都市である。かつては城下町として栄えたが、現在は沿岸部には多くの重工業の工場が並ぶ。住友発祥の地として知られる新居浜市とも隣接しているため、住友系の工場が多く目立つ。
 西条市の中心商店街の特徴として挙げられるのが、丁字に交差したアーケードと、商店街に湧き出る名水「うちぬき」であった。「うちぬき」は西条市各地から自噴する地下水のことであり、全国利き水大会で1位となったこともある名水である。現在も飲料水として使われるほか、西条市の工業発展の一翼を担うことにも繋がった。また、この周辺一帯で行われる秋祭り「西条まつり」のだんじりも非常に有名である。そのほか、旧東予市の中心市街地である壬生川駅周辺にも商店街がある。
 その丁字型アーケードも、西条市中心市街地活性化基本計画に基づいて大きく姿を変えつつある。中心商店街のシンボルの1つであった丁字型アーケードのうち、東西に伸びるアーケード商店街「アオイロード」(西条東町商店街)は2013年より撤去作業が始まり、西条市中心市街地活性化基本計画に基づいて東西の商店街は拡幅されて車道とするための再整備が行われ、2014年4月より車両通行が可能となった。このアオイロードの西側には西条市役所が所在する。市役所は城址と隣接しており、アオイロードは江戸時代から栄えた歴史の古い商店街であった。
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アオイロード・東町商店街の東口。アーケード撤去・拡幅作業中。
 
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アオイロード・東町商店街。アーケード撤去・拡幅作業中。市役所方面を望む。
 
 また、もともとのアーケードの交差点からくすのき通り附近においては新しい複合商業ビル、マンションの建設や、老朽化した店舗を解体して駐車場や共同店舗、公衆トイレなどの設置も実施、更に一部では既存店舗の建て替え工事や改装工事も実施されており、商店街全体でのリニューアル工事が進んでいる。総事業費は約49億円である。
 再開発によって生まれた新しい建物である「ソレイユ紺屋町」はマンションと商業施設の複合型であり、2014年に完成した。南側下層階の商業床には伊予鉄高島屋の小型店や野菜直売所、飲食店が出店するなど徐々にテナントが埋まりつつある。特に、小型店とは言え大手百貨店系列である伊予鉄高島屋の出店は歓迎を持って受け入れられたが、周辺の商業床にはまだまだ空き床と「テナント募集中」の看板が目立っている。このソレイユ紺屋町やその周辺にも「うちぬき」を活用したモニュメントなどがある。紺屋町からは東西に延びる幹線道路であるくすのき通りを挟んで銀座街、栄町、登道と商店街名を変え、JR伊予西条駅へと至る。
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紺屋町商店街、再開発によって生まれた建物がある街区。銀座街方面を望む。
 
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銀座街商店街。
 
 アーケード商店街の北端から1キロほど北側にはショッピングセンターの「フジグラン西条」(旧ダイエー)があり、南側は愛媛県内では有数の乗降客(東予地方で3番目)があるJR伊予西条駅前まで伸びている。しかし、銀座街よりも南側、特に駅附近の商店街である「登道」は非常に衰退しており、営業している店舗が少ない。
 今後も南北の「紺屋町商店街」から「登道」までのアーケードは残るものの、紺屋町商店街の核店舗であった大屋デパート、登道の核店舗であった南海デパート(のちのダイエートポス)はいずれも閉店済みである。西条市は生活面・産業面において隣接する新居浜市と非常に結びつきが強く、これらの大型店を利用していた客の多くは西条市内の郊外店だけではなく、イオンモール新居浜を始めとした新居浜市内の郊外店へと買い物に出かけることも多いという。
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登道から栄町・銀座街・紺屋町方面を望む。これより南側は駅に近いものの店舗が少ない。
 
 一方、車が通行できる駅前本通り附近には、オフィスやマンションも多く立地する。また、近年中心市街地に新たなスーパーマーケットの立地も起きているほか、駅に隣接している「鉄道歴史パーク」のリニューアルも行われた。かつては祭りの時期以外には観光客があまり来ない街であったが、観光案内などを見ると「名水」と「鉄道」を活かした中心市街地のアイデンティティ作りが進みつつあるようだ。
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JR伊予西条駅前、駅前本通り方面。
 
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JR伊予西条駅に隣接する鉄道歴史パーク。

 今後中心商店街の活性化を望むならば、駅近くのマンションに居住するファミリー層や、鉄道・バスの利用客を商店街の中心部まで引き込むことが出来るかが1つの鍵となろう。ただ衰退を見守るだけではなく、再開発の道を選んだ西条市中心部。再開発自体はまだ半ばではあるが居住人口の増加は確実であり、今後一体どのようにそれを生かした街づくりを行い、どのような未来を歩むのかが注目される。新しい街の誕生に期待したい。
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西条市紺屋町再開発計画図(紺屋町商店街公式サイトより引用)
左手前の空き地は大屋デパート跡で、こちらも今後再開発予定。
取材協力:アオイロード東町商店街の皆さん

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