都市商業研究所(都商研)

「都市商業研究所」は学生主体の研究機関です。「市街地活性化・都市交通などに関するコラム」と「都市別の市街地紹介」をお届けします。

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 「首都圏への一極集中解消」が1つの課題となっている中、 内閣府が2014年10月18日に行った「日本の将来像に関する世論調査」において、都市に住む人に地方に移住してもよいと思うかを聞いたところ、若年層(20〜40歳代)では「地方に移住してもよいと思う」「どちらかといえば思う」の合計がそれぞれ半数を超えたといいます。
 
「地方移住してもよい」20〜40代で過半数 内閣府調査 (日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDE18H0D_Y4A011C1PE8000/
 
 首都圏や大阪で毎年開催されている「ふるさと回帰フェア」では、多くの地方の自治体が移住者を求め、こぞって「自然の豊かさ」「田舎暮らしの素敵さ」「農業のやりがい」などをアピールします。
 もちろん、大都市圏よりも地方に居住したほうが自然に触れやすいのは事実です。また、農業や漁業で生計を立てることは都市部では味わうことが難しいことなのかも知れません。
 しかし、人口数万人規模の山間部の自治体であっても、人口10万人以上規模の地方都市であっても、あるいは地方の県庁所在地クラスの都市であっても、移住者の増加を目指す多くの都市が同じようなアピールしかできていないことが多いのには大きな違和感を覚えます。
 また「地方都市」の中には純農漁村地域でもなく、大都市でもないために「中途半端な移住アピール活動」しかできていない自治体もあります。
 
 実際に地方に移住してもよいと考える若者にとって大切なのは生計を立てること。しかし、誰もが「地方で暮らすならば自然の豊かな里山などで農業や漁業をして生計を立てたい」と思っているのでしょうか?
 子育て世帯にとっては保育園や学校、公園、図書館などが近くにあることも大切です。
 また、60代以上のリタイア世代が純農村部で生活するとなれば、近くにスーパーや病院がないことも多く、公共交通網も貧弱であるために一生車が手放せない生活になる可能性が高くなります。
 
 しかし、人口10万人前後クラスの一般的な地方都市であれば、多くの場合
「中心市街地に住めばある程度の都市型生活が継続できる」
「近郊の山間部や海に行けば自然も豊かで食べ物も美味しい」
「農業や漁業もできるがそれ以外にもある程度の産業がある」
「首都圏よりも物価・生活費が安い」
(物価面で言えば、競合店が少ない純農村地域よりも地方都市クラスのほうが食品や生活雑貨も安い)
などといった、生活面の好条件が揃っていることが多くあります。
 しかし、そのような「日常生活の利便性」に関する情報を積極的に出している自治体は非常に少ないのが現状です。
(その一方で「東京や大阪からのアクセス」だけを書いている資料も多くあります。そこに住むとなれば都市圏内での交通のほうが重要であるにも関わらず…)
 
イメージ 1
生活基盤がある程度揃い、自然も豊かな「地方都市」は移住者を掴むチャンス?(画像は尾道市)
 
 ある程度の規模の地方都市は、地域の特長を出しつつ、そのような「日常生活の利便性」も含めてアピールしていくことができれば、純農漁村地域でも大都市でもない「中途半端な立ち位置」ともいえる「地方都市」であるということがインターバルへと変わり、都市部からの移住者を増やす大きなチャンスとなりうるのではないでしょうか。

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