いのち

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一票の格差と言うけれど…

「一票の格差というけれど、人口で考えずに面積で考えてもいいんじゃないか」。
 
島根に来てまだ2年くらいの時のこと、ある人に言われて目が点になりました。
でも、それから数年住み、実家のある大阪と行き来する中で、彼の言っていたことに同意するようになりました。
法学部出の人間の言うことではないかもしれないけれど……。
 
法の下の平等という観点から見れば、確かに一票の重みが違うのはおかしい。
単純に考えて、極端な話、都市部の人間二人分の票と、田舎の一人分の票が同じくらいの価値というのは、
変なのだろう。
 
でも、それでも。
既に、人口の都市部集中化が進み、一方で地方の過疎化は深刻である。
そんな中、多少の格差はあっても、全体とすれば、都市部の意見が多くなり、通りやすい。
このままでは、どんどん、住みやすい都会に皆、移り、地方はどんどん衰弱していくのではないかと思う。
 
緑が多く、CO2を吸収し、保水機能を持つ山や田んぼを備え、美味しい空気や水を提供している田舎。
しかし、そこにどれほど多くの人が関心を持っていることでしょう。
田舎では、どうしても物価が高くなりがちで、公共交通機関もないため、車が不可欠な生活となり、こちらも維持費がかかる。不便が多い。
そんなことを都会の人は考えたことがあるのだろうかと。
いま、食べている食糧はだれがどんなふうにして作っているのかと。
「高い高い」というけれど、あなたの口に入るまでにどれほど手がかかっているのだろうかと。
 
そんな声や思いは、たとえ、格差が2倍であっても、多分届いていない。
自然と食糧を守っている分、発言力を強くしてもいいのでないかと、思う。
 
ただ、残念なのは、本来それをすべき地方出身の政治家の多くが、
大局的に物事を見れず、自らの利益誘導に走ったり、東京に腰を落ち着かせて、本当の田舎が見えなくなったりしていることだろうか。
自分で自分の首を絞めている。
 
かつて会った田舎の農家のおじさんの言葉が忘れられない。
「あんた大阪から来たんかね。すまんね。あんたたちに俺らは食わしてもらってるんよね」。
地方交付税や各種補助金のことである。
私は言い返した。
「そんな!誇りを持って下さい。あなたたちがコメを作り、野菜を作り、山を守ってくれているおかげで都会の人間は生きているのです。自分たちを卑下しないでください」
 
 

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