「帝銀事件の謎」松本清張
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横溝正史の「悪魔が来たりて笛を吹く」には、 冒頭に、天銀堂事件という毒殺事件が発生する。 その事件が、戦災から焼け残った古屋敷の連続殺人事件に 結び付いていく、その展開は鮮やかである。 だが実は、これには実在の事件のモデルがある。 ・・・ 1948年1月26日の午後3時から4時の間である ・・・・・と、されている。 東京都豊島区椎名町にある帝国銀行に、 東京都防疫班という白い腕章をした男が現れた。 近所の家で集団赤痢が発生したから、 今から、予防薬を飲んでもらう。 2種類の薬品を用意して、最初に自分が、 こうやって飲むと、実際に飲んでみせた。 だが、飲まされたのは青酸化合物であった。 12人が即死し、4人が重体で、 のちにこのうちの1人が亡くなった。 この事件の事前に、医学博士の偽名刺を出して、 殺人リハーサルとも思えるような未遂事件も、2件起きていた。 これが世に言う「帝銀事件」である。 ・・・・・ おそらく、ミステリファンでなくても、 昭和史に残る凶悪事件として知っている人も多い ・・・と思う。 松本清張の「日本の黒い霧」という小説に「帝銀事件の謎」 という短編がある。一度読むと、忘れられない強烈な読後感を残す。 宮部みゆきも同じような印象を抱いたらしく、 自らが責任編集した「松本清張傑作短篇コレクション」 にも、この短編を載せている。 事件自体もショッキングであるが、 この事件には、驚くべき「裏」と「奥」があったのだ。 どう考えても、「プロの手口」のこの犯行の犯人として逮捕され、 死刑判決を受けたのは、平沢貞通(ひらさわさだみち)という画家であった。 だが、歴代の法務大臣は、誰ひとりとして、 死刑執行の署名をするものがいなかった。 中でも、田中伊三次という法務大臣は、 「これは冤罪だろ。」と明言したと言われている。 松本清張によると・・・ 当初は、旧陸軍の特殊部隊関係者の中に、 容疑者がいると、かなり捜査が進んでいた。 この特殊部隊は、中国で凄惨な人体実験を行っており、 部隊の旧指導者たちは、戦争犯罪追及を逃れるために、 この「実験データ」を、貴重な軍事機密として、 こっそりと、アメリカへ提供することによって、 戦犯追及を免責にしてもらう、交換取引をした。 米占領軍GHQは、この特殊部隊の関係者へ、 捜査の手が及ばないように、捜査当局へ強力な圧力を掛けた。 「迷宮入り」では、警察に対する、風あたりが強いので、 急遽、何の罪のない画家を「スケープ・ゴート」にした。 ・・・と推理する。 その根拠として 毒物が「青酸ニトリール」という、 特殊な化学兵器であるということと、 平凡な日常生活を営む人間が、まったく突然に、 殺人事件の容疑者に、されかれない恐怖を指摘する。 ・・・・ 事件より、もう60年も経って、 「帝国銀行」も「三井住友銀行」となり、 情報化社会の中で、こんな手口の強盗殺人は、 おそらく、成り立たないけれども、 事実は小説よりも奇なりというか、 架空のミステリにはない、得体の知れない 不気味な読後感が、印象的だ。 昔、角川文庫から、清張の「小説帝銀事件」という 小説も出ていたが、絶版になったようである。 名探偵金田一耕助を生み出した、横溝正史も 実際の帝銀事件がこんなにもミステリアスだとは、 想像だに、しなかったかも知れない。 宮部みゆきと仲良しの京極夏彦に、 「邪魅の雫」という小説があって、 横溝の「悪魔が来たりて笛を吹く」のように、
帝銀事件を下地に、この小説を書いていると言われているが、 残念ながら、まだ僕は読んでいない。 面白かったという人が、居られたら読んでみたいとも思う。 |
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「悪魔が来たりて笛を吹く」〜珠玉の古典ミステリ4
[[attached(1,center)]] 小さい頃から、歌番組を観たり、 ラジオを聴いたり、音楽に親しむのは早かったが、 読書に目覚めたのは、もう少し遅かった。 小学校の国語の教科書に出てくる小説が、 当時は少しも、面白くなかったからでもある。 歌番組を録音
2007/12/13(木) 午前 2:47 [ 真夜中にようこそ! ]
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731部隊は森村誠一氏の「悪魔の飽食」で有名ですね。
731部隊にいた人たちは、その後厚生省やミドリ十字などの大手製薬会社、大学教授になったりと、平穏な人生を送ったことを考えると、平沢氏はさぞ無念だったろうと思います。
http://www5.ocn.ne.jp/~kmatsu/iryou/731butai/kitikunoshokugyou.htm
2007/12/13(木) 午前 2:03
松本清張の長編『小説帝銀事件』は、中学生時代に読んだのですが、当時の僕には全然面白くなかったです。やはりミステリは作り話が面白い、と思った記憶があります。今読んだら、また違ったのかもしれませんね。
2007/12/14(金) 午前 0:52
ukkeyさんへ。リストを見ると、「平穏な人生」というより、高級官僚の天下りさながらの、「華麗なる転身」ですね。この黒い人脈が、今も多くの被害者を苦しめる薬害エイズ、薬害肝炎とも、そう無関係でないように思われ、空恐ろしい限りです。
2007/12/18(火) 午前 0:51
iizukaさんへ。僕も学生の頃に、読んだはずなのですが、「小説帝銀事件」の方の記憶は、僕にはほんとに曖昧なのです。ぜひ、機会あれば読みたいのですけれど、こういう世の中の裏の裏を、理解するのは、やはり、大人になってからのことかも知れません。
2007/12/18(火) 午前 0:54
松本清張の国家陰謀説は誤りです。最近出版された 科学捜査論文「帝銀事件」を読めばすぐに分かります。毒物が青酸カリです。平沢冤罪説は特殊毒物アセトンシアンヒドリンで成り立っています。ただし、高校で化学をしっかり勉強していない人には理解できません。
2チャンネル 帝銀事件では、この本のことが取り上げられ絶賛されています。松本清張は推理小説は書けても、推理で実際の事件は解決できなかったのです。でも、科学捜査論文「帝銀事件」は理詰めそのものです。
2008/12/8(月) 午後 1:10 [ ana*ysi**301 ]