使う立場の考え方
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過去、幸之助さんはひとつのものにとらわれない、柔軟な考え方で仕事を進めていきました。
現象は変わっていませんが、自分の考え方を変えるだけで、心が楽になる、そんなひとつの出来事です。
終戦直後のこと、民主化の動きが広がり、松下電器にも労働組合が結成されました。
それまでは、社長であり創業者である幸之助さんの言うことは、よく聞かれて、その通りに動いてました。
しかし、労働組合が結成されると、賃上げ要求や社長の解任など、一部には過激と思われるような姿も見られました。
それには幸之助さんも、「これではたまらんな」と、まいりそうになりました。
しかし、その時に幸之助さんはフト考えました。
「自分が人を使っていると思えば、これは苦労にちがいない。
しかし、考えようによってはこの人たちは全部自分のお得意先ではないか。
お得意先であれば、これを大事にしなくてはならない。
だいたい、お得意先というものはムリを言うものである。
そのムリをムリと思わずに、『ありがとうございます』と言って、買っていただくところに商売の道がある。
だから、社員の人、労働組合の人がみなお得意先だということであれば、少々のムリは聞いていかなくてはならない。
むしろありがたいと思うぐらいでなければいけない。」
そう考えると、心がスーッとして、あまり苦労に感じられなくなりました。
そして、それからは個々にはいろいろありましたが、大きくは苦労という感じは持たずに来られました。
また、幸之助さんはこのように言います。
「人を使う場合に、基本的には”使う”という気持ちは持たない方がいいのではないかと思う。
共に働くというか、さらに一歩進んで自分が使われているのだというところまで徹する。
そういうことが必要だと思う。
そこまで徹することができれば、苦労に思うことにもならず、むしろそこに、ひとつの喜びを感じられるのではないだろうか。
地位が上がればあがるほど、多少なりともそういうものを持たなくては、やっていけないと思う。」
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