税金の悟り
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大正10年(幸之助さん26歳)、松下電器に税務署員が調査に入りました。
当時は、毎年お寺に税務署員が出張に来て、そこに個人経営の町工場や店の主人が申告し、査定を受けてます。
いつも申告通りですむので、幸之助さんも毎年ありのままに申告してました。
ところが、この年は「ずいぶんもうけているなあ。1度調査に行こう」と言われました。
幸之助さんは毎年正直に申告しているので、動じることなく調査に臨みました。
すると、税務署員は「調査をすると申告以上に利益が上がっている」と言います。
そうなると幸之助さんは心配になって、2晩ほど眠れぬままに考えていました。
いろいろと悩んでいると、ふと幸之助さんの頭によぎるものがありました。
「自分の金だと思うから、悩みも起きるのだ。」
翌日、3日目の調査のときに幸之助さんはすっきりした気持ちで言いました。
「よく考えてみると、このお金は全部国家のものです。
必要なだけ取ってください。」
すると「そこまでしなくても」ということになり、調査は簡単にすんでしまいました。
この出来事で、幸之助さんは税金に対してガラス張りで臨むという、1つの企業観を得ました。
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