筑波日記

戦没詩人竹内浩三が小さな緑の手帳に毎日書きつづった「筑波日記」はまるでブログのようだ。

雨と、太陽と、まだらにやってくる日であった。(最終回)

 7月27日  午前中、銃剣術であったけれども、さぼっていた。雨と、太陽と、まだらにやってくる日であった。班内がきわめてのんびりしている。寝台の上で、『コント横町』を読んでいた。こんなのんびりさが、うれしいほどだから、いまの生活は、かなり窮屈なものであろう。去年の今ころは、これ以上ののんびりした生活をしていた。久居で、毎日、将集の当番をしていた。毎日、本を読んで、なんにもしなかった。  十三時からの午睡も、気持ちよく寝た。午睡がすむと、ただちに銃剣術であったが、便所へにげて、寝た。くさいところで寝た。帰ってきて、班内でまた寝た。トマトが上った。うまい。玄妙な味であった。  ひぐらしが鳴いて夕方がきた。  今夜、おそく、水戸へ行った連中が帰ってきて、班内は、またうるさくなる。

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