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先日の話ですが、
手押し車をゆっくりと押しながら小さくて品の良い可愛らしいおばあちゃんが、
にこにこと会釈をしながらお店に入ってきました。
どこかで見たことがあるような気がしたら、
私の親友Kちゃんと結婚をしたM君のおばあちゃんでした。
M君の家とわが家とは地区は違いますが近所でした。
ご近所さんといってもおばあちゃんとお会いしたのは結婚式が初めてでしたが。
おばちゃんは大きな紙袋からなにやら私に差し出し、
「あんなに良い子を紹介してくれて本当にありがとうございました。
お正月にゆっくりとあの子達から結婚するきっかけを作ってくれたのは、
おきつさんのおかげだと聞いて、ちゃんとご挨拶をさせていただかないとと思いましてね。
今頃ごめんなさいね。ほんとうにありがとうございました、ありがとうございました。」
何度も何度もお礼を言いながら頭を下げられました。
4年前にM君はお母さんを亡くされたそうで、
おばあちゃんは孫の結婚がずっと心配で心配で仕方なかったそうです。
「男の子だからそういうことは何も話をしてくれないしね。
仕事も大変そうでそれも心配してたんですよ。
とにかく二人が仲良くしていてくれればもう私はそれだけで幸せです。
あんなに良い子を紹介してもらって本当にありがたいです。
うちのお父さんもKちゃんのことをすごく気に入って、
おきつさんのおかげだって喜んでいるんですよ。」
何回「おきつさんのおかげ」だとお礼を言われた事でしょう(笑)。
それにしても、M君のおばあちゃんもうとっても可愛らしくて、
私のほうが「Kちゃんの家族になった人がこんなに良い人で本当によかったなあ」と安心しました。
そんな先日の出来事もあり、
今日御来店いただいた50代後半の男性のお客様のお顔を見たら、
そのお客様が以前ドライブ途中に当店にお寄りくださり、
一緒に連れてきてくださったそのお客様のお母様のことを思い出したんです。
「よくお休みの日はああやってお母様をドライブに連れて行かれるんですか?」
という私の質問に「家にばかりいるとぼけてしまうからね」とお答えになりました。
ご自分の行くところにつき合わせて、車の助手席に乗せていたというんです。
ただ車に乗っているだけでもお母様は景色を見たりして喜んでいたそうです。
「そんな元気だったおばあちゃんが、眠るように数ヶ月前に亡くなったんだよ。
僕は父親を早く亡くして伝えられなかった事や親孝行できないままの別れだったから、
ずっと悔いが残っててね。
その点、母親にはそういう思いはないかな。
でもね・・・。」
そうおっしゃりながら涙を流されていきました。
このお客様はいつも元気に大きな声で話をされ、
「ワッ八ッハッ!」とよく笑っていかれるので、ボロボロと涙を流された今日の様子を見て、
まだまだおつらい時期だったでしょうに悪い事をお聞きしてしまった・・と深く反省をしました。
「親」や「家族」との別れって、
いくら長い時間一緒に過ごす事ができたとしても、
自分なりに親孝行ができたと思っていたとしても、
悔いの残らない人はきっといないんじゃないかなあと思いました。
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