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雫井脩介の「虚貌」を読んだ。
逆恨みによる襲撃により、一家死傷の惨劇が起こった。
両親は殺害され、長女は半身不随、その弟は大火傷を負う。
犯人一味は逮捕され、事件は収束したに見えたが、刑期を終えて出所した犯人達が次々と殺され始めた。
新たな惨劇を最期の事件として追う癌に侵された刑事がたどり着く真犯人とは?
というお話。
導入といえる前半の一家襲撃の場面からして、もうクライマックスのような迫力がある。
でも、本当に面白くなるのは中盤以降からで、一気に物語が加速しだすと着地点がわからない混沌とした展開に飲み込まれるように読んだ。
途中、存在感のある登場人物が数多く出てきて、物語は際限なく広がっていくように思える。
こんなに大人数を物語中で消化できるのか?と思ったけど、クライマックスの修羅場に向けてそれぞれの人生が見事に噛み合っていく。すげぇ。
核となるトリックが、「それをやっちゃあお終いよ」的なものなのだけど、ほとんど気にならなかった。
この小説はトリックや謎解きよりも、人間の業や鬱々とした心理を描くことを目的としていると思う。
いやぁ面白かった。正直そんなに期待していなかったけど面白かった。
ひとつ注文を付けるとしたら、最後の最後、もうちょっと盛り上がって欲しかったなぁ。
これを読み終わって、本のストックが無くなってしまった。
読んでない本が溜まっているのもいやだけど、手元に読む本がないのもなんとなく落ち着かないものだ。
また仕入れに行かねば。
もう残暑と言っていいのかどうかわからないが、暑い。むわっと暑い。
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