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株式会社本質論。

27日。

研修ゼミの内容は、いわゆる「黄金株」について。
発表者から詳細なプレゼンテーションをいただく。

黄金株が敵対的企業買収の局面で問題点となるのは今更説明を要さないと思う。

ただ、黄金株にしろライツ・プランにしろ、いつも株主所有の機関権限分配秩序の視点から考えるから話が現実と乖離する。

かつて会社法学説上、株式本質論について喧々諤々の議論が交わされていたことはあまりにも有名である。

大隅教授などは通説とされる社員権説に立って株式の権利、すなわち自益権と共益権は所有権の変形物であり、所有権の三機能たる使用・収益・処分権が対応すると説く。

一方、田中教授は社員権説を否定した。
社員権の中心となるのはあくまで自益権のみであり、共益権に当たるものは法律が保障する株主となることで与えられる権利であると説く。
これを引き継いで松田教授は株式は社団性と債権性を有し、共益権は株式の譲渡によって当然かつ原始的に構成員に対して発生する、いわば参政権的な公の権利であると説いた。

そしてこうした動きをもっとも極端なまでにおしすすめたのは八木弘教授の株式財団説である。
株式所有が分散化され所有と経営の分離が徹底されたのであるのなら、畢竟、株式権利の本質は利益や配当の請求権にとどまらざるを得ず、共益権なるものは法が与えた投資者としての権利を保護する私権であると説く。
そして、株式の同質性・均一性・多量性などに着目し、そうした株式を有する没構成的な株主の投資によって結実される株式会社たるものは、社団ではなく財団法人、とりわけ民法には認められないが「営利」財団法人であると強調する。


こうした議論が華々しく展開されたのは40年くらい前である。
それでも、現在の買収議論に大きな示唆を与える。

デイ・トレーダーが増え、投資ファンドが跋扈し、単元株式数が下がり、一株あたりの純資産額規制もなくなり、株式分割が頻繁に行われ、MSCBが乱発的に発行され、IPOでは株価が暴騰して二日目・三日目にならないと値もつかない状況を踏まえると、私は「株主を会社所有者として保護しましょう」という議論に首を傾げざるを得ない。
今日は株主でも、明日の総会の基準日にはもう株主ではなくなっていることだって意にも介さない。どこに会社の経営支配に対する責任があるのか。


結局のところ、株式会社を合名・合資会社のような経営所有の観点から捉えるか、それとも投資スキームとしての仕組みから出発して公開市場での流通というダイナミズムで捉えるか、その問題である。
議論の熟さぬまま、どっちつかずに相反するものを両方取り入れようとするからどう結論付けられても違和感が生ずる気がする。

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