レクサスとトヨタの大企業病?(2)
|
私は、この両車の失敗はトヨタの大企業病によるものだと思います。 この消えた2車は共に国内専用車でしたから、SAIも当初は国内専用車として企画されたと思います。 なぜなら、SAIの後にカムリがハイブリッド専用車として国内で販売されたからです。 しかも驚くことに、カムリの方が大きくて、立派で、しかも燃費が良くて、更に価格も安いのです! これは当然のことで、アメリカでベストセラーを誇るカムリであれば、コスト競争力は高いでしょうし、内容的にも充実したものになるのは当り前のことです。 恐らくカムリはグローバルカー、特に北米や中国市場を重視し開発されたでしょう。 はっきり言って、日本市場のことなんて、これっぽっちも考えずに開発したと思います。 で、最後の最後にカムリを日本で発売するに当たって、ハイブリット専用車にしてしまい、SAIとコンセプトが重なってしまったということです。 開発費をふんだんに使えるカムリの方が、全てに勝っているのは当然のことで、結果としてSAIは冴えない販売台数になってしまいました。 ですから、わずか2年の違いで、似たようなコンセプトの車を計画するはずもなく、またわずか2年で先行した車が色あせるような車種を出すことはあり得ないでしょう。 そもそもSAIは国内専用車として開発された車です。その一つの特徴はサイズにあります。 アコードやカムリは1800mmを超え、シビックやカローラ(海外仕様)でさえも1760mmを超えています。 当然ですが、こうして5ナンバーサイズを超えると、売れ行きががっくり落ちるのがセダンの特徴です。 国内向けのプレミアムセダンとして開発されたSAIも、当然この序列の中に入りますから、最上級車のクラウンを上回らないように、1770mmで作られています。 レクサスはその代表で、元々はクラウンの車台を使って開発されたレクサスGSは1800mmを大きく上回っており、一番小型セダンであるISがクラウンと同レベルというサイズなのです。 実際、最新版のGSは、先代比プラス20mm、先代も先々代比プラス20mmと拡大してきました。次期、ISが1800mmを超えるのは間違いないでしょう。 もし、本当にHSがトヨタのことを考えないで、レクサスだけを考えれば、サイズの考え方は当然この流れの中で考えるでしょう。 新型レクサスセダンの全長が4700mmであれば、当然車幅は1800mmを超すのが自然な流れです。が、実際にはHSは1785mmです。 それはSAIとほとんど同じ車で、ちょっと外観をお化粧しただけなので、サイズ的に自由度がないのです。 昨年12月実績で見ると、アメリカのレクサス全体のわずか1%程度!しか売れてない。 要は、今消えてもほとんど影響がないレベルだということです。この失敗は、一体だれの責任なんでしょうか? レクサス担当の人たちは、できるだけ「トヨタ臭さ」を取り除こうとしているのに、効率第一の経営陣は「どうせなら、一緒に作った方が効率的」と押し付けたのだと思います。 同じように、フォルクスワーゲン傘下にいるアウディは、元々が別会社であったためか、「フォルクスワーゲンのおいしいところだけ使う」という発想で、少なくともVWから車種構成をどうするという指示までは受けてないでしょうし、ましてやサイズの問題は全く自由にやっていると思います。 というか、アウディはあまりにもアメリカを意識しすぎのせいかわかりませんが、どの車種も車幅が大きすぎます。 今回の新型GSも、できるだけ「クラウンの派生車」と言われないように、できるだけ独立した車にしようという努力の跡が見えます。 ですが、結局はトヨタの幹部が「お、これ作ったから、レクサスでも使ってよ」なんて言うのが続くようでは、レクサスの成長はおぼつかないでしょうね。 おひざ元の日本では、SAIと兄弟車であることを丸出ししてるし、主力のアメリカでは、現地ニーズと明らかに異なるデザインで出しているのですから。 (完)
|
