映画のボツ脚本・準備稿を訳して読んでみるブログ

海外のSF映画やホラー映画のボツ脚本や準備稿をぼちぼち和訳して読んでみるブログです。

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今回からは映画「ワールド・ウォーZ」のボツ脚本を訳していきます。

私は中学生の頃に名作「ゾンビ」をTVで観て以来のゾンビ映画好きです。高校生になって以降、いわゆるスプラッター映画ブームやビデオ・バブル時代を経験し、名作から駄作まで実にさまざまなゾンビ映画を見てきました。生涯の映画ベスト3の一本に「ゾンビ」が入っているような人間です。

そういう人間ですので、世界規模でのゾンビ大発生を描いた傑作小説「ワールド・ウォーZ」の邦訳が2010年に発売された時はすぐに購入し、実に楽しく読ませていただきました。そして、この小説の映画化権をあのブラッド・ピットの制作会社が落札し(競った相手はレオナルド・ディカプリオの制作会社!)、映画化が進行中と聞いてそりゃもうワクワクしたもんです。

そして昨年、待たされ続けたその映画版「ワールド・ウォーZ」がやっと公開され、期待と興奮でパンパンになりながら観に行き…
 
 
 
 
 
 
まあなんというか、あーなるほど、あの原作をこう作っちゃったのかー…という感じでした。


久々の大作ゾンビ映画として、すっごく期待してたんですけどね…

それからこの映画についていろいろ調べるうち、2006年に原作が出版され、2007年に映画化権が落札された直後の2008年に、初期のボツ脚本の流出があったことを知りました。ただ正式に流通していて読めるという状態ではなく、あちこち探し回った結果、やっとあるサイトでそのボツ脚本のPDFファイルを見つけ、はたして初期脚本ではどんな映画になるはずだったのか知りたくて、訳してみることにしました。
いつもは訳する前の原文を読めるアドレスを掲示していますが、掲載されていたのが有料のサイトでしたのでURLは貼らないでおきます。


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このボツ脚本を書いたのはJ・マイケル・ストラジンスキー。TVシリーズ「バビロン5」や、クリント・イーストウッドの「チェンジリング」の脚本を手がけた人物です。完成した映画にも「原案」としてクレジットはされています。

ストラジンスキー版の脚本は2007年7月22日の日付があり、映画化権が落札されてすぐに書かれたもののようです。
内容は完成した映画とまったく異なります。原作同様、ゾンビ戦争を生き延びた主人公が終戦後に国連の報告書を作成するために世界中を旅して、生き残った様々な人物に話を聞いていきます。そうして「なぜこのような事態が起きたのか」「なぜ事態がここまで悪化したのか」を調べていく中で、あるスキャンダルが浮かび上がり、それを追求していく、というストーリーです。

原作を読んだ方なら「ああこのシーンは原作のあの部分だな」とピンとくる内容で、(変な言い方ですが)あの小説をきちんと原作として使って物語とテーマを盛り込んだ、ちゃんとした「映画脚本」だなあ、と感じました。単にゾンビが人を襲うだけの映画で終わらせず、ゾンビの発生と蔓延という極限状態を舞台に「人間」を描いたという点では、原作以上にジョージ・A・ロメロ的でもあります。

原作者のマックス・ブルックスもこの脚本を評価したとのことですが…完成した映画には国連職員という設定と登場人物の名前ぐらいしか痕跡が残っていません。たしかに完成した映画に比べると非常に真面目な…言い方は悪いですが「暗い」内容で、「大スターのブラッド・ピット主演で全世界に公開するホラー風味の大ヒット映画」を作りたい人たちならボツにするだろうなあ、とは思います。

「ワールド・ウォーZ」は撮影終了後に大規模な追加撮影が行われてラストが大きく改変されたり、いろいろ面白い話が多かったので、それについてもまたいつかここに書こうと思います。

文中の人名など固有名詞の発音は微妙かもしれません。
また例によって、和訳のヘタクソさと読みにくさについては平にご容赦を。


では、「ワールド・ウォーZ」ボツ脚本です。

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