『明日を担う音楽家による特別演奏会 2008』 2008.2.6 東京オペラシティ
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B「気に入ったとか言って,家に帰ってからも,
毎日CDでその曲ばかり聴いてたそうじゃない.」
A「あれは曲が気に入ったんじゃなくて演奏が気に入ったの.
『ツィガーヌ』を聴くことで瀬崎明日香の演奏を思い出してたわけ.」
B「今年もそういうお気に入りの音楽家が見つかるといいね.」
A「新たな発見ももちろんも楽しみだけど,
今年は既に与那城敬YonashiroKeiが出演するってわかってるからね, 素敵な演奏会になることは間違いないよ.」
B「噂のバリトン歌手か.彼もまた君のお気に入りの音楽家の一人だったね.」
A「オペラのハイライト上演で歌っているのを聴いてファンになったんだ.
確か去年の3月,サントリーホールで行われた『グリーンスターズコンサート』だったと思う. 演目はドニゼッティの『愛の妙薬』で,彼はベルコーレ役を演じたんだ. 他の出演者も魅力的で,全体的に質の高い演奏会ではあったけど, その中でも特に与那城敬の演技が印象に残った. だから今でも名前を覚えているわけだけど.」
B「今度聴きに行く演奏会の出演者名簿に彼の名前があった時も,
すぐにピンと来たわけだ. それにしてもこの演奏会,出演者が声楽家ばかりだね. 去年はヴァイオリンとかピアノとかフルートとか色々あったみたいだけど.」
A「演奏会をプロデュースする組織によって色合いが変わるみたい.
去年は日本オーケストラ連盟だったけど,今年は日本オペラ連盟. 一昨年も日本オペラ連盟だったけど,その時もやはり声楽家ばかりの演奏会だった.」
B「主催はいつも文化庁なのにね.」
A「委託してやってるんでしょ.
お金は出すけど,企画・運営は外部の組織に任せるのかな. それより,大事なことを言い忘れてたから話を戻すけど, さっき言った『グリーンスターズコンサート』ね, これは,ある企業がほぼ独力でやってるコンサートなんだ. オフィスマキナって言う会社なんだけど,コンサートでも, そこの代表者の女性が挨拶してた.それから司会進行も. それによると,どうやらこのコンサートは, その女性が文化活動の一環としてやっているみたいなんだ. 本人の口からは言われなかったけど,当然自腹でね. 才能ある若手の音楽家を応援するためにだよ. この会社自体は音楽とも芸術とも関係ない仕事をやってるみたいだけど, そうやって得た資金を元に,このような文化活動をするなんて, 本当に本当にすばらしいことだと思う. あのデヴィ夫人も昔そういうことをやってたらしいけど, 続かなかったんだってね. 日本の法律では,たとえ文化活動でも営利目的と見なされて税金を取られるそうだ. それで,一回やるごとに多額の負債が発生する. これでは日本で文化活動なんかできないって,デヴィ夫人は嘆いていたよ. 確か二期会通信か何かで読んだんだったと思う. そういう意味で言うと,オフィスマキナって言う会社は改めてすごいね.偉い! お金も自分で出して,企画・運営も自分でやるんだからね. 本当に音楽が好きでないと,本気で芸術を愛していないとできない仕事だね.」
B「ずいぶん熱く語るねえ.ま,語ることしか今のぼくらにはできないわけだけど.」
A「いや,そうじゃない.チケットを買ってコンサートを聴きにいくことで,
ぼくらも音楽振興に,たとえ微々たるものではあっても一役買うことができるんだ. だから,今度の演奏会にも是非行こう.」 |
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