愉悦の島旅7 小笠原母島
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明くる日は父島から母島へ移動する。 急いで朝食を済ませ、朝7時発の「ははじま丸」に乗らねばならない。 わずか2時間半で母島に着くわけで、父から母への渡し船のようなもの。 母島は父島より面積が小さいし、人口も少ない。 そんな島へも行きたいと切望したのは、娘のほうだ。 お目当ての稀少な野鳥が生息しているからという。 さて、母島の小さな港に民宿「メグロ」のおばさんが迎えに出ていた。 そこから歩いて宿へ。 父島の「はからめタウン」に及ばぬ小さな宿で、しかも食事なしの素泊まり。 でも、何はともあれこの島を探索せねば。 そこでまず、島の南端にある「南崎」という岬を目指すことにした。 そのことを宿のおばさんに告げると、クルマで送るという。 さて、おばさん運転の軽自動車に乗せてもらい、南崎を目指すが、 突端のずっと手前で車両通行禁止に。 「あとは歩くしかないね」と言われ、2人でトボトボと歩きだす。 石がごろごろしている道を行くと、やたらに汗が噴き出る。 気温はかなり高いけれど、もっと先へ進まねばならない。 顎が出るほどへばってきたし、汗みどろなので、海にザブンと。 ただし、大きな砂利がごろごろしているので、ゆっくり海水浴とは行かぬ。 再び炎暑のもと歩きだすが、どこまで行けば岬頭に着くか分からず。 結局、Uターンし、今来た道をダラダラと引き返さざるを得ず。 ほうほうの態で港近くに戻ったら自販機があり、缶ビールを買う。 そのときのビールの美味さといったらなく、干からびた体が生き返った。 さて、夕食は宿で出ないので、港近くの食堂を見て回る。 食べたいものとして島特産の海亀の刺身を頭に描いて。 やっと決めた店は「大漁寿司」で、ここなら海亀を食べられそう。 だけど、店に入って娘と相談しているうちに方針転換。 あの愛らしい亀を食べることが気の毒に思われ、 結局、普通の刺身盛り合わせを注文した。 翌朝は、早くも母島を去らねばならない。 すると、「出航までに探したい鳥が……」と娘が言いだした。 まだ見ぬメグロ(メジロに非ず)を指しているのだ。 そこでメグロを名乗る宿の裏にある小さな山に登ってみた。 山道なんてなく、木に摑まりながら頂上を目指すと、 娘が望遠鏡を振りかざしつつ、何やら叫ぶ。 お目当ての小さなメグロを発見できたのだ。 さて、目的を叶えたので、急ぎ港へ向かう。 母島発のフェリーに乗り、父島で東京行きの「おがさわら丸」に乗り換えるため。 それにどうにか間に合い、往航と同じ大型フェリーに乗れたわけで、 すぐに銅鑼の音とともに岸壁から離れていく。 ああ、小笠原には足掛け僅か4日間、もっと滞在したかったのに。 そんな想いに駆られつつデッキから感傷的に岸壁を見下ろしていたら、 見送りの人たちがたくさん出ているではないか! 群れのなかに「はからめタウン」のおばあさんの姿も見える。 手を振るぼくらの姿を認めたようだ。 島民たちの見送りはそれだけではない。 本船が沖へ向かいつつあるとき、たくさんボートや漁船が伴走してきたのだ。 汽笛などを賑やかに鳴らしながら。 これまた劇的なシーンだ。 いつかまた、この島に来ようという気にもさせる。 いささか感傷的にならざるを得なかった。 余談だが、父島からは〈はからめ〉の草を持ち帰ってきた。 葉っぱから芽が出る特殊な植物で、ぼくは東京で鉢植えし、永く楽しんだ。 もうひとつ。 先日、小笠原諸島がユネスコの世界自然遺産に選定された。 そのニュースに接し、合点がゆくとともに嬉しくなったものだ。 (画像はグーグルより抽出)
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2011/7/2(土) 午前 11:27 [ ☆女の徒然草☆ ]
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島旅人・丑さんの面目躍如たる小笠原父島母島のレポート、たっぷり愉しませていただきました。
探鳥のお嬢さんと一緒というのが、なんともいえない暖かな空気を醸していてほほえましく拝読。
ひとり旅は気楽でいいですが、やはりこころの許せる相手が一緒だと旅の楽しさが倍加しますね。
海亀を食べるかどうかああだこうだと鳩首会談の末結局食べないことにしたお二人の冷静さと優しさに敬服しました。
さすが!
2011/7/2(土) 午後 5:46 [ asa*ka* ]
ASAOXさん 「島旅人」なんて斬新な言葉ですね! 思ってもいなかった用語ですが、とても気に入りました。
この後も奄美大島、バタム島、三宅島、沖縄本島、屋久島などへ渡ったわけで、やっぱり島旅人を目指していたようです。
単身だったり、娘と一緒だったりとさまざまですが、これからも島旅を続けられるかどうかは、神のみぞ知るでしょうか。
2011/7/3(日) 午前 10:32 [ ush*u*hi*k69 ]