“SONO アクアプランツ ファーム” 水草情報局

沖縄の水草ファームから水草情報や水草図鑑をお届けします。 皆様のアクアライフのお役に立てば幸いです♪

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栽培禁止の水草〜外来生物法〜

 『SONO アクアプランツファームの水草アラカルト目次


【外来生物法】

    水草の中には、『外来生物法※1』という法律によって、販売や保有・栽培等が禁止
   されている種(特定外来生物)があります。これらは、水草として日本に輸入され、今や
   日本の自然界にはびこっている水草です。

   〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・

    多くの水草が外国由来の“外来種”です。外来種の中には、凄まじい繁殖力や生命力を
   持ち、在来の自然・生物・生物多様性を脅かす種(侵略的外来種※2と呼ぶ)がいます。

    これらの内、法律で保有・栽培等が禁止される種類を『特定外来生物』と呼びます。
   『特定外来生物』販売することはもちろんの事、採集して持ち帰り栽培する事はできません
   違反者には重い罰則が課せられます。

    なお、法規制対象ではないものの、生態系に悪影響を及ぼしうることから取り扱いに注意を
   要す生物を『要注意外来生物』に区分します。特定外来生物の候補とも言えます。

     ※1 『外来生物法』(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)
             2005年(平成17年)6月1日施行。
             特定外来生物(生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、
             又は及ぼす恐れのある外来種)の飼養、栽培、保管、運搬、輸入等を規制する。
             違反した場合には、非常に重い罰則(例:個人の場合懲役3年以下もしくは
             300万円以下の罰金 / 法人の場合1億円以下の罰金)が課せられる。

     ※2 『侵略的外来種』
             良く知られた侵略的外来種の例として、北アメリカ原産のブラックバス。
             魚食性が強く、在来種のモロコやタナゴ等を食べてしまう。
  
        環境省『外来生物法』Webページリンク
            → http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html


【栽培してはいけない水草】

       環境省『特定外来生物一覧表』Webページリンク (写真有り)

       環境省『特定外来生物同定マニュアル』Webページリンク (詳しい説明有り)

 ・ミズヒマワリ Gymnocoronis spilanthoides (キク科)
      原産地:中央、南アメリカ原産
      帰化・流通形態:水草として流通していた。
      影響:水路や河川の水流の妨げ、在来植物との競争・駆逐、等
      メモ:以前は“ジャイアントグリーンハイグロ”という名称で市販されて
          いた水草。ヒマワリのように葉が大きく、丈夫な水草。
         
 ・オオカワヂシャ Veronica anagallis-aquatica (ゴマノハグサ科)
      原産地:ヨーロッパ〜アジア北部
      帰化・流通形態:意図的な流通や移入はない。
      影響:在来希少種のカワヂシャとの競合、交雑して雑種化。
      メモ:河川や水路等に生育する。水草としての流通はないが、在来種の
          カワヂシャであれば沈水でも育つことから水槽育成可能。
          ただし、希少種であることとオオカワヂシャとの判別が難しいことから
          手出し無用。

 ・ナガエツルノゲイトウ Alternanthera philoxeroides (ヒユ科)
      原産地:南アメリカ原産
      帰化・流通形態:同属のアルテルナンテラ属には水草や園芸植物として
         流通する種や品種が多いが、本種についての実態は明らかではない。
      影響:水路や河川の水流の妨げ、在来植物との競争・駆逐、等
      メモ:アルテルナンテラ属は赤色系水草として有名。
          本種自体が水草と流通しているのを見た事はないが、近似種の
          ツルノゲイトウ Alternanthera sessilis“水草でない水草”として
          有名なレッドグラスのことである。

 ・ブラジルチドメグサ Hydrocotyle ranunculoides (セリ科)
      原産地:南アメリカ原産
      帰化・流通形態:水草のアマゾンチドメグサに混入して輸入、流通していた。
      影響:水路や河川の水流の妨げ、在来植物との競争・駆逐、
          (水面にマット状に群生し、光を遮断して水中の水草類を枯らす、
          溶存酸素減少による水生生物の生息環境のはく奪)等。
      メモ:水草のアマゾンチドメグサに良く似ている。
          アマゾンチドメグサの葉は円形で縁が裂けないのに対し、本種では
          掌状に裂けることから区別は可能である。
   
 ・オオフサモ(パロットフェザー) Myriophyllum aquaticum (アリノトウグサ科)
      原産地:南アメリカ原産
      帰化・流通形態:パロットフェザーという名前で水草として輸入、流通されていた。
      影響:水路や河川の水流の妨げ、在来植物との競争・駆逐。
      メモ:以前はパロットフェザーという育成容易なメジャーな水草であった。
         自然界に帰化した本種は、水上葉の状態で水面を覆うように繁茂する。
         私自身、過去に氷が張った池で本種が枯れずに生育する様子を見て、
         生命力の強さに驚いたことがある。        
          本属には、ミリオフィラム類として多くの美しく魅力的な水草を含む。
         (グリーンミリオフィラム、レッドミリオフィラム、オレンジミリオフィラム、
          ミリオフィラム マトグロッセンセ、ミリオフィラム プロピンキウム、他多数)
         第二のオオフサモを出さない様に切に願う。

イメージ 4
【写真】オオフサモ(パロットフェザー)


 ・ボタンウキクサ(ウオーターレタス) Pistia stratiotes (サトイモ科)
      原産地:アフリカ原産
      帰化・流通形態:浮草としてアクアリウムや園芸用に輸入、流通していた。
      影響:水路や河川の水流の妨げ、在来植物との競争・駆逐
          (水面に群生し、光の遮断による水中の水草類の駆逐や
              溶存酸素減少による水生生物の生息環境のはく奪)等
      メモ:小さな草体はアクアリウムサイズであるが、富栄養化した湖沼や水路で
          太陽光を浴びて育つと、名前のとおりレタス大に巨大化する。
          繁殖速度が速い上に走出枝が折れやすく、除去根絶が非常に困難である。
          以前、沖縄の河口近くにあるビーチにて、台風の河川増水によって本種の
          残骸が大量に堆積した状況を見たことがある。このように、本種は湖沼や
          海岸での漂着ゴミとして深刻な一面もある。

イメージ 2
【写真】ボタンウキクサ(ウォーターレタス)


 ・アゾラ クリスタータ(アメリカオオアカウキクサ) Azolla cristata (アカウキクサ科)
      原産地:南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、アフリカに分布
      帰化・流通形態:鑑賞用の浮草として流通していたが、流通量は少ない。
             「アゾラ−アイガモ農法」(Azolla属の田面被覆による雑草抑制と
              窒素肥料の節約効果を期待した農法)として利用された。
      影響:絶滅危惧種の在来種アカウキクサA. imbricata 
             オオアカウキクサA.japonica に対する競合・駆逐、遺伝的攪乱、 
             水面に群生し、光の遮断による水中の水草類の駆逐や
             溶存酸素減少による水生生物の生息環境のはく奪、等
      メモ:温暖期には緑色をした微小なヒノキの葉様の浮草で、
          気温の低下とともに赤く紅葉する特異な浮草である。
          枝分かれによる栄養繁殖も旺盛であるが、シダ植物ゆえ胞子でも増える。
          在来種との判別は、顕微鏡レベルの同定が必要で非常に困難。
          沖縄のタイモ畑等でも見られるが、外来種か在来種かは不明。
 
イメージ 1
                        【写真】Azolla 属の一種

イメージ 3
                        【写真】田んぼに広がるAzolla 属の一種


【アクアリストとして大切な事】

    アクアリストとして非常に危機感を感じる事は、特定外来生物に指定されている
   全12種類の植物の内、水辺の植物が7種と半分を占め、さらにアクアリウム用として
   流通していた種が4種(ミズヒマワリ、ブラジルチドメグサ、オオフサモ、ボタンウキクサ)も
   含まれていることです。

    外国産水草の帰化が進行した場合、最悪のシナリオとして『全ての外国産水草の育成が
   法律で禁止される、つまり“水草”という趣味自体の消滅もあり得ないことではないのです。 

    これ以上、アクアリウム起源の外来生物を増やさないために、私たちアクアリストが中心
   となり、以下の事項を守っていきましょう。

    ・特定外来生物に指定される水草を栽培しない。
    ・増えた水草や不要な水草を絶対に野外に捨てない。
    ・水草を野外の水田や池で絶対に栽培しない。
    ・庭の睡蓮鉢等で栽培を楽しむ場合には、絶対に野外に流出しない様にする。
    ・外来種が蔓延した現状を知り、自然環境・生物多様性について理解を深める。
                     ↓
    ☆“水草”という趣味を未来永劫楽しむことができますように。
    ☆ 日本固有の豊かな水辺の生態系が、いつまでも健全に続きますように。


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