検証!民主党政権〜守旧権力とのなれあいの2年8ヶ月
小沢民主党は07年の参院選に向けたマニフェストを発表、そこには、「徹底した霞が関改革」を掲げ、高級官僚の独法・公益法人への天下り根絶、利益供与の廃止、公共事業を要とし
た利権構造、既得権システムの解体などを主張して07年参院選に臨んだ。結果は予想を超える民主党の圧勝と衆参ねじれ現象を引き出した。
しかし、09年政権交代以後、これらの政策課題は実現されることはなくマニフェストの殆どは先送りされた。
その後、民主党は鳩山・小沢の金銭スキャンダルと衆参ねじれ現象に翻弄・迷走していった。
民主党政権が迷走していった原因はどこにあったのか、私たちはしっかりと検証してゆかねばならない。併せて、権力交代期において守旧権力は如何にして権力を維持せんとしていく
のかをみる必要がある。
■野党時代の民主党政策は、霞が関改革と地域主権政策を唱えていた
これはひとくちで言うならば中央システムのスリム化によって、権限と予算を地方や民間に移譲して、それによって赤字予算や肥大化した公務員を削減して国民の負担を軽減するとい
うものであった。
その象徴ともいえるのが高級官僚の独法や公益法人、大手企業への天下りであり、無駄な公共事業の存在だった。
永久政権党であった自民党は永久与党を維持するため、官僚機構や大手企業とつるみ、利権トライアングルを形成、既得権益構造、利権構造を構築してきた。(族議員政治)
民主党の、「戦後行政構造」を大改革して政治を一新するという訴えは国民的意思すなわち民意となり09年総選挙において民主圧勝=政権交代を実現させた。
■稚拙さを露呈させた小沢「政治主導」路線
政権交代前の小沢民主は行財政改革と並んて、その一方で子供手当の支給、農家戸別補償金、高速道路無料化、高校教育費無償化という4K現金バラマキともいうべき政策をも打ち出
した。
07年参院選で、4Kバラマキ政策を掲げて圧勝した小沢民主党は、その財源として、「政治主導を通じて、公務員2割削減、特別会計の廃止、政府埋蔵金の支出、政府資産の整理、天下り
法人廃止によって十分ひねり出すことが可能」と主張した。
しかし、政権を獲得後の民主党は行財政構造改革路線と相反するバラマキ焼け太り予算との矛盾に直面することになる。
小沢民主党の構造改革路線と小泉竹中の構造改革路線との大きな違いとは、行政改革によって浮いた資金を4Kバラマキ財源に充当するとしたのに対して、小泉竹中構造改革は民間企
業に投資するというものだった。
この時期、小沢はことあるごとに、
「小泉竹中規制緩和によって病んだ社会を4Kというセーフティーネットを敷いたのちに市場原理社会(自由競争・自己責任・小さな政府)( 注:小沢『日本改造計画』で述べたこと)に代
えたらよい」と。
小沢が実践したかったプログラムは多分に、⑴統治機構の改編と⑵一時的な規制強化と4K政策の実行の2つの柱をやり切ったのちに日本を市場原理社会に代えていくというものだっ
た。
小沢・鳩山民主党政権が当初目論んでいた柱に政治主導があった。これは、政務三役(小沢構想では100人規模での議員投入)のみで政策を立案することで、官僚の介入をシャットアウト
するというものだった。
この小沢民主党の「政治主導」に対して、みんなの党代表の渡辺嘉美氏は危惧し、「官僚政治を改めるには、官の人事権と予算配分を政が掌握することが必要。官は死に物狂いになっ
て人事権と予算配分権を死守する。自ら既得権を手放すことは有り得ない。政治主導を行なうためには政務三役のまわりに改革派官僚を配置して官僚主導を排除してゆかねば、真の政治
主導とはいえない」と指摘していた。
渡辺氏の指摘は正しい。しかし民主党政権による「政治主導」とは、官の人事権と予算配分権はそのままにしておいたうえでの「政治主導」でしかなかった。人事権と予算配分権、権
限を手中にしたままの官僚からしたら民主党政務三役を籠絡させることは朝飯前だった。あんのじょう、財務官僚らによって洗脳された民主党政務三役たちは官僚によってリモコン人形
にされてしまった。
民主党政権は果して、政治主導の何たるかを自覚していたのか疑問に思えてならない。まさに、「稚拙な政治主導」の表現が当てはまる民主党政権であった。
■仙石流パフォーマンスに終始した「事業仕分け」
民主党の目玉政策に「仕分け」がある。しかし、これは財務省官僚と公務員労組それに民主党政権仙石(行政刷新担当相)・枝野(仕分け主査)・野田財務副相)、勝財務次官らによる演出
であった。
傘下団体に公務員労組を抱える民主党に、公務員改革や行財政改革を実行する意志は最初からなかった。
マニフェストに書かれていた改革のプログラムはあくまでも選挙対策のスローガンでしかかったことは明らかだった。
■バラマキ4Kの検証
小沢民主党は何故相反する行財政改革とバラマキ4Kを選挙公約化したのだろうか。
政権交代前の小沢民主党からしてみれば小泉・竹中構造改革政治にたいする対立軸を打ち出すことによって国民の支持を取り付けたかったのかも知れない。
バラマキ4Kによって恩恵をうける対象者は、⑴農家戸別補償→兼業農家、子ども手当て・高校授業料無償化→都市中下層勤労者家族、高速道路無償化→国内流通業者という図式にな
る。いずれも小泉竹中構造改革の負の犠牲者である。
しかし、長い目で見れば、この民主党バラマキ4Kはあくまでも一時的な対症療法でしかないことは明らかだった。いやそればかりか赤字財政の更なる肥大化に直結することは言うま
でもない。それは、小沢マニフェストに成長戦略と将来の国家プラン、社会プランが全く描かれていなかったことは致命的欠陥であった。
■守旧派メディアと官僚、自民党はどう動いたのか。 政権交代前夜から守旧権力は謀略を練っていた
西松建設・水谷建設が与野党議員に配った違法献金。小沢陸山会の不透明な資金の流れと鳩山生前供与に関わる脱税疑惑など。これらは外国人参政権付与問題と絡んで格好の反民主党
キャンペーンの氾濫と化した。 しかし、小沢鳩山氏にまつわる疑惑は実は野党時代から浮上したが、何故か産経新聞を含めた大手メディアは政権交代確実な情勢に至るまで敢えて封じていた。隠しタマとして残していた節がしてならない。
以上、民主党政権が何故迷走していったのか私なりに簡単ながら述べてみました。民主党政権が守旧権力による調略に対して有効に対処対決できなかったことと、政策の研鑽力の弱さとしてみるべきではないでしょうか。