酒・女・歌

「ヴィターリのシャコンヌ」と「イヴォンヌ・キュルティ」の世界最強(自称)のディスコグラフィを作成しています。

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<曲名>
シャコンヌ(ヴィターリ)
 
<演奏>
エミリー・オータム(ヴァイオリン)、共演者不明(チェンバロ&チェロ&リュート)
【2007年発売(録音年不明)、Trisol Germany】
http://www.asylumemporium.com/collections/music/products/laced-unlaced
http://www.youtube.com/watch?v=XDt_Z_pqvAw (10分24秒)
 
 果たして、演奏家の人生とその演奏内容に相関関係はあるのか。この凄絶なヴィターリを弾く無名の若い女性ヴァイオリニストがどんな人物なのか、ネット上に書かれている彼女のショッキングな過去は「さもありなん」と頷くに足るものの、どこまで真実か判らない。
 
 確かなことは、エミリー・オータム(1979年生まれ)はアメリカヘヴィメタルのシンガーソングライターであり、ゴシック・ロリータ(略してゴスロリ)ファッションに身を包んで歌い、ヴァイオリンも弾く(こんな感じ→ http://www.youtube.com/watch?v=V8r9lTR3NAA)。ちなみに、ヘヴィメタルにも様々なジャンルがあって、彼女のスタイルは「インダストリアル系ゴシック」というそうです。興味ある方は自分で調べてください(逃)
 
 そんな彼女の古楽が凄い。ヘヴィメタルではなく古楽。ピリオド・スタイルを装っていますが、実際はそれを目指してもいない(たぶん)、彼女流儀の古楽。ヴィターリの楽譜はオリジナル版(前回記事参照)をベースとしていて、つまり桐山建志さんと同じですが、演奏そのものは対極。彼女の大胆な即興的装飾や音符の変更に驚くなら、それは些末なこと。冒頭からして主題提示のかすれんばかりのピツィカートに息を呑む。この主題をピツィカートで弾くとは!
 
 その後も自暴自棄で血も涙も枯れ果てた音、荒れ狂って暴力的と言いたいくらいのどぎついフレージングはピリオドとかモダンとかじゃなくてクラシック離れしている。極めつけはオリジナル版のエンディングにつづくアルペジオによる主題回想(オリジナル版にはない)。満身創痍の白鳥が最期の瞬間、息も絶え々々に呟くような…。
 
 お子様の情操教育に聴かせるにはまったく適さない、【R−15指定】の凄惨なヴィターリ。

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