企業研究を重視した株式投資

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【業界分析 No.27】アパレル業界

今回はアパレル業界を取り上げます。業界の大きな動きとして欠かせないのが、昨年7月に実施されたワールドの上場廃止(MBO=マネジメント・バイ・アウト、経営陣による買収)でしょう。敵対的買収を避ける目的が大きかったと思います。

その他の主な上場企業は、オンワード樫山(8016)、「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング(9983)、レナウン(3606)、三陽商会(8011)、サンエーインターナショナル(3605)などです。

■業績
オンワード樫山(8016)
【総合アパレル】収益は業界随一。ブランド増やし販路拡大。
【最高益更新へ】主力の婦人服ブランドが好調維持、海外子会社の新規連結で増収に。在庫管理の徹底で粗利率が改善し、子会社インパクト21の下振れを吸収。経常利益は過去最高更新。純利益も増える。
【改善】06年秋からショッピングセンター内店舗の大幅改装や商品見直しを実施、売り上げ回復を狙う。

2006/07/13 20:11
<日経>◇オンワードの3―5月期、経常益1%増
 オンワード樫山が13日発表した2006年3―5月期連結業績は、経常利益は89億円となり前年同期比1%増となった。婦人服の主力ブランドは好調だったが、子会社のインパクト21の不振などで、売上高の伸びに比べて増益率は小幅にとどまった。所有するリゾート施設の減損などを特別損失に計上し、最終損益は44億円の赤字(前年同期は42億円の黒字)となった。
 売上高は18%増の831億円となった。昨年5月に買収した英ブランド「ジョゼフ」事業の売り上げが加わったほか、今期からアジア地域の販売子会社やイタリアの製造・販売子会社などを新規に連結対象としたため増収率が大きくなった。ジョゼフと新規連結分を除くと増収率は7%増。婦人服の主力ブランド「組曲」「自由区」などが好調だった。
 営業利益は5%増の85億円だった。主力ブランドで商品の発注頻度を増やし売れ筋を追加発注できる体制を整えたため、売れ残りによる商品の評価損が減少。オンワード単体では売上高総利益率が0.3%改善した。ただ、海外が米国事業の苦戦で損益トントンにとどまったほか、「ポロ・ラルフローレン」ブランドを展開するインパクト21の婦人服の売上高が前年同期比22%減となるなど極度の不振で、連結営業利益率は1.3ポイント悪化の10.2%となった。
 減損会計の適用で、所有する国内のゴルフ場や、米グアムのリゾート施設の土地・建物などの減損損失を約150億円、特別損失として計上した。ただし、ミレニアムリテイリング株の売却益40億円を3―5月期に特別利益として計上したほか、今期中に退職給付信託資産の一部解約による特別利益約100億円を見込んでいるため、通期の業績予想は据え置いた。


ファーストリテイリング(9983)
【ユニクロ展開】05年11月から持ち株会社体制。靴や海外アパレルも展開。
【拡大】06年8月期は国内ユニクロ事業の回復が海外や子会社の不振を吸収し最終増益。07年8月期は国内ユニクロで大型店の出店加速、低価格ブランドの展開など拡大路線に転換し増収。純利益も増える。
【新ブランド】「ジーユー」はユニクロより三割安い価格帯。今期は五十店舗出店し目標売上高百億円。

2006/09/13 22:50
<日経>◇ファストリの前期、営業益25%増へ――国内ユニクロが好調
 ファーストリテイリングの2006年8月期の連結営業利益は前の期比25%増の710億円前後となったとみられる。従来予想値(702億円)を確保した。ユニクロ店舗による衣料品販売事業は海外の不振を、国内の伸びで補った。在庫削減で値下げによる損失が減り、売上高総利益率が改善した。天候などによる収益変動への抵抗力が増してきている。
 連結売上高は16%増の4450億円前後になりそう。国内ユニクロの既存店売上高は悪天候の影響などで5月末時点で計画を下回っていたが、6―8月期にクールビズ向けジャケットなど夏商品の伸びが寄与。通期では0.7%増とほぼ計画値を達成した。
 国内ユニクロ事業の営業利益は予想を上回ったもよう。商品発注精度が高まり、在庫を巡る損益が改善したのが大きい。米国など海外ユニクロ事業の不振や持ち分法適用会社の業績悪化、海外子会社株式の追加取得によるのれん代などが、期初予想に対して10億円ほどの営業減益要因となったが、国内の好調で吸収した。
 ファストリは05年8月期に、天候不順と商品在庫の増大で業績を下方修正した経緯がある。前期の場合、天候不順で月次売り上げが前年同期を下回る局面もあったが、在庫負担を軽減することで影響の広がりを食い止めた。長梅雨が逆風になるとして株価は7月下旬に年初来安値(8680円)まで売られたが、期末にかけて見直され、今月5日には1万1180円と安値から3割近く上昇した。



レナウン(3606)
【アパレル大手】レナウンとダーバンが経営統合して設立。
【経常増益】紳士服の好調と婦人服小売り子会社の新規連結で増収。婦人服は不採算売り場から撤退。リストラによる人件費の圧縮も進んで営業増益を確保。前期に計上した建物の売却益が減り最終減益。
【負債圧縮】名古屋や福岡の自社ビルなどを早期に売却する方針。売却益は有利子負債の返済に充てる。

2006/07/13 20:11
<日経>◇レナウンの3―5月期、営業益3倍の29億円
 レナウンが13日発表した2006年3―5月期の連結業績は、営業利益が29億円と前年同期に比べ3倍に増えた。クールビズの影響などで、紳士服の売れ行きが好調だった。連結子会社の増加や不採算部門の縮小も寄与した。事業所の土地や営業用器具などの減損損失13億円を計上し、純利益は4億円と52%減った。
 連結売上高は同46%増の453億円。経常利益は2.3倍の28億円だった。市場の拡大に伴い、紳士服の販売が好調に推移した。持ち分法適用会社だった婦人服を手掛けるレリアンの子会社化も寄与したほか、赤字だった小売店向け販売事業で営業所の集約など事業規模縮小を進めたことも奏功した。



三陽商会(8011)
【アパレル大手】「バーバリー」が主力。百貨店販路中心。
【回復】主力「バーバリー」の百貨店売上高が回復基調。中高年向けの不振を補い増収。新ブランドが増え粗利率は下がるが、人件費や物流費の削減が進み営業増益。厚生年金脱退による特損減り最終増益。
【中国】上海現地法人を三井物産と設立。06年12月に上海市内で直営店開設。香港や台湾でも販売開始。

2006/08/14 22:33
<日経>◇三陽商の6月中間、経常利益35%増の25億円――春物コート好調
 三陽商会の2006年6月中間期の連結経常利益は前年同期と比べて35%増の25億円前後になったもようだ。従来予想を約3億円上回る。春から初夏にかけて例年よりも低温の日が多かったため、単価が高い薄手の春物コートやジャケット類の販売が好調で、値下げも回避できた。
 売上高は4%増の630億円程度になったようだ。従来予想は1%増の615億円だった。雨天の日が多い気候の影響でシャツなど夏物衣料の売り上げは不調だったが、春物衣料の伸びで吸収した。年初の厳冬で1月に防寒衣料の売り上げも好調だった。
 これまで百貨店などで販売する中高年向け婦人服が不振だった。不採算な売り場から撤退を進め、在庫処分のための値下げ販売が減ったことも収益改善に寄与したようだ。
 06年12月期通期の連結経常利益は前期比2%増の100億円という従来予想を据え置く。今秋以降の天候次第でコートなど防寒衣料の売り上げが左右されるため。



サンエーインターナショナル(3605)
【アパレル大手】キャリア女性向け婦人服中心の製造小売業。
【増益続く】06年8月期は主力ブランドの好調で増収。在庫管理の徹底で売上高総利益率が改善し最終増益に。二十円増配。07年8月期は新ブランドの売上高が伸び増収。採算重視の出店で最終増益確保。
【出店計画】08年8月期までに約二百四十カ所に新規出店。改装も加速へ。投資総額は約九十五億円に。

2006/10/02 21:38
<日経>◇サンエーインの今期、営業益5%増へ
 アパレル大手のサンエー・インターナショナルの2007年8月期は連結営業利益が前期推定比5%増の90億円前後になる見通しだ。駅ビルやショッピングセンターなどに高水準の出店を続ける一方、店頭の従業員数や宣伝広告を抑え、経費の削減を継続する。
 売上高は5%増の1160億円前後の見込み。新規出店は100店前後になる見通し。雑貨やアクセサリーを扱う新ブランドの売上高も加わる。
 百貨店売り場を中心に同業他社との競争が激化。準主力ブランドで一部伸び悩みが見られるため、今期は商品構成の見直しなど、テコ入れが課題になりそうだ。
 三宅正彦社長は過去の決算発表で「今後は採算性を重視し増益確保を優先する」と表明しており、先行費用が収益を圧迫する新ブランド投入については慎重姿勢だ。
 06年8月期の連結営業利益は前の期比54%増の約86億円となり、会社計画は達成できたもよう。


■総括
・景気拡大を背景に、百貨店向け売上高が伸びており、各社の業績はまずまずとの印象です。

・最大手であるオンワード樫山は、百貨店向けブランドなどが好調であり、順調に利益を拡大しています。
ファーストリテイリングは、国内での新規出店効果もあり、好調です。ダイエーとの新ブランド店「ジーユー」には注目が集まります。

・レナウンは、紳士服のダーバンと06年3月に統合をしたことで、人員削減等のコストカットにより、収益力が改善しています。三陽商会は、百貨店向け販売が好調です。サンエーインターナショナルは06年8月に公募増資を実施し、事業拡大を図っています。

・業界の特徴として、個人消費動向、天候による影響を受けると思います。特に、デフレ時代が終わり、中級路線、高級路線志向になってくれば、百貨店向け売上が好調な企業ほど、好調な決算になると思われます。

・私は男性であり、婦人服の流行や販売状況についてはよく分かりません。ただ、「ユニクロ」にたまに顔を出しますが、以前より少し人が増えてきたような気がしています。そのような流行に敏感な点が業績に徐々に反映されてくることで、投資タイミングが見えてくることもあるでしょう。

・M&Aについても、今後発表される可能性のある業界です。レナウンとダーバンは統合しましたが、ファーストリテイリングはキャビン(8164)をグループ企業にしました。勝ち組が負け組の「ブランド力」を狙い、M&Aが増えていくと予想しています。



■過去の業界分析シリーズ
【業界分析 No.26】ガラス業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/41634168.html
【業界分析 No.25】製菓業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/41398827.html
【業界分析 No.24】非鉄金属業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/41015701.html
【業界分析 No.23】家電量販店業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/40537894.html
【業界分析 No.22】半導体製造装置業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/40247358.html

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