企業研究を重視した株式投資

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【業界分析 No.35】  電力・ガス業界

・久しぶりの業界分析です。今日は電力・ガス業界を取り上げます。同業界は、公共性が高く、地域毎に安定経営企業が多いのが特徴です。過去の株式市場では、「高配当利回り株」として注目されていましたが、昨今は増配企業が相次いでおり、その特徴は薄れてきています。

・同業界は、身近な企業として親しみがあり、値動きも比較的安定しており、特に投資初心者の投資対象として検討されることが多い業界です。


■業績
1.東京電力(9501)
2007/04/27 19:41
<日経>◇東電の前期、経常益3%増の4412億円
 東京電力が27日発表した2007年3月期連結決算は、経常利益が前の期比3%増の4412億円となり、過去最高となった。原油高と円安を受けた燃料費調整で販売単価が上昇。設備投資抑制による減価償却費の減少も寄与した。純利益は税負担の増加で4%減ったが、配当は10円増やし年70円とする。
 暖冬の影響で販売電力量は0.4%減ったものの、単価上昇で売上高は0.5%増を確保。高年齢者雇用制度の見直しに伴う人件費増と、原子力発電の使用済み燃料再処理費用の増加がそれぞれ500億―600億円生じた。燃料費も増加したが、減価償却費や修繕費、支払利息を減らし増益につなげた。
 08年3月期は増収経常減益を見込む。産業用需要が引き続き拡大するほか、暖冬で減少した前期の反動増で販売電力量、売上高とも2%強伸びる見通し。赤字だった光ネットワーク事業をKDDIに譲渡したことで情報通信の採算も改善する。ただ、原発の稼働率低下による燃料費増や税制改正に伴う減価償却費の増加で、経常利益は9%減りそうだ。


2.関西電力(9502)
2007/04/27 15:23
<日経>◇関西電の前期、経常益6%減・電気料金引き下げ響く
 関西電力が27日に発表した2007年3月期の連結決算は、経常利益が前の期比6%減の2316億円だった。2年連続で電気料金を引き下げたことに加え、原油高に伴う火力発電燃料費の増加が利益圧迫要因となった。総販売電力量は1472億5700万キロワット時と前の期に比べ0.1%増え、3年連続で前の期を上回った。
 売上高は1%増の2兆5963億円だった。料金引き下げによる単価減を販売電力量の増加や情報通信事業の伸びなどで補い増収を確保した。営業利益は17%減の2716億円。採算の良い原子力発電利用率は高まったが、火力発電燃料費などの増加分を吸収しきれなかった。
 純利益は8%減の1479億円だった。配当は年間60円で据え置く。
 08年3月期の総販売電力量は前期比0.6%増の1482億キロワット時を想定。連結売上高は前期比1%増の2兆6300億円、経常利益は18%減の1900億円、純利益は21%減の1170億円を見込む。年間配当は60円で変更しない。


3.その他電力
2007/05/09 18:35
<日経>◇電力10社の前期、5社が経常増益――大口需要が増加
 電力10社の2007年3月期連結決算が9日、出そろった。産業用の大口需要が伸びた東京電力など5社が経常増益を確保。半面、中部電力など5社は原子力発電所の稼働率低下や使用済み核燃料の再処理費用増加で減益となった。
 08年3月期も電力需要は堅調で、全社が販売電力量増加を見込む。東北電力など5社は、税制改正に伴う減価償却費の増加を吸収し増益を予想する。ただ、臨界事故隠しが発覚し原発の運転停止が続く北陸電力は大幅減益が避けられない。
 前期の10社合計の販売電力量は1%増えた。暖冬で暖房需要は減ったが、オール電化住宅の普及や景気拡大に伴う大口需要の増加で、合計売上高は2%増えた。同経常利益は微減だった。
 関西電力は電気料金引き下げによる利幅縮小や燃料費上昇が響き6%減益。北陸電から購入するはずだった電力を自社の火力たき増しで補ったことも約100億円の減益要因となった。中部電は浜岡原発5号機のタービン事故による逸失利益が約700億円に上り、4期ぶりの経常減益だった。
 一方、05年度に年金運用が好調だった東北電は、人件費が300億円以上減るなどして94%増益を確保した。純利益は10社合計で9%減ったが東電、東北電、北海道電力の3社は増配する。
 今期は北陸電が85%の経常減益を見込むほか、関西電や中部電も燃料費や修繕費の増加が響き減益の見通し。原油高で原発の稼働率が利益水準を左右しそうだ。


4.東京ガス(9531)
2007/04/26 19:28
<日経>◇東京ガスの前期、過去最高益で1円増配と自社株買い
 東京ガスが26日発表した2007年3月期連結決算は、純利益が1007億円とその前の期より62%増え過去最高を更新した。従来予想と比べ67億円多かった。好決算を受け、年間配当金を1円増の8円にするとともに、最大390億円を自社株取得に振り向ける。純利益の6割を配当と自社株取得に充てるという公約を果たす。
 売上高は9%増の1兆3770億円。ガス販売量は、暖冬で前年割れとなった家庭用と業務用の需要を工業用が補い1.7%増。原料費調整制度に基づく料金引き上げや販管費削減もあり営業利益は1623億円と44%増えた。
 08年3月期は顧客数が1000万件を超えると想定、売上高は3%増を見込む。ただ、退職給付債務の数理計算上の差異266億円を費用に計上するほか、税制変更に伴う減価償却費の増加が121億円生じる。純利益は28%減の730億円に減りそうだ。


5.料金改定情報
2007/04/25 23:32
<日経>◇電力・都市ガス、7月に値下げ
 電力と都市ガス各社は7月、月額料金を1%弱下げる。標準家庭の値下げ幅は東京電力など電力が10―30円、東京ガスなど都市ガスが25―30円。原燃料となる原油や液化天然ガス(LNG)などの輸入価格が1―3月に下がったため、原燃料価格の変動を料金に反映する制度に基づき値下げする。
 電力と都市ガス各社は原燃料価格の変動に応じ、3カ月ごとに料金を改定している。電力各社の下げ幅は東電が30円弱、関西電力が10円前後で、いずれも2期連続の値下げ。電力で唯一、4―6月の料金を値上げした中部電力も20円程度の値下げになる。原油とLNG、石炭の燃料の使用割合が会社によって異なるため、値下げ幅に差が生じる。
 都市ガス大手3社は三期ぶりの値下げ。東ガスが30円弱、大阪ガスが30円前後、東邦ガスが25円程度の値下げになる。




■総括
・業績ですが、電力・ガスともに料金引き下げの影響がありましたが、経費削減などもあり、増益企業もあれば減益企業もありました。不祥事もありました。一概に良かったとも悪かったともに言えない状況です。

・業界としては、非常に安定しており、業界環境が厳しくなれば、「料金値上げ」を実施することにより、収益の確保が可能です。その結果、安定配当も可能となり、年50〜60円(電力)、年5〜7円(ガス)と安定しており、経営安定度はかなり高いと思われます。

・業績を見る上では、原油価格(上昇→仕入れコスト増、下落→仕入れコスト減)、為替(円高→輸入コスト減、円安→輸入コスト高)、金利(上昇→利払いコスト増、下落→利払いコスト減)の3つを見ることが重要です。昨今の原油価格上昇、円安、金利上昇傾向にある環境は、同業界にとってはマイナス方向に向いています。ただ、景気拡大傾向が続くなか、大口(産業用)需要が増えており、収益面での底支えが期待できます。

・公共性かつ地域性が強い企業であり、M&A(企業の合併・買収)とはほぼ無縁の業界です。業界内での繋がりは強いです。

・情報開示面、株主対策面などは、決して群を抜いているとは言いがたく、今後の課題でしょう。


・株価の値動きも、最近は際立った特徴もありませんが、株価が一定水準まで上昇しており、利回りも決して高いとは言えません(東京電力で約1.7%、関西電力で約1.9%、東京ガス1.3%)ので、配当関連としては魅力が低下しています。したがって、投資タイミングとしては非常に難しい局面だと考えています。

・当面は相場全体が下落した際のディフェンシブ銘柄として考えておけばいいでしょう。また、地域応援企業として、地元の株式を保有していくのもそれはそれでよいかと思います。



■過去の業界分析シリーズ
【業界分析 No.34】電機業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/46675388.html
【業界分析 No.33】消費者金融業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/46488525.html
【業界分析 No.32】鉄道業界(東日本):http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/45664112.html
【業界分析 No.31】化粧品・トイレタリー業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/44719915.html
【業界分析 No.30】精密機器業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/44132534.html
【業界分析 No.29】百貨店業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/43010386.html
【業界分析 No.28】カード・クレジット業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/42512611.html
【業界分析 No.27】アパレル業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/42176010.html
【業界分析 No.26】ガラス業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/41634168.html
【業界分析 No.25】製菓業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/41398827.html
【業界分析 No.24】非鉄金属業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/41015701.html
【業界分析 No.23】家電量販店業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/40537894.html
【業界分析 No.22】半導体製造装置業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/40247358.html
【業界分析 No.21】アミューズメント施設業界:http://blogs.yahoo.co.jp/wasekata19/40040707.html

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東京ガスの純利益が前年度比62%と言うのはすごすぎ・・・。
あまり株の事わからないが、この分析を見ると世の中の動きも見えてくるんですね〜。ちょっと余談ですが、琵琶湖に太陽電池を敷き詰めると関西電力が要らないとお聞きしたことがあります。本当なら株価がどうなっていることか・・・。

2007/6/4(月) 午後 10:16 [ rikoasa ]

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rikoasaさん、ありがとうございます。そうですね。東京ガスの利益が増えているのだから、値下げしてほしいと思いますよね。太陽電池や燃料電池など今後はエネルギーも変わっていくと思います。日本もかつては石炭が主流でしたからね。

2007/6/5(火) 午前 7:38 [ wasekata19 ]

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先日、TVで、ヂーゼルエンジンが地球を救うとやっていたが、バイオエンジンや、ディーゼルエンジンは本当にCO2削減できるのか、ちょっと不安。素人考えで・・・。CO2を食べちゃう植物を増やした方が酸素も増えて、オゾン層破壊しなくていいのに・・。

2007/6/13(水) 午前 9:52 [ rikoasa ]

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rikoasaさん、ありがとうございます。ご指摘の通り、バイオにも一長一短があるようですね。何もしないよりはいいのかもしれませんが、全世界の人間が知恵を絞って、少しでも努力することは大事ですね。

2007/6/14(木) 午前 6:31 [ wasekata19 ]

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