無題
浅草の赤い月80
「浅草の赤い月80」
新次郎と関根の男が二人相向かいで焚き火をする。
深い山に立ちのぼった白い煙は、やがて低空で平たく流れ杉林の中に消えていく。
「関根さん、無事に帰って来てくださいね」
「頼りない返事になりますが、あの人の足手まといにだけはならないつもりです」
と、関根はあいまいに答えた。
「だが、あの人の頭の中が見えないことには手助けもできないしねえ」
そしてふと思い出したように新次郎に尋ねた。
「そこで、新次郎さんに聞きたいことがあるんですが」
「なんですか。言ってみてください知っていることは全部話ます」
「五十人の男が乗った馬車をぶんどるってー場所は、やっぱり渋川の町で」
気にかかっていたことを新次郎に聞いた。
「寒川さんの考えは渋
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