【特集】ソニーの高画質を支える『ブラビアエンジン』 徹底解説
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さて、今回はいよいよソニーの液晶テレビ『BRAVIA』の中枢処理システムである『ブラビアエンジン』を取り上げます。 今年度の新モデルから、オブジェクト型超解像技術を採用した『X-Reality』と、データベース型複数枚超解像技術を採用した『X-Reality PRO』の2つの新エンジンがブラビアに搭載されました。この2つの基礎を形作っているのが『ブラビアエンジン』であり、これまでのソニーの高画質を支えてきた映像エンジンです。 今回はこの『ブラビアエンジン』を、一般の方にも分かりやすいように徹底解説していきます。 まずは恒例の歴史的背景からです。 ソニーは2005年に今の『BRAVIA<ブラビア>』にブランド変更する前は、ブラウン管テレビや一部の液晶テレビで『WEGA』のブランド名で展開していました。このベガに搭載されていた映像エンジンが『ベガエンジン』です。 『ベガエンジン』では、入力されたデジタル信号をディスプレイ部までフルデジタルで伝送できることが特徴とされ、デジタル処理で従来ノイズの大幅な低減と鮮鋭度の高い映像を実現していました。その高画質を実現している『ベガエンジン 』の内部には様々な回路が入っています。その代表格ともいえる回路を少し見てみましょう。 ■CCP2 (コンポジット・コンポーネント・プロセッサー2) CCPは「ベガエンジン」の入力部に配置され、さまざまな映像信号を高品位なデジタル信号に変換するものです。その後進化した『CCP2』ではその変換性能がさらに向上し、デジタル信号特有のブロックノイズを低減するBNR(ブロックノイズリダクション)が採用され、さらに高度なデジタル処理と信号伝送を可能にしました。このBNRは現在のブラビアエンジンはもちろん、ソニーのブルーレイディスクレコーダーに搭載されている『CREAS』にも引き継がれています。 ■DRC-MF V1 (デジタル・リアリティー・クリエーション・マルチファンクションV1) CCPより受けたデジタル信号をソニー独自のデジタルマッピング技術により、ハイビジョン映像に迫る高密度な映像に作り変える回路です。また二軸マップ上(DRC-MFパレット)で細やかな画質調整が可能で、入力された映像を好みに合わせて手軽にコントロールすることができます。このDRC-MF V1はその後も進化を続け、『ブラビアエンジン プロ シリーズ』にその後継回路が搭載されてきました。そして今年は、さらにこの回路を進化させた『XCA(eXtreme Creation Architecuture)』を採用した『X-Reality PRO』が高画質モデルに搭載されました。 ■高画質パネルドライバー 黒つぶれや白浮きを抑え、細かな映像までリアルに再現する回路です。その後、14bit相当の信号処理性能により階調表現がさらに豊かに進化しました。この技術はソニーのブルーレイディスクレコーダーに搭載されている『CREAS』にも引き継がれています。 一方で、ソニーの液晶テレビ部門は会社の経営不振の主な原因になっていました。そこで2005年8月にソニーの経営不振の主要な原因になっていたテレビ部門の復活をこめて、新ブランド『Best Resolution Audio Visual Integrated Architecture』、つまり『BRAVIA』に変更されました。 液晶テレビのブランド変更とアナログからデジタルへの移行に合わせて、ソニーの映像エンジンも進化しました。それが『ベガエンジン』を改良して開発された『ブラビアエンジン』です。 『ブラビアエンジン』は、ベガエンジンにおける高画質化の重要な要素を占める各種映像処理技術をより最適化させたフルデジタルの高画質エンジンです。アナログ放送はもちろん、デジタルハイビジョンの魅力であるノイズが少なく精細感ある映像をさらに際立たせるとともに、コントラスト感向上による豊かな陰影の表現や液晶パネルの能力を最大限に発揮させ、色鮮やかな深みのある映像をつくり出します。特にブラウン管と液晶テレビでは解像度が大きく違うため、画面にノイズが目立ちやすくなります。それを克服する『ブラビアエンジン』は、いわゆるノイズ低減技術が進化したものなのです。 ■進化したカラープロセッサーとコントラスト 従来のカラープロセッサーの表現能力を進化させることにより、他の色に影響を与えることなく、特定の色(特に緑・青・白)をより鮮鋭に引き出すことが可能となりました。これにより抜けるような空の青さ、萌えるような木々の緑、鮮やかな空に広がる雲の白さを表現することが可能になり、より自然の美しさを引き出します。 また一つ一つの映像シーンを分析するコントラストエンハンサーが搭載され。これにより明るいシーンでは白の階調表現をアップさせて“白トビ”を抑え、立体感のある映像を実現します。また暗いシーンでは黒の階調表現をアップし“黒つぶれ”を抑え、豊かな階調表現による深みのある画質をつくり出し、奥行き感や立体感のある映像を再現します。 ■デジタルならではのノイズ除去機能『MPEGノイズリダクション』 デジタル化した液晶テレビの特長とも言える『ブロックノイズ』を除去する新機能『MPEGノイズリダクション』を搭載し、MPEG圧縮された映像の字幕やテロップ、またデジタルレコーダーなどで録画する際に圧縮された映像に発生しやすい“モスキートノイズやブロックノイズ”を低減します。これにより字幕もテロップもくっきりと見やすくなりました。 この『MPEGノイズリダクション』はその後も進化を続け、2010年には新しく『インテリジェントMPEGノイズリダクション』という名称で高画質モデルに搭載されました。 ソニー独自のフルデジタル処理により、あらゆる映像を高画質化する『ブラビアエンジン』の集大成とも言えるのが『ブラビアエンジン3』です。 『ブラビアエンジン3』では、内部のアルゴリズムを改良することで演算処理能力を向上させ、よりきめ細やかな入力信号の解析とノイズ低減が可能になりました。色の鮮やかさに加え、コントラストと鮮鋭感がさらに改善され、被写体のもつ質感や艶、奥行き感をより正確に再現します。 ■進化したカラープロセッサーとコントラスト 画面に映る色の補正を行う『ライブカラー』機能により、バックライトがもつ光の三原色(RGB)の色域内を最大限に活用することで、被写体のもつ色合いをオリジナルのアルゴリズムによって色鮮やかな魅力的な色合いで表現します。また映画や一般放送などの映像素材に合わせて4段階から色合いを選択でき、好みの魅力的な映像を実現しています。 ■周波数分離型ノイズリダクション ノイズ除去性能の向上 映像内に混在して存在するノイズ成分と動き成分を分け、ノイズ成分のみを除去することで美しい映像を映しだす『周波数分離型ノイズリダクション』を搭載しています。 動画では動き成分とノイズ成分の区別が困難になりますが、『ブラビアエンジン3』ではそれらを正確に分離し、シーンに応じてノイズ成分のみを低減します。これにより残像が発生しにくい効果的なノイズリダクションを実現しています。 これら以外にも、ダイナミックコントラストの進化が挙げられます。映像を1フレームごとに解析し、明るさの分布によってリアルタイムにコントラストを制御することで、明部から暗部まで豊かな階調表現が可能になり、被写体の質感や映像の奥行き感を正確に再現します。近年は白色LED搭載液晶テレビが増えているため、コントラストはさらに大きく向上しました。
また演算処理能力を向上させることで、今や液晶テレビの新機能として市場を賑わせている『3D映像』を実現するまでに至りました。 そして2011年――。 超解像技術という新しい魅力を備えて登場した新高画質回路『X-Reality』と『X-Reality PRO』が、ブラビアのさらなる発展を牽引します。 |









