ベイスターズ

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全52ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

アナライジング・ベースボール

汗が、滴り落ちた。
周囲からの大声援が、ここ特有のこもったような、それでいて妙に反響する音の滝にな
って、頭上からも降り注いでくる。
東京ドーム。
巨人対横浜の試合は山場を迎えていた。
1-0で横浜がリード。
マウンドにはお馴染み、ハマの番長三浦大輔が上がっていた。
三浦は9回まで、巨人打線を奪三振8、無四球、被安打1の準パーフェクトに抑え込
んでいた。
マウンド上で、三浦は大いにデータの効用を見直す気になっていた。
アナライジング・ベースボール。
データを元に確率の高い方を選択する野球である。

この春、就任した尾花監督は、試合前にかなり長いミーティングを行う。
三浦は試合前に相手のデータを分析し、配球を事細かに考えたいタイプの投手ではな
い。
が、監督の方針であり、三浦はチーム内で率先垂範しなければならない立場である。
まして、三浦はローテーションの中核投手でありながら、4年もの長きにわたり、巨人相
手に勝ち星を挙げていない、という不名誉な記録の持ち主でもある。
文句など言えるはずもなかったし、何かを変える必要も感じていた。
三浦は、巨人打線の各打者がどのように自分を捉えて来たのか、自分の配球と巨人の
各打者の対応を、一球一球分析してみたのである。

三浦の武器は正確なコントロールである。
特に外角低めへの制球力は、三浦の生命線と言っても決して過言ではない。
ところが分析の結果、その外角へのボールが意外と打ち込まれていることがわかったの
である。
どういうことなのか。
三浦は、考えた。
考えた結果、ある結論に至った。
巨人戦になると、三浦の配球は外角低めの割合が増える。
理由の一つは、やはりこのカードが行われる球場にある。
横浜スタジアム、東京ドーム。
どちらの球場も狭く、常にホームランを警戒しなくてはならない球場である。
まして相手は長打力抜群の巨人打線である。
必然的に、外角低目への配球が増える。
どうも、そこを狙い打たれているようなのである。
打者は、三浦の内角を捨てている。
外角だけを狙い打っている。
三浦はコントロールのよい投手である。
外角を要求されて、内角に投げてしまうことなど(ないわけではないが)まずない投手で
ある。
どうやら、それが仇になっている。
三浦も人間だから、外角低めギリギリを突いたつもりでも、少々甘いコースに入ってしま
うことはある。
それが、外角を待っている巨人打線の餌食になってしまっているようなのである。

では、どういう投球をするべきなのだろう。
三浦大輔は巨人打線に対して、どういう投球をするべきなのか。

巨人打線が苦戦するタイプの投手がいる。
左投手である。
左投手で、緩急をつけるタイプの投手である。
代表的なのが、元横浜の土肥だ。
土肥は、コントロールと緩急を駆使し、巨人打線を抑え込んでいた。
三浦は右投げであり、左で投げることは出来ないから、このデータは参考にならないよう
に思った。
が、どうなのか。
左では投げられないが、コントロールと緩急ということなら、三浦も負けてはいない。
三浦の持球は、直球、カットボール、シュート、フォークである。
それだけではないのだが、近年はこれらの球で相手を打ち取っている。
が、考えてみると、緩急を駆使しているとは言いがたい。
三浦にはスローカーブがある。
最近はほとんど投げていない球ではあるが、かつては三浦の代名詞であった。
今年の日本シリーズでは、本調子とはいえないダルビッシュが、スローカーブを駆使し
て、巨人打線を抑え込んだ。
昨年の日本シリーズでは大車輪の活躍をした岸が、やはりカーブを駆使して巨人打線を
翻弄した。
二人とも右投手である。
巨人は緩急をつける投手が苦手だ!!
三浦はこの推論を元に、データを見直した。

結果は、満足のいくものだった。
巨人打線は、カーブでタイミングを狂わされ、143km/hの直球に詰まらされた。
正確に言えば、9回ツーアウトまでは。
8、9番を簡単に料理した三浦だったが、打順が1番の坂本にかえったところで綻びがで
てしまった。
坂本は、初球の内角への直球を見送った後、二球目のカーブを掬い上げ、センター前に
運んだ。
続く松本には初球のカーブをセンター前に打ち返された。
打者は3番の小笠原である。

三浦は、マウンド上でしばし考えた。
これまで相手が見送ってきたスローカーブ、それをこの回には打たれた。
巨人打線は、狙いを変えてきたのではないか。
巨人打線は、三浦がカーブを投げてくることを知っている。
ここで打たれてしまっては、ここまで積み上げてきたことが全て無駄になってしまう。
カーブを狙い打たれて敗戦投手では、悔やんでも悔やみきれない。
やはり、自分らしく強気の投球でねじ伏せるしかないのではないか。
三浦は帽子を取って、汗をぬぐい、ロジンバッグに手をやった。
待てよ。
巨人打線は、俺がカーブを狙い打たれ始めていることに気づいている、と考えているの
ではないか。
ここで、俺がカーブをやめて直球を投げてしまったら、それこそ思う壺なのではないか。
直球に切り替える、と見せかけて、あえてカーブを投げれば混乱するのは相手ではない
のか。
しかし、あれほどカーブを狙い打たれている。
三浦は一つ息をついた。
そして、セットポジションから思い切って投げ込んだ。
小笠原は、内角ストライクに入ってきたボールを、打つそぶりもなく見送った。
球種は、カーブ。

三浦は、細山田からボールを受け取ると、後ろにあるスコアボードを見て、間合いを取っ
た。
カーブは、思ったとおりのところに決まったが、気になるのは小笠原の見送り方である。
全く打つそぶりが感じられなかった。
狙い球が違ったのか。
カーブを打つんじゃないのか。
何か他に意図があるのか。
三浦は様子を見ることにした。
2球目は外角低めの直球。
ギリギリのボールコースに投げ込んだ。
僅かに外れた球に小笠原のバットは出掛かったが、踏みとどまった。
ワンストライク・ワンボール。

外角直球に反応した。
やはり、直球狙いだろうか。
直球を狙っているのであれば、その誘いに乗るのは危険というものだ。
それとも外角球を狙っているのか。
外角を狙っているのなら、内角に投げればよさそうなものであるが、小笠原は内角に弱
い打者ではない。
むしろ、内角に来る球を思い切り引っ張られてしまうイメージの方が強い。
実際、データによると、小笠原はインコースの球を打ちに来る傾向が高い打者である。
うかつにインコースを攻めれば、泣きを見るのはこちらということになってしまう。
三浦は、ロジンバッグに手をやると外角一杯にフォークボールを投げた。
小笠原は強振したが、ファールとなった。
ツーストライク・ワンボール。

やはり、外角狙いだ。
三浦はマウンド上で確信した。
でなければ、あの球をわざわざ打ちに来るはずがない。
とにかく追い込んだのである。
有利なのはこちらだ。
外角を狙っているのだから、外角へボールになる変化球で打ち取ってやればいい。
データによると、小笠原は追い込まれると少々ボールの球でも振ってくる傾向がある。
が、思惑通りには行かなかった。
外角に外れるシュートは、きわどいコースだったのに、見送られてしまったからだ。
ツーストライク・ツーボール。

あれに手を出さないとは。
狙いを切り替えたのか。
三浦は再び、帽子を取って汗をぬぐった。
追い込んでいるこの状況で、外角狙いなら間違いなく、振りに来るはずなのに。
相手が狙い球を切り替えているのならば、もう少し内に、ストライク一杯の直球を投げ
込んでやる。
そう考えた三浦だったが、ロジンバッグに手を触れているうちに、迷いが出始めた。
いやいや、待てよ。
いつもそう考えてやられているのではないか。
相手はこの状況で俺が外角一杯のストレートを投げてくることを知っているはずだ。
俺がそれを打たれていることに気がついていることは知らないだろう。
ここで、相手の狙いをすっかり外した球を投げれば、勝つのは俺のはずだ。
三浦は、思い切って投げ込んだ。
内角ギリギリのスローカーブ。
球速は80km/hに達しているかどうか。
が、小笠原はトップの位置を崩すことなく、ややアウトステップ気味にその球を振りぬい
た。
やられた、と三浦は打球の方向に振り返った。
打球はぐんぐん伸びたが、ギリギリのところで右に切れた。

あっぶねぇ。
三浦はどっと冷や汗をかいた。
タイミングドンピシャじゃなかったか。
小笠原はあれを待っていた。
そうとしか考えられない。
外角のストレートを待っていてああいう打球になるはずがない。
やっぱり読まれている。
俺が外角直球を狙い打たれているのを知っていて、カーブでタイミングを外してくること
を知っているのだ。
もう、直球でいくしかない。
直球で押すしかないのであるよ。
外角低め一杯に渾身のストレート。
それしかないだろ!!
打てるもんなら、打ってみろ!!!!

あっ!!!
三浦らしくない投球だった。
三浦の投じた直球は、当人の意思と大きく異なってしまった。
力みがあったかもしれない。
バランスが崩れたのかもしれない。
内角高めに投じられてしまったそのストレートに、小笠原はぴったりタイミングを合わせ
てバットを振った。
直球待ち…だったのか。
妙にゆっくりに感じられる時間の中、三浦は敗戦を覚悟した。
が、ボールはそのまま細山田のミットに吸い込まれた。
ストライク、バッターアウト!!
球審の声が響いた…。

対巨人戦5年ぶりの白星をつかんだ三浦は、しかし、マウンド上でなんともいえない複雑
な表情を見せていた。


アナライジング・ベースボール。
データを元に確率の高い方を選択する野球である。



何が正解かは、わからない(大爆)。
本当に三浦が外角低目を狙い打たれているのかどうかも、わからない(大爆)。

↓オーダーメイドなんて無謀かしら、と考えている私に、是非ともクリックお願いします
横浜ベイスターズブログランキング
野球ブログランキング

コメント、TBもお待ちしてます。

閉じる コメント(1)

閉じる トラックバック(0)

尾花監督雑感

来春から、いよいよ尾花新体制が始まる。

時期が時期であったため、秋季キャンプにはほとんど参加出来ておらず、どのような指
揮官なのか、あまり窺い知ることはできないのだが、それでも新人監督の有り難さで、わ
ずか数日の宜野湾キャンプ視察の様子を、スポーツ新聞などで知ることができた。
通常の新人監督の場合、いきなり「熱血指導」などということを始めるケースが多いよう
に思うが、知る限りでは尾花監督の今回の視察でそういう動きは少なかったように思う。
吉見の腕の振りを直した、という記事と投手のバント処理の指導をした、という記事を読
んだくらいである(まあ、報道されないだけで、他にもいろいろやっていたのだろうが)。

それでは尾花監督は何をしていたかと言えば、データの収集だという。
投手を中心に、どのような投手で問題点は何かというような、データを集めていたらしい。
珍しいタイプと言わねばなるまい。
状態を見るため、ということで各部署を見てまわる人は少なくないが、視察の目的がデ
ータを集めるためと言った監督は、私の記憶にはない。
発言だけを見れば、まるでスコアラーの台詞ではないか。

尾花監督の掲げるテーマは、アナライジング・ベースボールだそうである。
分析野球という意味だろう。
尾花監督という人は、かなりのデータマニア(?)らしく、オフの時間の大半はデータの整
理、分析につかうらしい。
どの投手が、どの状況で、どの打者に対して、どのような配球をし、どのように抑えた
(打たれた)というような分析、投手や打者のクセなどを分析しているのであろう。
このようなことが、新聞の記事になるところをみると、横浜ベイスターズというチームは、
やはりまともにデータ分析などしていなかった、と考えるべきだろう。
何度も同じ投手、打者と対戦するプロ野球では、こうしたデータに非常な意味があること
は、素人にだってわかる。
無論これまでの監督、コーチ、選手にだってわかっていたはずだ。
が、それを上手く活用出来ていたとは言い難い。
だから同じ投手に何度もやられ、同じ打者に何度も痛い目にあわされているのである。
しかし、どうやら尾花監督は分析したデータの活用法を知っている。
だから、これまで結果を残して来られたのだろうし、結果を出してきたことでその手法に
自信を深めてもいるだろう。
私には、歴代の監督でこれほど明確で、効果がありそうな方針を打ち出した人の記憶が
ない。
大いに期待したいところではないか。

ところで、尾花監督が攻撃面に関して打ち出した方針が、新聞に出ていた。
内川、村田の前にランナーを溜めて点をとる、という方針である。
いや、当たり前なんですけど、と言いたいところだが、そうではないのである。ここ数年、
1、2番打者が見事なほど機能しておらず、主軸の前に出塁することが極めて少なかった
ことは、リーグ一少なかった得点に現れている。
何故そうだったかといえば、これは、首脳陣の方針によるものだと思われる。
なにしろ攻撃に関して、積極的に、以外の方針はあったのだろうか。
見逃し三振は最大の悪であり、今季後半に至っては、初球に手を出して凡打の方がよ
いとされていた。
その結果かどうか、1、2番も、7番打者のような打撃をし、出塁率は極めて低かった。
石川も藤田も山崎も仁志も森笠も、みんな出塁率は3割以下である。
1番打者で出塁率3割を超えていたのは、金城くらいである。
打率ではない、出塁率だ。
これでは点にならないのは当たり前である。
打って返すべき人の前に打者がいなければ、点など入るはずがない。
誰から見ても文句のつけようのない打率を伴っていない限り、四球を含めた出塁率を向
上させる必要があるのだ。
記事では、中日の四球数が引き合いに出されていたが、あのねちっこさこそ、見習うべ
きだ。
故に、四球数を増やせ、という方針は極めて蓋然性が高い方針であり、諸手を挙げて賛
成したい。
但し、四球が増える裏には、三振も増える、というリスクがある。
本当は四球を増やせ、三振はするな、というのが望ましいのだが、データを見る限り四
球が多いチームは三振も多い、というケースが多い。
しかし、その結果は出塁率の増加と得点の増加に繋がるのである。
何でも振って三振では話にならないが(今季はそうだった)、見極めた結果の三振を恐
れるべきではない。
意図のある三振にはある程度目をつぶるべきなのである。

さて、尾花監督になって不安を感じる部分は何か。
それは、攻撃面における采配である。
そのことは、別の形でこのブログに書いた(そして、それを理由に「俺」は彼を監督に選
ばなかった)。
確かに攻撃面の戦術指揮をとったことがないのだから、不安がある。
しかし、こう考えることもできる。
投手なのだから、投手の目線で、投手の嫌がることをやればいい。
投手がされたら嫌なこととは何か。
まずは粘られることだろう。
なかなかアウトになってくれない打者ほど嫌な相手はいない。
少なくとも私にとっては(笑)。
しかし、かの大魔神も同じ趣旨の発言をしていた記憶がある。
佐々木は私と違って、コントロールの良い投手だったが、きわどい所を見送られ、決めに
いったフォークをカットされ、結果三振を取れたとしても、最悪の気分だったそうだ。
ましてコントロールの良くない投手ならなおのことである。
立ち上がり、初回の先頭打者でない限り、初球をいきなりヒットされる方が気分としては
楽である。
先程の話と重なる部分はあるが、四球の効用はこういうところにも現れる。

投手がされて嫌なことと言えば、ウイニングショットを見切られることも上げられるだろう。
ストライクからボールになるような決め球をあっさりと見送られる。
或いは狙い澄ましたように打たれる。
これはダメージが大きいはずである。
投手としては、疑心暗鬼にならざるを得ない。
思うようなキレが出ていないのではないか、クセを盗まれているのではないか…。
これを可能にするためには、配球を読み、狙い球を絞るしかない。
これは、いつでも効果があるやり方ではない。
相手が点をやりたくない、と考えるシーンほど有効だろう。
相手に余裕があるシーンならば、極端に言えば直球3つで見逃し三振、などという大胆
な配球もできる。
打者から見れば裏をかかれる可能性は高いということだ。
しかし、チャンス時(つまり相手バッテリーから見たら、ピンチ時)であればあるほど、バッ
テリーは慎重になるはずであり、大胆な配球がしにくくなる。
1点を争う場面で得点圏にランナーを背負って、直球3つで三振を狙いにくるバッテリー
は、まずないだろう。
打者への責め方もパターン化してくるはずである。
そういうシーンでのデータを分析すれば、特定のカウントでの狙い球は絞り易いはずで
ある。
もし、それで裏をかかれたら、それは相手バッテリーの勝利であり、仕方のないことであ
ると割り切るしかない。
何より何も考えずに打席に立つよりはるかに良いし、投手の立場から見れば、振りに来
てくれるはずの球を平然と見送られたり、狙い澄ましたように打たれるのは、非常に嫌で
あることは間違いない。

投手にとって嫌なことは、他にもある。
マウンド上で嫌なのは一塁ランナーにウロチョロされることである。
投手は、牽制を入れたり、クイックで投げたり、ウエストしたり、打者以外のことに気を使
わなくてはいけなくなる。
思うに、ちょっと牽制しておけばまず走って来ない、かと思えば状況も考えずに初球から
スタートを切るような横浜ベイスターズというチームの、相手バッテリーは、かなり楽では
ないかと思う。

スタートするのか、しないのか、ここで走るか、次の球か、とじらされる方が、投手にとっ
てははるかに嫌な状況である。
福地や赤星が一塁にいる状況はまさにこれで、マウンドにいないのに見ているこちらま
でジリジリしてしまう(笑)。
で、じらされた挙句、打者に向かったところを走られてしまうのだから、始末に負えない。
盗塁という攻撃法の、目的の半分以上は、相手投手への嫌がらせにあるのではないか
と思う。
結果、必ずしも走らなくてもいいのである。
相手が「バッター集中」と切り替えたときに走ればいい。
それをやるべきだ。
幸い、盗塁の名手だった島田誠が、ヘッドコーチになるのである。
大いに学ぶべきだし、当面一塁ランナーコーチを彼にして、スタートの指示を出させても
よいのではないかと思う。

いろいろ、思いつくままに書いてしまったが、今までと違い、フロントもかなり動いている。
であれば、後は現場指揮官の尾花監督に期待するしかないのである。

厳しくやってください。
競争させまくってください。
頭を使ってください。
勝ってください。

とにかく、頼みます。




那須野も、加藤先生までも、いなくなってしまいました。
ほんとに、誰のにしようかな、応援ユニ。
…斎藤隆にするか(大爆)。


↓そろそろ本領を発揮したいと考えている私に、是非ともクリックお願いします
横浜ベイスターズブログランキング
野球ブログランキング

コメント、TBもお待ちしてます。

閉じる コメント(6)

閉じる トラックバック(0)

Change!!――5「二軍改革」

監督は決まった。
後は背番号やら、入団会見やらだが、それは加納社長にまかせる事にした。
あの人の事だから、ハマの御老公とかなんとか、うまいキャッチフレーズを考えるだろう。

さて、俺はチームを変革する作業を続けなくてはいけない。
横浜ベイズは明るさが一つの売りになっているチームである。
それはいい。
しかし、全体的に厳しさがない組織でもある。
特に二軍の横須賀シーガルス。
シーガルスは育成組織であり、ここにいる限りまだプロとは言えないのである。
なのに、厳しさが伝わってこない。
能村監督の著書には、「気力、体力はプロである以上持っていて当然、その上で知力を
駆使して勝利する」というような記述があったが、その、持っていて当然のものをここの
連中は持っていないように思えた。
ショックが必要だ。

俺は、二軍監督に返り咲く予定の田城を呼び出し、通達した。
「今後、横浜ベイズは、出塁率の低い打者とは契約を更新しません。チーム優先の打撃
ができない選手とも、契約を更新しません。また、四球を連発するような投手、同じ失敗
を繰り返す投手とも契約を更新しません。懸命に勝ちを目指し、練習時にもその姿勢を
崩さない選手以外は、どのような成績をあげようと一軍では使いません。この一年間で
改善がなされなければ、あなたとも契約を更新できなくなります」
俺は一気にしゃべった後、コップの水を飲み干した。
「そ、それは随分と厳しいお話ですね」田城は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
それはそうだろう。
一気にこれだけのことをしゃべった俺だって、びっくりしている。
だが、これは必要最低限のことであり、ここに妥協の余地は無いのである。
素人ながら、さまざまな数字を検討した結果、どのような選手にも出来る、最大のチーム
貢献方法は、アウトにならないことなのである。
ノーアウト、或いはワンアウト1塁、というような場面、最低限必要なのはランナーを進め
ることである。
ここで、右方向の当たり、或いはバントでランナーを進めることも、チームへの貢献であ
る。
が、アウトにならずに走者をためることが出来れば、それが良いに決まっている。
ツーアウト2塁より、ワンアウト1塁2塁のほうが明らかにチャンスである。
相手もプロだから、ただ立っているだけでは四球にはなりにくいだろう。
ツーストライクまでは、ひたすら自分の打てる球を待つ。
追い込まれたら、苦手なコースの球をカットし続け、相手が根負けするのを待つ。
データを取れば、自分が何にやられているかはわかるはずである。
苦手を無理に克服する必要はない。
ストライクに来る苦手な球は、バットに当て、カットする練習をすればいい。
カットしている間に得意なコースのボールが来たら、打てばいいし、来なければ四球に
なるまで粘るべきである。
どのコースでもヒットに出来る技術があるならばそれでいい。
しかし、大抵の打者には苦手なコースがあり、相手もそれを知っている。
だから、追い込まれたらそこを攻められる。
が、相手も人間である以上、何球も続けて正確にそこにボールを投げることはできない。
ストライクゾーンを外れることもあるだろう。
外れる球は見送って、判断がつかない球はカットする。
それで、最悪三振に倒れたとしても、相当球数を投げさせることは出来るはずである。
一人10球粘れば、1イニング30球投げさせられる。
相手だっていやになるだろうし、疲れもする。
投手が四球を投げることは禁忌とされているのに、相手に四球を投げさせることが奨励
されないのは、どういうわけだろうか。
ヒットを打つばかりが貢献ではないはずだ。

「難しい話はしていないと思います。どんな時にも次に繋ぐ意志を持ち、チームの為の打
撃をする、一生懸命な選手としか申し上げていません。打者に向かって行く姿勢を持っ
た、逃げない、冷静な投手も然りです。当たり前のことができる選手、と言うだけの話で
す。打者にもタイプがあるでしょうから、出塁率はどのように上げていただいても結構で
す。積極的な打撃も、強い打球も、それだけでは、評価しません。出塁率を伴って下さ
い。四球でもヒットでもホームランでも構わないのです。投手もどのようにアウトを取るか
は問いません。やり方はお任せ致しますが、それができない選手とは何年目の選手であろ
うと、一軍はおろか契約もしない、ということだけは念頭に置いて下さい。高卒ルーキー
でも、育成枠でも、最低限それだけは身につけていただきます」
「しかし、プロ選手として生き残るためには、強い打球が打てなくては」
プロの打撃コーチならば、そう考えるはずである。
打者だってそう考えるはずだ。
見ているこちらだってそう思う。
いつでもそれが打てるならば、こちらもそんなことは言いはしない。
「生き残るため、なのです。もちろん、パワーはあるに越したことはありませんし、全員が
長打を狙えるならば、得点効率を考えても素晴らしいと思います。しかし、どんなチーム
でも村多や内河のような選手ばかりではないですよ。強い打球を打とうとするのは、ある意
味当たり前です。でも、その結果、ボールの見極めが出来なかったり、打たされてゲッツー
を食らったりするのでは本末転倒です。打つのは非力でも、足が速ければバントでも、ボテ
ボテでも出塁できます。選球眼がよければ、ファールで粘って四球だって選べるでしょう。
ファールで粘れないなら、バッティング練習の時間はその練習をすればいい。粘って四球なら
相手投手の球数だって増やせます。初球を打って出塁より、チームに対する貢献度は高いと
思いますが」
「………」
「強い打球を打つな、とは言いません。強い打球を打てなくとも、やりようはある、と言っ
ているのです。投手もそうです。逃げて四球や置きに行って痛打なんて言うのは、投手と
して問題外ですが、向こう意気の強さの現れは、何も全力のストレート勝負だけじゃあり
ません。スローカーブで討ち取ったっていい。直球で勝負できなけば、投手なんかできな
いでしょうが、と言って直球ばかりで勝負できる投手なんて、プロ全体を見渡してもいま
せんからね」
「なるほど。で、それができないと、契約がない…」
「それができる方に代わっていただきます。選手も、コーチも、監督も」
「上の方はどうなるんですか?」
「上も変わっていくと思いますよ。能村監督はそういう方ですし、何より、シーガルスから
そういう選手がどんどん上がって行けば、いやでも変わるでしょう。変えていくのです」
俺はそう言って、タバコに火を点けた。
GM室は禁煙なのだが、かまってはいられない。
「今後、シーガルスにも専属のスコアラーを2名つけます。彼等はシーガルスの各選手
について詳細なデータを記録します。このデータを活用して、選手ごとに何が必要で、何
が足りないかを分析して、指導に役立てて下さい。同時に、このデータは、選手を一軍に
上げるかどうかの指標にもします」
「データ、ですか…」田城は呆然としていた。
が、俺はもう現場の勘のようなものにだけ頼ったりはしない、と決めていた。
「もう一つお願いしておきます。ファンはスポーツ選手に、きびきびとした動きを求めます。
どんな当たりでも、一塁までは全力疾走。攻守交代も速やかに。観客があろうとなかろう
と、これを徹底して下さい。これはベイズに昇格しても、です」
「そうですな」
「田城さんは職掌柄、戦力外通告を受ける選手をたくさん見てきていると思います。その
時に、ああ、もっとやっておけば良かった、と涙に暮れても遅いのです。それを選手達に
伝えてやって下さい」

次の週、俺は秋季練習が行われている、横須賀のベイズ球場をのぞきにいった。
田城がどうやったかは知らないが、選手達の練習への取り組みや、表情が明らかに変わって
いたのを見て、俺は満足した。
何が出来れば一軍に上がれるのか、俺はこれ以上ない形で明示したつもりである。
明確な目標は、きっと活力を生むはずである。

プロ入りは、決してゴールではない。
予選に勝ち残ったに過ぎないのである。
横浜ベイズとすれば、レギュラーメンバーになり、横浜ベイズの優勝に貢献してくれる選
手でなければ、獲得の意味がない。
プロ入りで満足している選手など、どうせ使い物にはならないのである。
常に競争させ、常に危機感を煽る。
そして、だんだん一軍の選手と入れ替えていく。
競争原理はチーム優先のプレーである。
自分勝手なプレーなど許さないし、例えそれでタイトルを獲得しようとも、一切評価しない。
それができない選手は横浜ベイズには必要がないし、そういう選手の中で対外評価の
高い選手があれば、トレード要員にしてしまう。

なにしろ、投手の補強は喫緊の課題なのである。
優秀な投手を獲得するためには、当然出血も伴うのである。
力や才能があっても、それが横浜ベイズの役に立たなければ、意味がない。
意識の低い選手から、切って行かなければならない。

ファンが望んでいるのは、まず、チームの勝利なのだから。




この話はフィクションです。
登場人物、団体名、その他一切は、架空であり、基本的にヨタ話なので、真に受けない
でください。
禁煙論者の抗議も受け付けません(笑)。


あれだけ熱烈に応援しておきながら、思うことがあります。
那須野は、プロ意識が低い選手なのではないかと。
あふれる才能がありながら、それを生かす才能がなかったように思います。
古木もそうです。
思いっきり見返されるかもしれませんが。



↓投手用グローブを買うべきか否か、揺れに揺れている私に、是非ともクリックお願いします
横浜ベイスターズブログランキング
野球ブログランキング

コメント、TBもお待ちしてます。
マジで。

閉じる コメント(3)

閉じる トラックバック(0)

Change!!――4「監督決定」

理論派でありながら、武闘派。
我の強い投手気質。
共に実績を残した投手。
雄花氏と丑島氏には共通点が多い。

丑島氏と違い、雄花氏には多年にわたるコーチ経験がある。
が、攻撃面における指揮を執った経験はない。
雄花氏に攻撃采配面における能力を期待するのは間違いだろう。
雄花氏が投手の指導や起用という専門に専念し、自分の専門外である攻撃面は、ヘッ
ドコーチに任せるだけの度量を持っていればよいが、丑島氏のように全ての権限を抱え
込み、といって特に有効な策を打つわけでもない、というタイプであったら大変である。
丑島氏が監督だった時期は、まだそれでもよかった。
横浜ベイズはリーグ屈指のチーム打率があり、効率はともかく無策でも点が取れていた
からである。
しかし、同じことを今の、チーム打率最下位、出塁率最下位、得点力最下位のチームで
やられては大変なのだ。
防御率が1点くらい向上してもどうにもなるまい。
雄花氏には、投手コーチに専念してもらわなくてはならない。

ここで考えなくてはならないのが、本当に投手コーチ次第で投手能力は向上するのだろ
うか、という基本テーゼである。
確かに優秀な投手陣を抱えるチームの投手コーチは、その手腕が取り沙汰される。
が、そのコーチは本当に駄目な投手陣を抱えるチームで投手コーチに就任して、投手力
を引き上げることができるのだろうか。
俺にはそうは思えなかった。
継投のタイミングを誤らないとか、投手の調子を見抜くとか、そういう面において投手コ
ーチの手腕は問われるだろう。
しかし、名投手コーチが投手力そのものを大幅に引き上げるということが可能ならば、名
古屋Tレックスで名投手コーチとして名を馳せている森繁和彦コーチは、何故ベイズで
は結果を出せなかったのか。
その後、名古屋Tレックスの投手コーチに就任した森繁氏は、優秀な投手陣を率いて名
伯楽の名をほしいままにしている。
単に選手に恵まれているだけではないのか。

そう考えると、投手陣立て直しを期待して監督を決める、という発想はそれそのものが間
違っている、ということになる。
投手陣を立て直すのは、監督やコーチではない。
編成であり、つまり俺の仕事だ。
監督の仕事は戦力の運用、判断、決断なのである。
ならば、監督はそれに長けた人物にすべきなのである。
俺は雄花氏を監督候補にした際に、心中ひそかに能村氏の名前の上に斜線を引いて
いたが、慌ててその斜線を消した。
監督に据えるべきなのは、能村氏である。
俺は能村氏の著書をしこたま買い漁り、全て読破することからはじめたのである。

俺は連絡をとり、能村氏と都内のホテルで会食することにした。
挨拶を済ませた俺は、切り出した。
「ご存知の通り、横浜ベイズは弱いチームです。仙台にいらっしゃった能村さんは、交流
戦くらいでしかご覧になっておられないでしょうが、それでも伺いたいのです。横浜ベイ
ズは強くならないでしょうか?タイタンズやレパーズのように費用をかけなければ、彼等
に太刀打ち出来ないのでしょうか?」
「私に聞かれるからには、通り一辺な解答は期待されておられない、と思います。ですか
ら、はっきりと申し上げますが、今のままではおたくのチームは強くならんでしょうな。費
用のことを仰られましたから、そこからお話を申し上げますが、現代の野球ではある程
度金をかけなければ、強いチームは作れません。監督ばかり取り替えておられるようですが、
それではチームは強くなりませんよ」
「では、やはりお金をかけなければ誰が監督でも同じでしょうか」
「ははは、それでは私の半生を否定されているようですな。ある程度の費用は必要です
が、それよりも、編成に問題があるのではないでしょうか?横浜ベイズはどういうビジョン
を持って、戦力を整えているのでしょうか?」
能村氏にそう言われたが、俺は腹が立たなかった。
その通りだからだ。
「仰る通りです。投手中心に獲得していますが、効果をあげているとは申せません。何に
問題があるのでしょうか?」
「投手獲得の基準でしょう。何を基準に獲得されているのか?」
「………」
「基準にするべきなのは、その投手が即戦力なのか、どうかと言うことです。そういう投
手を揃えなければ、改善はないでしょう」
その通りだ、と俺は思ったから黙っていた。
「せっかく費用をかけて投手を獲得しても、その投手が即戦力、ということを主眼にして
いないから、どの投手も出てこられないのではないですか?」
「なるほど、お話の通りだと思います。しかし、そういう投手たちも、プロのスカウトの目に
留まるほどの選手です。一人としてまともな戦力にならない、というのは編成以外にも問
題があるのではないでしょうか」俺は一応切り返してみた。
「現場にも問題がないとは言えないでしょうな。でも、真に問題があるのは、やはり、あ
なた方、編成、フロントではないかと思います」
俺は、返す言葉がなかった。
フロント、編成がチームの命運を決めるというのである。
が、そういわれても尚、俺は聞きたかった。
編成でチームを変えるのには時間がかかる。
「もし、能村さんが横浜ベイズの監督だったら、チームをどのように率いますか?失礼な
がら、私は能村さんの著書を読ませていただいております。編成が出来うる限りの努力
をするとして、3年で横浜ベイズを優勝させることができるとお考えですか?」
「私は仙台ゴールデンバッツというチームを4年間率いておりました。交流戦で横浜ベイ
ズと対戦しながら、こちらのベンチから眺めていて、自分のチームと比べて、うらやまし
いほど戦力があるチームだと思っておりましたよ」
「それではなぜベイズは勝てないのでしょう。なぜ圧倒的最下位になってしまうのでしょう
か」
「それは、ベイズの選手が自分の才能だけで勝負しようとするからでしょう。作戦も、打
席での心構えも、配球も全て、才能だけでやっている。余程に突出した選手でない限り、
限界はありますし、勝つことは難しいでしょう。失礼ながら横浜ベイズには頭を使って野
球をしている選手が見当たらない。だから素質はあっても勝負に勝つことが出来ない。さ
らにはチーム中心に物事を考えている選手も、あまりいるとは考えられません。だから
勝てないのです。私がベイズを率いるとしたら、そういうところから始めていきます。私
が預かった当初の仙台よりはるかに戦力はありますし、中心たるべき選手もいそうです。3
年である程度の結果は出せるだろうと思いますよ」

その日の会食はそれで終わった。
俺は、能村氏の言葉を考え続け、やはり横浜ベイズには能村氏が監督として適任者で
あると思わざるを得なかった。
能村氏の野球を他人にやらせる、ということも考えたのだが、それほどフロントに忠実、
かつ選手に影響力を及ぼせる人材が思い当たらない。
チームフロント内には雄花氏を監督に、という声が多かったのだが、優秀な投手コーチ
だからといって投手力を引き上げることが出来るかどうかはわからないし、それが出来
なかった場合、雄花氏を監督に据える意味がない。
投打にわたってチームを変えてくれそうなのは、やはり能村氏ではないのか。
俺は、加納社長に直接話をし、能村監督招聘に動くことにした。

俺が、再び能村氏と会ったのは、あの日から3日後のことである。
「先日はお話を伺いましたが、本日はお願いに参りました」
俺は一旦、ここで言葉を切った。
そして、能村氏の目を見ながら、言葉を継いだ。
「あなたに、わが横浜ベイズの監督を引き受けていただきたい。正直なところわがチーム
は現状それほど資金がありません。年俸はまず8500万円ということになるかと思います
が、それでもお引き受けいただけましょうか?」
「もうこういう歳ですし、お金のことはある程度いいのです。ですが、私が監督を引き受け
させていただいてもすぐに結果は出ませんよ」
「出来れば、初年度から結果を出していただきたいのですが、しかし、万年最下位のこ
のチームがそう簡単に結果を出せるとは私も考えておりません。編成としても最大限の
努力をさせていただき、その上でまずは3年で結果を出してくだされば結構です」
「すると、3年契約というわけですか」
「いいえ、3年はあくまで最初の目安です。年俸については大きなことが申し上げられな
いのですが、期間については私としましては、能村監督がもういい、と仰るまでは続けて
いただきたい、と思います」
能村氏の目が光った。
俺は、自分の言葉が予想通りの効果を上げたことを確認した。
この人はずっと、現場にいたい人なのである。
だから、この条件に食いつかないはずはない、と俺にはわかっていた。
口うるさいが、手腕のあるこの爺さんの毒舌を封じるにはこの言葉しかない、とも。
「私が、GMでいられる間は、と付け足させていただきます」と俺は言った。
3年で結果を出し、その後常にCSまでは確実に出場できる、優勝も夢ではない、という強豪
チームに成長できれば、まず、GMとしての俺の地位も安泰だろう。
俺が安泰であるうちは、能村氏に監督を続けてもらうことは確約できる。
そう俺は能村氏に伝えた。
「ですから、能村さんには最低限、3年間は監督を続けていただきます」
「願ってもないお話です。ご迷惑をかけるようなことのないようにやりましょう」
「それから、ヘッドコーチとして秋本幸作をつけさせていただきます。能村さんがご自分
から監督の座を降りられるそのときには彼を監督に、と私は考えています。ですから後
継者というつもりで彼も鍛えてやってください」
秋本幸作は、現名古屋Tレックスの谷重の控えとして目立たぬながら堅実な働きを見せ
ていた元捕手で、現在は二軍のバッテリーコーチである。
現役時代は、それほど華のある選手ではなかったが、縁の下の力持ち、とでもいうべき存在だ
った。
華のある選手でなかっただけに、能村氏の野球を吸収するのに抵抗がない、と俺は考
えていた。
しかも元捕手である。
その点からも、能村氏の野球を吸収しやすいだろうし、データや配球の分析も得意だろ
う。
「今後も何くれとなくご相談に伺うと思います。とにかく、一緒に横浜ベイズを強くしていき
ましょう」俺はそう言って能村氏に手を差し伸べた。
「微力を尽くさせていただきます」能村氏も手を差し出してくれた。

とにかく、監督の問題は解決した。
が、まだまだ俺には仕事が山ほどある。





この話はフィクションです。
登場人物、団体名、その他一切は、架空であり、基本的にヨタ話なので、真に受けない
でください。
フィクションというものは、作者の独断で事実と違うことを書くから、フィクションだ、
と思うのですが、何か?

書いていて、気が変わりました。
私は、この横浜ベイスターズを立て直すためには、野村氏を監督に据えるべきだと思
います。
現実問題として尾花氏が監督になるならば、ヘッドコーチの島田氏の役割は重大です。

ところで、俺のお那須が、ああ、あああ。
でも、清水か。
ロッテも、よく。
そんなに先発が豊富なのかしら。
「俺」がGMだったら…。


↓次は誰のユニを作ったらよいのか悩む私に(涙)、是非ともクリックお願いします
横浜ベイスターズブログランキング
野球ブログランキング

コメント、TBもお待ちしてます。

閉じる コメント(6)

閉じる トラックバック(0)

Change!! --3 「監督候補」

俺は内心溜息をつきたい心境だった。
課題が山積していることは想像していたが、改めて自分の仕事として眺めて見て、積ま
れた山のあまりの高さに驚いていたのである。
しかし、嘆いてばかりもいられない。
俺の最初の大仕事が待ち構えているのである。

横浜ベイズには、監督がいない。
今季途中まで監督を務めていた大屋監督は、シーズン途中で低迷の責を問う形で、事
実上の解任。
シーズン途中から田城2軍監督を昇格させる形で、監督代行を務めさせたが、結果を出
せず、来季は1軍監督としては契約を結ばない意向なのだと言う。

俺は改めて、監督について考えた。
誰に聞いても評判のいい田城。
人柄がいいのだという。
今季監督代行に就任してから、ベンチの雰囲気が明るくなったという選手も複数いた。
どうなのか。
あれほど負けておいて、なおベンチの雰囲気が明るいとは、どういうことか。
悔しくなかったのか。
どの選手に聞いても、今季の成績を悔しくないという選手はいない。
しかし、その状況でベンチが明るいとは、どういうことなのか。
つまり、その悔しさは本物ではないということだ。
横浜ベイズは同好会ではない。
プロである。
負けて悔しくないなら、辞めてしまえばいい。
俺にも、勝つためには田城が監督ではいけない、とわかった。
田城をそのまま監督に据えても、チームが上がるとは思えなかった。
緩みきったこのチームを立て直すためには、厳しい人物が監督をやらなければならない。
このチームには戦力補強も必要だが、なにより意識の改革が必要なのである。
弱いチームの意識を変えられる人物、弱いチームを立て直すことに手腕を持つ人物こそ
が、このチームの監督に相応しい。
このチーム状況下で監督を任せるとすれば、ある程度キャリアを持った人物が望ましい
だろう。
内部昇格やOBも今回は考えるべきではない。
チームを変えなければいけないのである。
内部やOBでは、大鉈を振るうことはしにくいだろうから。
他チーム、しかも弱いチームを預かって強いチームにした実績のある人物となると、非
常に限られる。
監督経験者で、かつ外部の人材、しかも来季横浜ベイズの監督になることに障害がなさ
そうな人物、ということになれば、これは、能村氏しかいないだろう。
弱かった神宮バーディズを率いて黄金時代を作り上げ、次の大阪レパーズでは3年間
結果を出せなかったものの、社会人チームの監督を経て、就任した仙台ゴールデンバッ
ツでは、合併初年度、信じがたい成績で負けたチームを率い、監督就任4年目にしてリ
ーグ2位に引き上げ、CS出場を成し遂げた。
CSでは破れ、日本シリーズ出場は成らなかったが、5年前の惨状を考えれば、上出来と
言わざるを得ない。

不可解なのは、何故この監督を仙台ゴールデンバッツは解任したのか、ということであ
る。
結果が出ているのである。
考えられる理由は二つある。
一つは、年齢。
能村氏は球界一キャリアのある監督だが、それ故、高齢でもある。
来年は75歳。
人にもよるが、いつ現場を離れなくてはいけなくなるかわからない。
まあ、誰しもが考える理由だし、真相もそうかも知れない。
もう一つ考えられる理由は、仙台ゴールデンバッツのフロントが、プロ野球について今ま
でとは全く違う発想を持ち始めたのではないか、ということだろうか。
能村氏の監督在任期間の4年間を数字で眺めてみると、幾つか興味深い点が窺える。
攻撃面でいえば、無論得点力が向上しているのだが、その得点力の向上は、打率の向
上によるものではない。
出塁率の向上であり、直接的には四球数の向上である。
また、盗塁数が4年間で飛躍的に向上している。
つまり、やたらとボールを振らなくなり、出たランナーは隙を見て走るようになったのであ
る。
これらの変化は、能村監督によってもたらされたものであることは、間違いないだろう。
しかし、これらはフロントから絶対厳守すべきチームの指針として、現場に伝えておけ
ば、誰が監督でも実現可能と考えられなくもない。
四球を選び、盗塁を成功させるためには、スコアラーによる相手投手ごとの投球傾向分
析が必要であろう。
癖を見抜くことも、必要だと思う。
これこそ能村監督の得意とするところだが、これもベンチにいるスコアラーの進言通りに
監督が動けばいいことなのである。
能村監督のすることを、次の監督にもそっくりやらせればいい。
問題は、監督がフロントの指示通りに、スコアラーの言うことを聞き、四球数と盗塁数を
増やすか、ということである。
誰しも監督になれば、自分の考えで指揮を執りたいと思うだろう。
実績のある監督や名選手であればあったほど、フロントの指示通りの野球などしたくな
いだろうことは間違いない。
が、この場合、それでは困るのである。

仙台ゴールデンバッツが、次の監督に据えるのは、広島シャークスの監督だったブラウ
ンシュバイク氏である。
何故わざわざ結果を出した監督を切って、就任以来Bクラスにしかなったことがない外
国人を連れて来たのか。
その理由もこれでわかる。
メジャーではフロントが主導権を握って監督はその指示に従う、というやり方が一般化し
つつある。
かつ、彼等は日本に稼ぎに来ており、自分の契約のためにも、フロント主導という条件を
飲む可能性が高いのである。
フロント主導で「能村野球」が出来るのであれば、わざわざ高い給料を払って、高齢な能
村監督を雇っておく必要がない。
能村氏が監督になって向上した要素はもう一つある。
防御率を中心とした、投手成績が向上しているのである。
しかし、これには注釈が必要かも知れない。
何故なら、能村監督在任期間中にエースの岩熊が復調し、かつ超高校級投手の田仲な
どの加入もあった。
岩熊や田仲は、他球団にあっても活躍しただろうことは、想像に難くない。
能村監督と言うよりは、フロントの獲得方針とクジ運の勝利とみられなくもない。
それらの諸条件が、仙台ゴールデンバッツが能村監督を解任した理由ではないのか。
果たしてブラウンシュバイク監督を迎えた仙台ゴールデンバッツの今後が、フロントの思
惑通りに進むのかどうかわからないが。

思えば、能村氏が結果を出した、神宮バーディズも、仙台ゴールデンバッツも、投手力に
は恵まれていた。
これらの投手が力を発揮するために、能村氏がどのように寄与していたのかは、データ
では窺えない。
能村氏が、恵まれた投手陣の上に乗っていた、と考えるならば、横浜ベイズの監督には
向かない、と考えることもできるだろう。
横浜ベイズは投手陣に恵まれてはいないからだ。
とはいえ、能村氏は、横浜ベイズの有力候補の一人であることは間違いない。

もう一人、候補がいる。
東京タイタンズの1軍投手コーチである、雄花氏である。
雄花氏は監督経験こそないが、千葉マリナーズを皮切りに、神宮バーディズ、福岡クロ
ーズ、東京タイタンズの投手コーチを歴任し、各球団で選手を指導し、防御率を向上さ
せるなどの実績を上げている。
理論派で、膨大なデータに基づいた指導を行うことも有名であり、その点、神宮バーディ
ズ時代、能村監督の下で投手コーチをしたことの影響かもしれない。
穏やかな風貌とは裏腹に、武闘派で容赦なく選手を叱り飛ばす存在、ということでもある
らしい。
投手力強化、ぬるま湯ムード一掃には大いに期待できそうである。

しかし、懸念点もある。
雄花氏はあくまで投手コーチなのである。
投手部門の強化には大いに期待してよいと思うが、監督は投手部門を見ることだけが
仕事ではない。
投手の建て直し、ということで思い出すのは、2005年から2年間横浜ベイズの監督を務
めた丑島氏である。
丑島氏も、投手陣建て直しの切り札として、監督になった人物である。
それまで指導者としてのキャリアはなかったが、卓越した理論を買われて監督に就任した。
彼もそのソフトな姿からは想像しにくいが、典型的武闘派であった。
共通項が多いのである。

雄花氏が、丑島氏の二の轍を踏む可能性はどうなのだろうか。


この話はフィクションです。
登場人物、団体名、その他一切は、架空であり、基本的にヨタ話なので、真に受けない
でください。
この話を読んで、あなたが何らかの損害を受けたとしても、当方はその責任を負いかね
ます。
が、万一この話を読んで利益を得た方がいらっしゃれば、権利を主張します(笑)。

どうも、尾花氏が、横浜の次期監督に決まりそうですね。
投手陣の建て直しが喫緊の課題である以上、その手腕に評価が高い尾花氏の監督就
任には期待が持てます。
が、監督の仕事は投手陣の建て直し(だけ)ではない。
そこが問題、です。

ところで、書いていて気がついたのですが、投手出身の監督って武闘派が多いですね。
尾花、牛島、星野、東尾、金田。
当然ながら全員選手時代はエース格だった人たちです。
武闘派は、投手として(監督としては、別)成功するための条件なのかもしれませんね。

↓武闘派の性格が投球に結びつかない私に、是非ともクリックお願いします
横浜ベイスターズブログランキング
野球ブログランキング

コメント、TBもお待ちしてます。

閉じる コメント(0)

閉じる トラックバック(0)

全52ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]


.

wheels666
人気度

ヘルプ

Yahoo Image

ブログバナー

  今日 全体
訪問者 3 116954
ブログリンク 0 12
コメント 0 1513
トラックバック 0 50
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

開設日: 2007/2/22(木)


プライバシーポリシー -  利用規約 -  ガイドライン -  順守事項 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2012 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.