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未知との遭遇 〜 7inch EPに録音された ジャズの 批評と研究

Andrew Hill(p)  Malachi Favors(b)  Wilbur Campbell(ds)  Rec.1956
His first Leader work.
■これがAndrew Hill(p)のファーストリーダー作。1960年代のブルーノートの諸作ではアヴァンギャルダーとしてのアグレッシブなスタイルを聴く事ができる。特にJoe Henderson(ts)が参加した「ブラック・ファイア」、ヨーロッパ的なテイストを感じる「ジャッジメント!」 は彼の個性溢れる名作で針を落とす機会も多かった。ここで紹介する7inch EPは彼が25歳の時に録音した1枚で、彼のオリジナル2曲が収録されている。ここでは後のハードバップに現代音楽をシンクロさせたようなアヴァンギャルドなスタイルは構築されていないがMal's Bluesではオーソドックスながら独特のタイム感覚とタッチでブルースフィーリングを漂わせスイングする。「DOT」も似た雰囲気で進行するが、彼のピアノはさらに強いタッチで硬質な音使いが印象に残る。ベースには 1965年にシカゴで発足されたAACMのメンバーとして活躍し1969年頃からArt Ensemble Of Chicagoのメンバーとして作品を残すことになるMalachi Favorsが起用されている。ドラマーは 後に知る人ぞ知る名手となりJack DeJohnetteの師としても知られるWilbur Campbellが参加している。なんとも凄いメンバーで録音された1枚である。
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Los Chicanos(p) BeBe(b) PePe(ds) Eugenio(as)  Lupe (per.vo) 
Rec.1962
■南米チリのTVショー、クラブ、キャバレーで活躍したゴットマザーLos Chicanos率いる息子2人、娘2人のファミリーグループの自主レーベルからのファーストアルバム。ジャケットの風貌やファッションからも読み取れるようにナイトクラブでの派手なエンターテイメントも売りだったらしく、特にドラマーのPePeはKing of Drumsとも称され演奏の中心的存在で名実共にこのグループの核であったようだ。地元では人気を博していたようだがここまでマイナーなメンバーだと履歴などは知る由もない。さすがに常にクローズアップされていただけあってPePe(ds)の豪放な太鼓がなかなかの躍動感で迫る「CARAVAN」、フラメンコとジャズの融合がなんともエキゾチックな「LA MACARENA」は娘のLupe (per.vo)がボーカルでも参加し演奏を盛り上げる。
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Bobby Donaldson(ds) with His Combo Rec.1965
■Bobby Donaldsonはアメリカ生まれのアルトサックス奏者との情報もあり、この作品も彼のリーダー作との認識でいたが調べるうちに どうやら1922年生まれのドラマーでHelen Merrill, Mel Powell, Bobby Jaspar, Herbie Mann等 多彩なミュージシャンとの共演歴もありSAVOYレーベルにも多数の参加作のある実力派であることがわかった。収録曲もドラムが刻む安定感のあるリズムがクローズアップされており納得のいくところである。ラテンのリズムに乗って哀愁漂う歌謡調のメロディーが魅力的な「K - L - DEE」はヴァイブとフルートのアンサンブルにギターの絡みが印象的である。60年代ブルーノートを彷彿とするワルツ調ファンキーバップ「Bash Dance」はドラムが叩くリズムに乗ってトランペット〜アルトサックス〜ギターが乗りの良い気合の入ったソロを展開する。
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Dorothy Peterson(vocal) with Franco Cerri(g)'s Group Rec.1962
■1970年代からヨーロッパジャズに注目してきたが、初めて出会って入手した1枚。ライナー等によるとDorothy Petersonはロスで女優や歌手として活躍していたが知名度の高くないローカルな存在だったようだ。調べると
同名の映画女優も何人か存在するが活躍した時代やルックスが異なり別人であった。彼女の経歴等プロフィールは不明のままで、それが余計に好奇心をそそられる。そんな彼女がイタリア滞在中に当時から名実共に広く認知されていたFranco Cerri(g)のコンボと共演した非常に珍しい作品である。彼女の僅かに鼻にかかったまろやかでノンビブラートの魅力的な歌声とエラやサラとはカテゴリーの異なるテクニックは非常に好感が持てる。またスタンダード4曲全てで随所に聴かせるFranco Cerri(g)の素晴らしいソロもこの作品の価値を高めている。1:03からのCerri(g)が聴き所の「Makin' Whopee」、ベースとドラムだけをバックに歌いだす「Bye Bye Blackbird」はこの作品の白眉でやはり0:55ぐらいからのCerri(g)に釘付けにされる。「Sweet Georgia Brown」はSide-1の2曲よりもさらにアップテンポで安定感のある歌唱で疾走するスインギーな曲で彼女は只者ではないオーラを発散する。最後はJ.Kernの「Yesterday」でしっとりとしたエモーショナルなバラードで幕を閉じる。センスの良いフォトデザインとテカテカのコーティングジャケットが独占欲を刺激するが、こちらを向いてくれないので美貌は幻のままである。Franco Cerri(g)には歌伴を務めた作品も多々あり見かける機会もあるのだが、この作品は皆無だった。他にDorothy Petersonの録音は存在するのだろうか・・・もっと聴いてみたいシンガーである。
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Cal Collins(g) & (b) & (ds)   Rec.1968
■1933年インディアナ州生まれのギタリストCal Collinsのファーストリーダー作。彼は20代初頭頃からBluegrass〜Country music に関心を持ちマンドリン奏者として活動を始める。その後、軍への入隊をきっかけにオハイオ州に移住、ジャズに影響を受けギタリストとして名実共に認知度を高めていく。そして 1976年 ベニーグッドマンとの共演により一気にメジャーな世界に躍り出ることになり Concord Recordsからの諸作により彼のバップ〜スイング等 多様なスタイルをクローズアップしファンを獲得した。この作品ではCountry調のテイストを交えながら難関なフレーズ弾きまくるバッパーCal Collinsの非凡な片鱗を聴き取れる貴重な1枚である。彼のルーツを彷彿とする旋律から高速でソロを弾きまくる圧巻の「MOUNTAIN CHOPS」、「C C RIDER」は一転ブルージーなムードを漂わせてCollins(g)がソロを綴っていくモダン・ジャズ。ギターの良く歌うトーンが気持ち良い。
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Alain Bernard(g) Pierre-Gilles Bessot(b) G. Vialle(ds)Rec.1960's
■フレンチ・ギタリストAlain Bernard がDjango Reinhardtからの拘束から解き放たれ王道ジャズ・ギターを聴かせる1枚。ジプシー・ギターと言われるカテゴリーには属さないトリオ編成でのスリリングでスインギーな演奏はマイナーな存在ながら聴く価値は十分にある。side-AにはAlain Bernard (g)自身のオリジナル3曲を収録している。ドラムの叩くリズムに乗ってひたすらアドリブを聴かせる「FEU VERT」と「BALIVERNES」は個別の曲であるが延長線にあるように聞こえる。「LES "TROP BELLES"」も明確なテーマは明示も暗示もされないままBernard (g) が何かに取り付かれた様にソロを展開する。聴きどころは やはりside-Bだろう。モンクの「WELL YOU NEED'NT」ではお馴染みのテーマに続いてBernard (g)が持ち前のテクニックを駆使して力強いソロを綴っていく。Blue Note (4123)のタイトルにもなっているケニーバレルの名曲「MIDNIGHT BLUE」はオリジナルではコンガが加わっていたが、Alain Bernard (g) はトリオ編成で自身のソロを思う存分に展開している。バレルの演奏にあるグルーヴ感はないが都会的で洗練されたクールな演奏はオーソドックスなフレンチモダンジャズとしても評価したい。
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Mari Norleen(vocal) and orchestra Rec. 1960's
■1946年から毎年開催されているIllinois State Fairの1962年の出演者としてクレジットされている女性シンガーMari Norleenの唯一のリーダー作。一聴個性的で華のある歌声であるがエモーショナルな表現も魅力的でジャジーなアプローチも記憶に残る。お馴染みのバラード「Time After Time」で聴かせる甘酸っぱい歌声と愛くるしい表現は何度となく聴きたくなる1曲である。寄り添うトランペットのオブリガードも雰囲気を盛り上げる。一転明るくスインギーな「I'm Sorry 」はキュートでコケティッシュな彼女の魅力を楽しめる。アメリカン・マイナーボーカルの深みを実感できる作品。
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Mexican JAZZ BOSSA Group. Rec.1968
 Magazine "novelas de amor" 's Novelty only.
■メキシコの雑誌<Novelas de Amor :愛の小説>にノベルティとして付いていた7inch EP。内容は全曲フルートがメインソリストとして素晴らしいソロを展開するJAZZ BOSSAで残念ながらミュージシャン等詳しい情報の記載はない。Salvatore Adamoの名曲「Mi Gran Noche」は魅惑の旋律からフルートが自由奔放に奏でるソロが素晴らしい。Burt Bacharach の「Una Oracion por Ti(I Say a Little Prayer)」も誰もが耳にしたことがあるだろうお馴染みの哀愁を帯びたメロディを見事にジャズ・ボッサに仕上げている。Teddy Randazzoによる「Perdiendo la Cabeza(Losing your head)」とMenescal y Boscoliの名曲「Barquito De Papel(Little Boat)」は、まさしく鳥がさえずるがごとくのフルートによる爽やかなソロがボッサのリズムに乗ってスイングする。
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Barbara Ann Alllen(vocal)  with Ike Monroe orch  Rec.1960's?
■彼女の経歴については情報は皆無。ポップス〜ジャズ系のテイストで少々コケテッシュでキュートな歌声を聴けば思わず微笑んでしまう。正直 歌唱力については語るにたらないが、ボッサ・ライクなリズムにストリングスが絡み魅力的なテーマをBarbara Ann Alllenが歌い綴る「Forever Never Ends」は繰り返し聴きたくなる曲である。「Angel」は、コーラスをバックにまるでティーンズのような歌声で爽やかに歌っている。2曲が収録されており、いずれもSharon Thenoなる人物が作曲し自身のレーベルからリリースしたノベルティー的な作品である。鮮烈なピンクのラベルも内容とリンクし印象深い。
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Nicolas Noel(p,synthe)  Charles Maletras (g)  Marc Basone(ac-b)
Georges Lecler(ds) J.P O'Digger(vib)  Rec.1986
■1990年頃からはフランスのロック・フュージョングループでもキーボード、オルガン奏者、アレンジャーとして活躍していたNoel(p) が短期間アコースティックジャズを演奏していた時期の珍しい1枚。伝統的で従来のアレンジを踏襲するのではなく、新主流派的なサムシングを模索していた彼の前向きな姿勢を感じる内容である。超マイナーレーベルからのリリースながら録音も申し分のない。お馴染み「IN A GREEN DOLPHIN STRETT」は粒立ちの良いNicolas Noelのピアノと Charles Maletras(g)の乗りの良いスインギーなプレイが身体を揺さぶる。「GINGER BRED BOY」はJ.P O'Digger(vib)をクローズアップしたテーマからそのままソロに移行し クールな音色で素晴らしいソロをMaletras (g)が展開しNoel(p)へと継なぐ。2曲共Noel(p)はアコースティック・ピアノを弾きながら随所にSyntheでのプレイやスモークを漂わせるがうまく溶け込んでいるため気にはならない。
何といってもこの作品での白眉はCharles Maletras (g)のプレイだろう。
Nicolas Noel(p)のモダン・ジャズにアプローチした作品では他にMichel Gaudry(b)とのDuoで録音した7inch EPが素晴らしかった。
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