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いよいよバレンボイム/ベルリン『トリスタン』が明日になりました。オデュッセウスにとって4回目の『トリスタン』ですが、多くのワグネリアンが絶賛する『トリスタン』ですが、オデュッセウスはなぜか一番苦手な作品なんですね……。今回の公演に向けてはかなり集中して予習に励みましたので、本当に楽しみです。で、その予習の仕上げに選んだのが、ジュネーヴ大劇場の公演を収録したDVDです。
Richard Wagner:Tristan und Isolde
Tristan:Clifton Forbis
Koenig Marke:Alfred Reiter
Isolde:Jeanne-Michele Charbonnet
Kurwenal:Albert Dohmen
Brangaene:Mihoko Fujimura
Melot:Philippe Duminy
Ein junger Seemann/Ein Hirt:David Sotgiu
Ein Steuermann:Nicolas Carre
Orchestre de la Suisse Romande
Direction Musicale:Armin Jordan
Mise en scene et lumieres:Olivier Py
2005.2 Grand Theatre de Geneve
オデュッセウスはジュネーヴ大劇場の公演を観るのは2回目です。前回もワーグナーで、1980年ホルスト・シュタイン指揮の『オランダ人』でした。
ジュネーヴ大劇場は年間10演目程度を採り上げ、ピットには基本的にスイス・ロマンド管が入るようです。ちょうど今の新国立劇場とシステム的にはよく似ていますね。伝統は比較にならないでしょうが……。
で、今回の『トリスタン』です。全体としてはまあまあ満足できました。演出・舞台も歌手陣も指揮者もオケも、大満足した人はいませんが、いずれもがかなりのレヴェルにあるとは思います。
まずは演出から。Olivier Py(オリヴィエ・ピー?)という若いイケメンの演出家ですが、初めて目にした名前です。カーテンコール時の様子からはかなりの人気者のようですが、もしかして映画とか他のジャンルでかなりの著名人なのでしょうか?恥ずかしながら音楽以外のことには疎いので……。
ピーの演出は、さすがにト書き通りではありませんが、ストーリーの軸を無視するようなものでなく、最近の凄まじい演出状況からするとオーソドックスな舞台とさえ言えるかもしれません。水を効果的に使用した3幕など、素晴らしい舞台感覚を持った演出家だと思います。ただ、1幕などでやたらと説明的なアイテムを使用(例えばモロルトの頭蓋骨)してやや陳腐になってしまったのは残念でした。また、3幕で登場する幼い子と若い女性は若き日のトリスタンと母、ゾンビ(笑)のように登場するのは父であると思われますが、だから何?というのが正直な感想です。ご覧になられた方、いかがでしたでしょうか?
新国『ジークフリート』2幕舞台装置と似ている2幕の舞台装置はなかなか見応えがありますが、やはりここでも無駄に感じてしまいました。
スイスの野人という雰囲気のアルミン・ジョルダン指揮も、おぉっ、これはいいぞ!!と思わせるところと弛緩したところが交互にやってくる感じです。最近すっかり名前を聞かなくなったスイス・ロマンド管も大健闘だとは思いますが、やはりどうしても物足りなさは感じてしまいました。特に、どうしても弦楽器群の迫力(音量・表現)に物足りなさを感じてしまいました。まあ、相当難しいのでしょうね。
歌手陣も、はっきり言ってかなり物足りないですが、現状ではこれだけの歌唱を見せてくれればよしとすべきなんでしょうね。
歌唱面で文句なしに素晴らしかったのが女性2人。ブランゲーネ役の藤村さんはバイロイトでも活躍するワールド・クラスの歌手ですので予想通りでしたが、イゾルデ役のJeanne-Michele Charbonnet(シャルボネ?)は、名前すら聞いたことがなかった歌手ですが、これはなかなか素晴らしいイゾルデだと思います。ただ、この2人、メイクがよくなくて、正直言って気味悪いです(笑)。特にシャルボネは、劇場で観ていればかなりの美形イゾルデだと思いますが、アップが多用される映像だと結構厳しいですね。
来夏パリ国立歌劇場来日公演においてトリスタンで登場予定のフォービス、最初はかなりイマイチだと思いましたが、2幕3幕と進むにつれて気にならなくなりました。これだけ歌えれば御の字でしょう。
クルヴェナール役は、バイロイトの現役ヴォータンであるアルベルト・ドーメン。役柄によくあった体躯で見た目はいいのですし、声も悪くないのですが、声量不足ですね。クルヴェナール役にはもう少しパワーが欲しいところです。
マルケ王役のアフルレート・ライターもバイロイト経験者ですが、これは全く気に入りませんでした。声量不足なんてレヴェルじゃないですね、これじゃあ。もちろん、絶叫調での大音声は勘弁して欲しいですが、こんな小さな声じゃ聴こえないですよ。威厳も全く感じさせませんし、それを狙っているのかもしれませんが、オデュッセウスとしてはかなりイマイチでした。
映像監督が余計な編集をしているところがあり、ちょっと気になります。また、「イゾルデの愛の死」で指揮者の手を頻繁に映しますが、ここはやはりイゾルデにフォーカスすべきでしょう。
まあ、100%満足ではないですが、一見の価値はあると思います。
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「トリスタンとイゾルデ」は私も生理的に余り得意な作品ではありません。この作品のテーマである「男女の性愛」と「死によるその成就」というところが、まず私にとっては興をそがれてしまいます。
ワーグナーの傑作ではあると思いますが、最近では耳を傾けてはいません。
フルトヴェングラーやクライバー(カルロス)、ベーム、カラヤン、バーンスタイン等名盤も目白押しですが、これらの名盤を聞いてもなお耳に傾けるのをためらってしまう作品です。
2007/10/7(日) 午後 2:29 [ maskball2002 ]
若き日のニーチェを夢中にさせたトリスタンで、作曲技法としては
ワーグナーのなかで最も先鋭ともいえますが、ストリー的には??
登場人物も少ないし凝った演出は似あわないものでは・・・
2007/10/7(日) 午後 5:31 [ のりこ ]
2004年のジュネーブ大劇場ライヴ、ご覧になりましたか。シャルボネ、いいでしょう!私はこの映像以外でこのソプラノは知りませんが、イゾルデとしてはかなり気に入りました。フォービスも、今の時代ここまでできれば素晴らしい方と思います。マルケは最悪でしたね。スイス・ロマンド管はやはり主に弦パワーに不足がありますが、これはしょうがない。
最近の商用映像としては良いできのものだと感じました。映像そのものは戴けないアングル等多々ありますが・・・
それにしても、苦手とされる理由は何ですか?確かに他のワーグナー作品とは完全に異質ですが、陶酔許容度も群を抜いてますよね?(だからですかね?でも実はこの内容がワーグナーの生身の本質に近かったりしますけどね(笑)。)
2007/10/7(日) 午後 6:12 [ neveu ]
>maskball2002さん
バレンボイム/ベルリンの公演に接して、やや考えが変わってきました。もしかするとオデュッセウスにとって最愛の作品になるかもしれません。フルトヴェングラー盤は未聴なので、少し時間が経過したら聴いてみるつもりです。
2007/10/9(火) 午後 8:58 [ オデュッセウス ]
>NORIKOさん
バレンボイム/ベルリンの実演に接して、改めて凄まじい作品だと痛感しました。
>凝った演出は似あわない
これも今回の実演で痛感。特に音楽レヴェルが高ければ余計な演出は不要ですね。『トリスタン』に限らないかもしれませんが……。
2007/10/9(火) 午後 9:00 [ オデュッセウス ]
>neveuさん
ジュネーヴ大劇場の映像、ほとんど同様の感想を抱いたようですね。
>苦手とされる理由は何ですか?
何といっても長さを感じてしまうことでした。『マイスタージンガー』でも『黄昏』でも『パルジファル』でも長さを感じさせないのに、『トリスタン』だけはダメでした。特に2幕。しかし、今回クプファー/バレンボイム/ベルリンの実演では長さを全く感じさせませんでした。むしろ短く感じたほどです。
来夏のパリ・オペラ座公演が楽しみです。
2007/10/9(火) 午後 9:05 [ オデュッセウス ]
大興奮記事にもコメントさせて頂きましたが、実はは第2幕、いいと思われませんでしたか?私はジークフリート3幕やワルキューレ2幕などはちょっぴり冗長と感じていますが、トリスタン2幕は素晴らしいと信じています。
騙されたと思って、フルヴェン盤とクナ盤(50年ライヴなんで音最悪!)を是非。騙されたら許して下さいね(笑)。
2007/10/9(火) 午後 10:07 [ neveu ]
>neveuさん
今までは『トリスタン』2幕はカット版が好きでした。60分程度で聴きやすかったです。ただ、今回すっかり2幕の雰囲気にやられてしまいまして、今後はカット版ではダメかもしれません。演奏が悪ければ早く終わって欲しいかも、ですね(笑)。
クナ盤は随分昔に聴きました。『トリスタン』が苦手な時代ですので、今だったら感想は変わるかもしれませんね。また聴いてみます。
2007/10/10(水) 午後 8:46 [ オデュッセウス ]
オデュッセウスさんの記事を読んで、開封する気になりました。こちらの記事にリンク、TBさせていただきますので、よろしくお願いします。
2007/10/11(木) 午前 6:54 [ edc ]
>えうりでぃーちぇさん
いつもいつもありがとうございます!!メトの大相撲バージョン(笑)とリセウ劇場のものはまだ観ていないです。メトのは特に観るのに勇気がいりますね(笑)。
『トリスタン』映像では、ミラー/バレンボイム/バイロイトの映像が出てきて欲しいです。
2007/10/11(木) 午後 8:56 [ オデュッセウス ]
ホルスト・シュタイン、子供心にも強烈な風貌故印象深い指揮者でした♪w
倒れたまま今でも昏睡状態が続いているそうですね・・・、残念です。
2007/10/28(日) 午前 7:44
>ぶる〜のさん
そうですか、ホルスト・シュタインは昏睡状態ですか……。幸い3回の実演(2回がN響定期、1回がバンベルク響)を経験できましたが、もっと聴きたかったです。
2007/10/28(日) 午後 6:56 [ オデュッセウス ]