藪井竹庵

酔ふて生き 夢の間に死す 神に感謝 大地に恵みを・・・一盃禅師

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文七元結

イメージ 1 文七元結(ぶんしちもっとい)と云う落語演目は、大真打ちにしかできない大根多の一つとされ、登場人物も多く、フルパーツをやれば一時間以上掛かる演目なので、定席の寄席以外の落語会でないと滅多に口演される事はありません。
 
 音源が残されているもの、残っていないが演じたと記録に残されているものがありますが・・・初代 三遊亭圓右、四代目 橘家圓喬、五代目 三遊亭圓生、五代目 古今亭志ん生、八代目 林家正蔵、六代目 三遊亭圓生、三代目 古今亭志ん朝(年齢順)と云う、正蔵以外は主に三遊派(正蔵も元は、品川の圓蔵門下で、圓生と同門)の持ち根多として、それぞれの時代を代表する大師匠たちが演じています。
 
 落研レベルの、素人に毛の生えた程度の噺家もやってますが・・・臭くて聴いてらんないんだよなぁ・・・圓朝がどう云う思いでこの演目を作ったってのを理解してるのだろうかと思っちゃいます。
 
 「人情噺文七元結」として、歌舞伎で演じられる事もあります。二代目 三遊亭圓生の弟子で、師匠よりも落語が上手かったと云われる、明治期の噺家兼落語作家として著名な、三遊亭圓朝(1839〜1900 本名=出淵次郎吉)が創作した演目とされています。
 
 噺の内容は・・・実際にはあり得ないと思われる、江戸職人の心意気のような事が語られます。これは、幕末前後に於いて、薩長の田舎サムライが、江戸の町を我が物顔に闊歩した事に対する、江戸庶民の反発や心意気を圓朝がそれとなく描いてみせたものだと云われています。
 
 博打でスッテンテンになっている左官職人の長兵衛が、集金した50両の金をスラれたと勘違いしたベッコウ問屋の手代の文七が、今にも吾妻橋から身を投げようとしているところへ、運悪くと云うか・・・運良くと云うべきか通り掛かり、折角、娘のお久が、吉原に身を売って作ってくれた50両の金を与えてしまう。
 
 スラれたと思ったのは、実は文七の勘違いだと判り・・・あとは、落語的ご都合主義の様な感じに物語が展開し、目出度しとなる(^∇^)
 
 この演目で不思議なのは、何で演題が「文七元結」なのか・・・と云う点です。この演目の主役は、左官の長兵衛で、文七は脇役です。ですから・・・「長兵衛思案」とかって演題の方がいいかな? ・・・と思ったりして^^
 
 文七とお久が後に夫婦になって、元結屋(もっといや。元結と云うのは・・・現在では、お相撲さんの髷を結う時に、床山さんが、大銀杏の根元を縛る時に使っている白い紐の事で、和紙を撚った細い紐で、水引きに使われる紐と同様のものです)を開店する事から来ています。
 
 落語には、この「文七元結」同様に、噺の内容には直接に関係の無い演題も幾つかあります。例えば・・・花魁の幾代太夫と搗き米屋の清蔵が夫婦になって、後に餅屋を開店する「幾代餅」。金山寺味噌を売り歩く金兵衛さんが、桐ヶ谷の焼き場で腹のところだけ生焼けになった西念の腹から、溶けずに残った金を取り出して、目黒で餅屋を開店する「黄金餅」。これらは、噺の内容とは、直接には関係の無い演題です。
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志ん朝 文七元結
志ん朝 文七元結2
志ん朝 文七元結3
志ん朝 文七元結4
志ん朝 文七元結5
志ん朝 文七元結6
志ん朝 文七元結7
志ん朝 文七元結8
 
 データ・・・三代目 古今亭志ん朝 昭和13(1938)年3月10日〜平成13(2001)年10月1日 享年63 前名=朝太 出囃子=老松 本名=美濃部強次 志ん生二男
 
 とにかく80分にも及ぶ長い演目なので、この動画を上げた二年前には、チューブは一本の動画の最長時間が11分未満だったので、八分割に加工するしかありませんでした。その後、一本が15分未満になり、一部の、私のような節度あるエキスパート・ユーザー^^には、無制限が許されておりますから、一本にして上げる事もできるのですが・・・現在の日本のネット回線状況では、どうしてもデータ量が多くなり重くなってしまい、回線が重い時間帯には、途切れ途切れになりかねません。
 
 八分割した動画を順番に再生して行くのは面倒臭いのですが、遅い回線の方もいらっしゃるので、現時点の日本のネット回線状況では、汎用性を考慮して、八分割のままにします。動画が重いとか、軽いから問題ないとかの視聴レポートをいただけると、今後の動画加工の参考になります(^∇^)
 
 でもまあ、下手糞な噺家なんざ聴かなきゃいいんだし、うるさい事ばかり云ってる藪ブログなんて・・・もう来ね〜よってかっ(^ω^)

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この噺、「大物」として多くの人がチャレンジしてますが、出来不出来のはっきりする噺ですね。今回アップしていただいた志ん朝師匠が落語研究会で講演したときには、出演者の役割の軽重が微妙に変化し、「収まりのいい」状況になったと思いました。
志ん朝師匠の一つの到達点だと思います。

2011/2/26(土) 午前 7:15 キャバン

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薮井先生、私この時この開場に「落語研究会」を見にいってまして、志ん朝師のこの高座を生で見ていました。
それは幸せな時間でした。
1時間20分近くに及ぶ長講でしたが、観客全員真剣に聴きいってました。
この日は仲入りで雲助師が「二番煎じ」を熱演しまして、トリの
志ん朝師に負けない熱演だったのを覚えています。
かなり遅くなりましたが、幸せな気持ちで帰路についた事を昨日の様に覚えています。(^^)

2011/2/26(土) 午前 7:29 shobuen2

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こんにちは。
アップされた志ん朝さんの落語を見ていました。話に引き込まれましたね

2011/2/26(土) 午後 5:17 [ pezonorvis ]

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おはようございます

昨夜ちょっとだけ聞こうと思ったのが運の尽き(笑)
うーーん…引き込まれ釘付けになり最後まで聞き入ってしまいました。
朝起きてまた1度…何度も何度も聞きたいし、聞く度に感動があります。

羽織を脱がれた時「???」と思ったのですがこのお着物は身八口が開いていますよ!!
噺の中でおかみさんの着物を脱がせて着て行くのでずっと女物の着物を着ているので
その為に袂を少し長めにして身八口を開けていらっしゃるんですね。
格好良いですね…男が身八口の開いた着物を着て変と感じさせないギリギリの寸法…粋です。

その着物の袂に手を入れた姿・火鉢に当たる手・膝に置く手・重ねる指先・
女物の着物が恥ずかしくて袂を重ねる時…全ての所作に神経が行き届いています。
と言うか日舞の基本が体の隅から隅まで染み込んでいるのが分かります。
噺家は日舞・邦楽を絶対身に付けるべきです。
もう何も言うことは無いです。
この高座を生で聞かれた↑菖蒲園さんが羨ましすぎ(笑)

2011/2/27(日) 午前 10:13 ドンシュウ

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文七元結のモデルになった桜井文七は岐阜の出身で信州飯田で水引を作り
元結いで大成功した方と数年前飯田市へ旅をした時「文七元結資料館」で見ました。

藪井先生のおっしゃる様に「長兵衛思案」でも良いですね。
落語は題に字数の制限やしばりが無いので四文字でも端切れが良く
製品としての名を知られている「文七元結」になったのでしょう。

歌舞伎の外題は必ず奇数と言う決まりがあるので「長兵衛思案」もOKです(笑)

歌舞伎の「人情噺文七元結」は先代の勘三郎の長兵衛が良かったですね!!
現勘三郎は少しクサくやり過ぎ(爆)

落語も歌舞伎も何でも…臭くやり過ぎは胸が悪くなります。

2011/2/27(日) 午前 10:20 ドンシュウ

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書斎の整理中ですが、落語の資料が、山のように出てきて、思案投げ首です。本箱というのは本一冊分の奥行きでないので、後ろにVHSのビデオくらいは並べられるのですね。
昭和56年以降の、TBSの「落語特選会」の映像、それ以前のビデオがなかった時代のイヤホンジャックからのカセットテープへの録音が整理不能なくらいに出てきました。
このほかにNHKの「日本の話芸」や、フジテレビの「花王名人劇場」も出てきました。

さらに、我家に置ききれない荷物を今朝、実家に運びましたが、昭和50年代に買い集めた落語のLPが、200枚くらい出てきました。
今後、どう整理するか、宿題になりました。
これらは、F-1と違って、処分から除外されています。
その後DVD化されていない映像があまりに多いので。

2011/2/27(日) 午後 7:53 キャバン

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*キャバンさん。。
考えてみると噺家と云う職業も大変で、長編となると、一人で一時間以上語り続けなくてはなりません。
もちろん、一時間以上の落語をやる噺家もいるのですが・・・やりゃいいってもんじゃないし・・・(^ω^)

何で、談志の名前を出さないのかってのがあるんです・・・
文七元結を小さんがやったかどうかは知りませんが、小さんの弟子の談志はやってます。談志は誰から文七・・・の稽古を付けてもらったのか? 小さんの根多じゃないから・・・圓生しかいないでしょう。小三治は誰から教わったのか? 談志の弟子は、談志から教わったのか? それにしちゃ、臭過ぎる(^ω^)

2011/2/28(月) 午後 5:54 藪井竹庵

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文七元結ですか。本当に心の底から感動するいい噺ですね。
圓生師匠の音源を持っていますが、どこをとっても良い場面ばっかりで、本当に名作問ういうべき話だと思います。。

2011/2/28(月) 午後 11:48 [ えび助 ]

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*菖蒲園さん。。
この時の志ん朝は、特に出来が良かったのではないかと思います。80分もの演目を語り続けるってのは、噺家さんにしたってかなりの体力を要求されます。出来の良し悪しは、当然ながらありますよね。

何故、落語研究会のような国立演芸場での落語界をやるのかと云うと、この手のものは戦前からやっています。普通の寄席はあくまでも娯楽ですから、赤ん坊の泣き声とか、下司な笑いの中で、噺家さんはバトルをしなくてはならないので、満足に落語ができないんです。

だからこそ、研究会と銘打って、純粋に落語をやる会を作ったんですね。以前は、出囃子さえも使わずにやると云う真面目なものでしたが、近年では、普通のホール落語と一緒になっちゃってる気がします。

2011/3/2(水) 午後 4:21 藪井竹庵

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*しゅうちゃん。。
落語ってのは、噺家さんの体調とか心持ち、客の反応などによって、出来不出来があります。特に長い演目ってのは、途中でダレたりしますが、この時の志ん朝は乗って演じてたと思います。この映像は歴史に残る貴重なものだと思います。

圓生の「文七元結」の映像もあるようなのですが、私は持っていないので、見ていないから何とも云えません。小三治のも持ってない。それより若い噺家の「文七元結」の音源を持ってますが、まともに出来ているのは誰もいない。客から金が取れるほど仕上がっているのかどうかを考えて欲しい。

2011/3/3(木) 午前 8:01 藪井竹庵

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*pezonorvisさん。。
この演目を、臭くなく出来るようになってこその真打ちですね。

2011/3/6(日) 午前 10:08 藪井竹庵

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*しゅうちゃん2。。
文七は鼈甲問屋の手代なのに、何で元結屋を始めるのかは、おそらく、どの噺家も語ってないと思います。実は私は、「桜井文七」の件は初めて知りました。

「幾代餅」や「おかめ団子」や「黄金餅」は、みんなそれぞれ、後の商売に関係があるんですよね。でも、この「文七元結」だけは、何で元結屋になったのかを誰も語って無いのかが不思議です。鼈甲屋なら話が判るんですけどね。

2011/3/8(火) 午前 6:36 藪井竹庵

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*キャバンさん2。。
CDやDVDのデータをパソコンに取り込むのは、比較的簡単にできます。CDはウィンドウズ・メディア・プレイヤーでできるし、DVDは「窓の杜」を探せば、フリーソフトが転がってます。カセットテープやレコードは、「窓の杜」になければ、市販ソフトを使います。ビデオは、DVDとビデオを両方搭載したデッキで出来ますが、市販ソフトでできます。

とにかく、十年以上経過した記録媒体は、外付けハードディスクに移し替えないと、現状の品質が保証されないか、最悪の場合は再生不能になると認識しなくてはなりません。

2011/3/9(水) 午前 10:57 藪井竹庵

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*えび助君。。
そうかなぁ? ちょっと意地悪爺さんでごめんね(^ω^)
落語の語りに騙されずに、よく考えてみて下さい。左官の長兵衛って・・・女房の云う通りバカでしょう?

娘のお久が、借金があるために満足に仕事が始められない父親の長兵衛の為に、吉原に身を売って折角作ってくれた五十両(400万円)を、吾妻橋から身投げをしようとしている見ず知らずの文七の為に、その五十両を上げてしまう。そんないい加減な人間が父親でもいいんですか?

たまたま、その五十両の金は文七がすられたのではないと判りましたが、もし本当にすられていたとしたら、どう云う展開になるのでしょう・・・

つまり、人情噺ってのはそこまで考えて自分の持ち根多にすべきなんです。多くの無能な噺家は、自分の思慮のなさを「臭い語り」で表現しますが、もちろんそんな噺家は、文七を持ち根多にする資格はありません。文七のベストは、これを30分でやっちゃう志ん生です。

2011/3/10(木) 午前 9:12 藪井竹庵

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