藪井竹庵

酔ふて生き 夢の間に死す 神に感謝 大地に恵みを・・・一盃禅師

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歳末対談

イメージ 1 昭和31(1956)年12月24日に、神田のうなぎ屋「神田川」で、落語界の歴史に残る超ビッグな対談が行われた。66歳時の古今亭志ん生と62歳時の三遊亭金馬と云えば、落語を良く知っている人なら、ビックリして座り小便してバカになっちゃうくらい凄い対談です。
 
 残念ながら年末のラジオ放送用に収録されたものなので映像ではありません。金馬さんがしょっぱなに志ん生に対して「おめでとう」と云っているのは、志ん生がこの年に「お直し」で芸術祭賞を獲得した事を云ってます。
 
 金馬さんは志ん生よりも四歳年下で、噺家になった時期も志ん生よりも後なので、本来なら面と向かっては「兄(あに)さん」と云うべきなんですが、若い頃から志ん生の師匠の二代目 三遊亭小圓朝の北海道巡業に同じ三遊一門の金馬さんも同行したりして(その時に、天狗連でやっていた二代目 円歌を発見する)志ん生と金馬は仲がよく、志ん生を本名の「孝(こう=美濃部孝蔵)ちゃん」と呼んでます。
 
 かつての大師匠たちってのは非常に個性的で、「あいつよりも落語が上手くなってやろう」と常に思ってましたから、現代の落語界のように、仲良しの同好会のようなものではなく、あわよくば蹴落としてやろうと思っている噺家ばっかりで、犬猿の仲と云うのが当たり前でした。だから、今のように十羽一からげで一山幾らと勘定されるデモシカではなくて、みんなが誰にも負けないそれぞれの個性を持った凄い噺家ばかりだったのです。
 
 圓生と正蔵、圓生と柳橋、圓生と馬風・・・その人たちを二人きりで楽屋に置いたら、取っ組み合いの喧嘩が始まると云うくらい仲が悪いのは当たり前だったんです。その中にあって、志ん生だけはその個性と云うか、噺家として先輩に媚びずにやってきたために、一番出世が遅かったんですが、そう云う落語界きっての苦労人の志ん生に対しては、上手く立ち回って早くに出世をした大師匠たちは負い目があるので、さすが頑固な大師匠たちも、気楽に接する事ができました。
 
 小者とは話をせずいつもピリピリしていた金馬さんをはじめ、はたからはライバルと云われた文楽も、頑固で誰とでも喧嘩をしたトンガリ馬楽(正蔵)も、一人も友達がいないと云われた圓生でさえ志ん生とだけは喜んで付き合いました。
 
 で、この音源でよく判るのは、金馬さんの物怖じしない豪快さと、志ん生の繊細な緻密さですねぇ。金馬さんは、うなぎ屋でお新香をバリバリ食っちゃうタイプなんですが、志ん生は物をほとんど食わずに、酒もあまり飲まず、一生懸命考えながら喋ろうとするタイプなんですねぇ。志ん生が「ぞろっぺ(いい加減)」だなんて思ってる方が、もしいらっしゃったら、是非ともこの音源をお聴きいただきたい。
 
 金馬さんは志ん生より百倍も「ぞろっぺ」です。志ん生はひとたび落語の話になると、物凄く真剣に考えて、好きな酒さえ進まないくらいになっちゃうんです。それが我等の志ん生であり、私がこよなく愛する噺家なんです。なんで今の噺家は志ん生のように真剣に落語をやらないのか・・・それが残念なんだけど、そんな噺家はどっちみち私は聴かないので、どうでもいいけどね(^ω^)

 データ・・・五代目 古今亭志ん生 明治23(1890)年6月28日〜昭和48(1973)年9月21日 享年83 前名=七代目 金原亭馬生 出囃子=一丁入り 本名=美濃部孝蔵 紫綬褒章 勳四等瑞宝章
 
 データ・・・三代目 三遊亭金馬 明治27(1894)年10月25日〜昭和39(1964)年11月8日 享年70 前名=圓洲 出囃子=本調子鞨鼓(かっこ) 本名=加藤専太郎
 
 ちなみにこの写真の説明が鈴本の楽屋となっているのですが、昭和36(1961)年冬の東宝演芸場の楽屋のようです。ここで「三代目」と云ってるのはもちろん三代目 柳家小さんの事です。

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何かととげとげしい会話の多い時代になってしまいましたが、
さすが噺家さんの対談はその話題の奥が深く味気があっていいですね。

藪師匠今年はいろいろとお騒がせを致しました。
これに懲りずに来る新年も宜しくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えください。(笑顔)♪

2011/12/31(土) 午前 8:10 エキ

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この音源は以前聴いた事があります。
初めて聴いた時は鳥肌が立つ位興奮しました。(本来、鳥肌ってこういう時には使わないのですが・・・すいません)
落語以外の志ん生師の会話等を聴いていると、実に良い事を言っていますね。
本年も色々とお世話になりました。有難うございます。
来年もお邪魔致しますので、宜しくお願い致します。(^^)
どうぞ、良いお年を・・・

2011/12/31(土) 午前 8:20 shobuen2

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===
ちなみにこの写真の説明が鈴本の楽屋となっているのですが、昭和36(1961)年冬の東宝演芸場の楽屋のようです。
===
この頃です、カミサンが(当時は若かった)東宝演芸場の楽屋へ出版されたばかりの圓生全集をもってサインをもらいに楽屋へ何度か顔を出したのは。
文楽が「やぁいらっしゃい」と言ってくれて、円歌(先代)が墨をすってくれて圓生が黙ってサインをしてくれたのは。
そういえば私も若かった頃があったんだ。

2011/12/31(土) 午前 10:46 hig*s*ida*e

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これは落語ファンにとっては垂涎ものですね。この対談にはいろいろな話が出て来てますね。これから二人の落語を聴く上でとても参考になります。
今年も大変お世話になりました。いろいろと教えてくださりありがとうございます。来年もどうぞよろしくお願い致します。良いお年をお迎えください。

2011/12/31(土) 午後 3:15 [ えび助 ]

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*エキやん。。
いや、志ん生と云う素晴らしい噺家だからです。金馬さんは、他の噺家とだったらこんなに打ち解けた会話はしないはずです。この音源をお聴きになると、如何に志ん生が落語好きなのかがお判りになるでしょ? (^∇^)

ああ、そうそう。この前、谷根千の取材に行った時、「夕焼けだんだん」の階段の上から見える左側の小間物屋さんの日除けが志ん生一家の写真ではなくて、他の噺家の写真に変わってました。あの店は結構奥行きが無くて狭い店なんですけど、志ん生一家のグッズが置いてあるので、志ん生ファンの方は見物に行くのもいいですね(^∇^)

あの商店街の酒屋さんで志ん生の事を聞いてみるのも楽しみですね(^∇^)
エキやんも、足を養生していいお年をお迎え下さい(^∇^)

2011/12/31(土) 午後 4:44 藪井竹庵

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*菖蒲園さん。。
この音源はウチでも数年前に出していました。
いや鳥肌でいいんですよ。私だってこの音源を最初に聴いた時には、思わず座り小便するかと思いましたよ(^ω^)

一流の噺家ってのは、落語以外のお話でも「味」があるんですよ。圓生の芸談でもそうですしね。一つの落語を仕上げるまでには、どれだけの事を考えて苦労を重ねて仕上げているんだと云う事が判って・・・やっぱ凄いなって思いますよ。

私は談志の落語は評価しませんが、談志の落語に対する芸談は、当代随一だったと思います。今年一年、菖蒲園さんには実にいろんな事を教えていただきました。私はだんだんボケて来ちゃってますが、私が怠けていたら、叱り付けて下さいね(^ω^)

よいお年を・・・

2011/12/31(土) 午後 4:45 藪井竹庵

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*けんちゃん。。
「昭和の名人は遠くなりにけり」と云う、私がアレンジしたフレーズがありますが、法師さんは大師匠たちの高座を実際に知っている語り部なんですから、どうぞお体を大切にして、私のような若輩者が落語に付いて間違った事を書いていたら、ドシドシ指摘して下さい。

どうぞ、よいお年をお迎え下さい(^∇^)

2011/12/31(土) 午後 4:46 藪井竹庵

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*えび助君。。
えび助君が復帰してくれて、たくさんコメントを書いてくれるので、ほとんどやる気をなくしていた私も、記事を書く気力が沸いてきましたよ。その意味でえび助君には感謝しなくてはなりません。

まあ、落語と云うのは人生に於ける様々な知恵を語っていると思います。昨夜、日テレでやっていたクイズ王選手権みたいなのを、他に碌な番組をやってなかったので見ちゃいましたが・・・あんなクイズは過去の遺物であって、知識なんてのはネットで検索すればクイズ王に簡単に勝てるんです。

問題は、その知識をどのように生かすかと云う知恵なんです。知恵を身に付ける最善手は、いい落語をたくさん聴く事です。私は命の続く限り、このブログをやり続ける覚悟ですから、来年も五万と落語の記事を書きまっせ! (^ω^)

私がその演目をどう解釈するかと云う事を、肩の痛みは春先に暖かくなれば無くなると思いますので、ガンガン行きますから、私の考察に挑戦してきて下さい。冬休み中だと思うけど、あんまり羽目を外さずに怪我をしないように、新年を迎えて下さいね(^∇^)

2011/12/31(土) 午後 4:48 藪井竹庵

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あけましておめでとうございます。
新年明けてから歳末対談を聞いちゃいました。改めて志ん生師匠のすばらしさを感じることができました。特に三代目小さん師匠の話の後の芸談はすばらしかったです。こういう名人の高座を生で聞くことができたなんて、うらやましい限りです。

2012/1/1(日) 午前 11:44 [ けんぱ ]

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*けんぱさん。。
おめでとうございます。
志ん生は若い頃はまったく売れなかったから、誰よりも稽古に打ち込んだ噺家だったと思います。みんなが起きている時は酒飲んでるけれどもすぐに寝ちゃって、夜中に起きてから稽古をしていたようです。その時間には住み込みの弟子なんかは寝ちゃってるから、誰にも稽古をしているのが判らなかったらしい。

ぞろっぺに語っているように見せて、それらはすべて計算ずくでやってるから凄いんです。

2012/1/2(月) 午前 5:53 藪井竹庵

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昭和31年ということは、志ん生さんも金馬さんも噺家として最も充実していた時期の録音ということになりますね。
金馬さんの「志ん生さん、おめでとう」という言い方が実にぶっきらぼうで、そのくせ実は照れ臭さが感じられることに微笑ましさを感じました。
御両人の人柄が垣間見える意味で貴重な対談であり、貴重な音であると思います。

2012/1/3(火) 午後 4:43 [ mannennetaro2005 ]

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*万年さん。。
大師匠たちが対談している音源ってのは、これ以外に知りませんが・・・照れくさくてやりたくないでしょうね。

志ん生の対談相手が金馬さんじゃなくて、圓生だったら? とか、文楽だったら? とか、正蔵だったら? って考えちゃいますが・・・やっぱり気さくな金馬さんが適任でしょうね。金馬さんにしたところで、志ん生以外の誰ともこう云う対談はやりたくないでしょうね。

2012/1/4(水) 午後 9:32 藪井竹庵

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