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山と遊び、咲き競う花々を愛でるページです

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死顔

吉村 昭の虜になったのは、40年ほども前に読んだ「高熱隧道」が始まりだ。
彼の本は大部分読んでいて、つまらないと感じたものは一つも無い。
私の好きな小説のジャンルは、何と言ってもノンフィクションだから、この吉村 昭の事実・史実を下敷きにした読み物は私にぴったりと言える。
その彼の死は、この遺稿とも言える「死顔」の後書き部分で、妻である津村節子によって詳しく記されている。
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「漂流」「羆嵐」「戦艦武蔵」「三陸海岸大津波」「破獄」「冷たい夏 暑い夏」「水の葬列」「桜田門外ノ変」「日本医家伝」など、数え上げればキリが無い程代表作は多い。
丹念な資料の読み解きと、現地へ足を運ばねば筆を進めぬ姿勢が、全ての行間に行きわたっている。

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芥川賞

最近、いろんな賞が出来てきたから、本当はどの本に値打ちがあるのか分からなくなってきた。
最も普遍的な芥川賞と直木賞でさえ最近は怪しくなり、特に芥川賞なんて読んでもさっぱり理解できないものが多くなってしまった。
私が初めて読んだ玄侑宋久の小説は「アミターバ 無量光明」と「アブラクサスの祭り」だったと思う。彼は僧侶だけあって、魂の救いみたいなのをテーマにしていて、難解な部分が多いけど、「そうそう、それって分かるわ」と得心のいく部分もある。
そして2001年の芥川賞「中陰の花」。芥川賞もこれ以降に私の限界を超えてしまったような感じがしている。
 
今回読んだのは「リーラ 神の庭の遊戯」
結構期待しながらページを繰ったが、これまでのものに比べると。。。だったかな。
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同じく僧侶で作家の瀬戸内寂聴との対話「あの世 この世」、これはなかなか面白かった。

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芸は身を助く

乙川優三郎という作家を知ったのは10年ほど前に読んだ「『霧の橋』:時代小説大賞」で、その後「『五年の梅』:山本周五郎賞」、『喜知次』、『むこうだんばら亭』、「『生きる』:直木賞」、『さざなみ情話』と読み継いできた。
 
そして今回、文庫としては一番新しいと思われる『逍遙の季節』。
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私が知る限りで言えば、彼の小説には必ず花が現れる。
この「逍遙の季節」には7つの短編が収まっているが、やはり全てに花が出てくるから、きっと花好きな作家に違いない。

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大江戸釣客伝

大昔の話しになるが、泉鏡花の「高野聖」を読んで、こんな分野の小説もあるのだと知り、その後しばらくして夢枕獏の本に出合うことになった。
夢枕獏といえば陰陽師安部清明だが、10数年前に全く分野の異なる山岳小説「神々の山嶺」を書いて、確か柴田練三郎賞だったと記憶する。マロリーは本当に山頂に立ったのか?という内容の、大変面白い読み物だった(最近文庫化された)。
 
その夢枕獏が、またまたコロリと分野の違う「大江戸釣客伝」を発表、2011年に泉鏡花文学賞、そしてつい最近、これで吉川英治文学賞にも輝いた。
図書館で予約、10日間待ってやっと届き、22日(日)は終日の雨だったから、私も終日これを読んだ。
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将軍徳川綱吉が次々に発する「生類憐みの令」の下で、釣りに人生を掛ける人々の様子に、松尾芭蕉やその弟子其角、水戸光圀に紀伊国屋文左衛門、赤穂浪人の討ち入りまでが絡んでいて、一気に読み終えた。
 
『人とはどのような者でも、その裡に様々なる貌をもっておる』が、『釣りをいたしますおりにあらわれる貌こそが、その人物の本当の貌に一番近いのでは』
                   とか
『人は淋しい。人は愚かだ。その淋しさや愚かさ哀しさや、愚かさの深さに応じて、人は釣にゆくのであろう。人は弱い。その弱い人間がすがる杖、それが釣りなのではないか』
 
さてこの「釣り」を、何かに変えて自分を見つめると、かなり面白い。

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魚の棲む城

3日(火)の天気は大荒れだった。
もう台風そのもので、我が家辺りは13:30から14:30に掛けての雨は尋常でなく、雨樋から溢れた水が滝のように流れ落ちるのだから驚く。
まあしかし、桜が開花する前で、それは幸運と捉えねばならない。
近畿各地の桜の開花情報、90%以上がまだ蕾とある。
 
半分ほど読み進めていた平岩弓枝の「魚の棲む城」、これを読み終えた。
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足軽の子として生まれた田沼意次が、徳川9代将軍家重や10代将軍家治の信任を得て、一介の旗本から相良藩5万7000石の大名にまで進むが、しかし晩年、松平定信など反田沼派の策謀により減封・蟄居を命じられ、相良城も打ち壊しとなってしまう。
松平定信と田沼意次の政治的死闘は名高く、どちらかと言えば悪役扱いされる意次だけれど、平岩弓枝の手にかかり、涼やかな快男児としてよみがえっている。
 
魚の棲む城とは妙な題名だと思いつつ読んでたところ、意次は幕府財政立て直しのためには、鎖国政策を解く必要もあると考えていたようで、相良の湊に世界各地から「魚」の集まってくる時代を夢見ておったという意味だった。

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