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8924 あまりに露骨なリサ・パートナーズの株価の急落

リサ・パートナーズの株価が急落しています。

今日の終値は、29900円。とうとう、3万円を割ってしまいました。
ほんの半年前まで5万円から6万円。少し前にも4万円前後を保っていたのに、ここ数日の急落はどういうわけなのでしょうか。不調が目立つ株式市場の中でも際立っています。

何か悪材料があるのかと狼狽したり、割安と見えて買い増して、損失を抱え込んでいる株主も多いかと思います。

さて、今回、リサ・パートナーズを取り上げたのは、株価の急落ぶりがあまりに露骨だからです。誰がどういう意図をもって・・・という観点からみると、今回の急落は非常にわかりやすい気がします。
以前、ライブドアで話題となったMSCBが久しぶりに登場してきます。


リサ・パートナーズは、平成22年3月3日に総額90億円のMSCBを発行しました。
参考までに。


これをみれば分かるとおり、当初転換価格は、5万1415円ですが、この転換価格は、その後の株価の動きに応じて転換されます。ちなみに下限転換価格は、当初価格の60パーセント。3万0849円となります。そして当初転換価格で転換されれば、発行済み株式数は59.86パーセントの増加、下限転換価格で転換されれば、発行済み株式数は99.77パーセントの増加とほぼ倍増します。


では、転換価格はどうやって決まるかというと、今回の場合、平成22年12月22日に先立つ45取引日目に始まる30連続取引日の終値の平均額(決定日価格)が当初転換価格を1円でも下回る場合は、平成23年1月4日に決定日価格に修正される、となっています。


一見ややこしい書き方で、一読では何のことかよく分からないかもしれません。
ですが、冷静に読み解くと案外簡単な話で、

平成22年12月22日の45取引日前(平成22年10月15日)から30連続取引日(平成22年11月30日)までの終値の平均額に修正されるということです。


今日は10月21日。決定日価格を決める30連続取引日にちょうど入ったところと考えれば、最近の不可解な急落は、わかりやすいのではないでしょうか。この30日間の株価によって転換価格が決まり、新株予約権を取得した金融機関が何株の新株を手に入れられるかが決まると考えれば、誰が何のために売っているかも明らかでしょう。取引量もぐんと増え、下限転換価格を割り込もうかという水準まできました。


後は、転換価格を下げきったところて、今まで空売りをさんざんしてきた新株引受権を引き受けた金融機関が、1月4日に安い価格でいっせいに転換して新株を取得し、借株を返還すればすむだけ。個人投資家を馬鹿にした取引は多くされていますが、今回はあまりにみえみえの露骨なやり方といえそうです。


さて、この後はというと、株価についてはそろそろ底が見えつつある水準になったように思われます。私の経験では、MSCBが発行された多くのケースでは、下限転換価格を少し割ったあたりで株価がとどまるのが多いように思います。

理由は、いくつかあります。

一つは、新株引受権を引き受けた金融機関からすれば、これ以上株価が下がってもメリットはありません。高い値で売っていた借株を市場で買い戻さずに安く手に入れた新株で返すから利益が出るわけです。そうすると、下限転換価格を下回った場合は、売っても損失が出るだけですから、これ以上売り込む動機はありません。
第二に、やはりこれだけ下がればかなり割安になります。理由はあるとはいえ、すでにかなりの調整を終えたわけですから、ここから先はある程度の底堅さが見えてきます。
第三に、いくら新株予約権があるといっても株数には限度かあります。取得できる新株の数を超えて空売りをするわけにもいきません。万一株価が上がった場合には、踏み上げに備えて空売りでの損失を吸収するため、すべての新株を空売りしないというやり方もあるでしょう。要は空売りができる株数には限界があるということです。


ただ、では、ここから上がるのかというと、すぐに上がることは見込みにくそうです。

新株引受権を引き受けた金融機関からすれば、下限転換価格付近を株価がうろうろしてくれれば、その分転換価格は安くなるので、下限転換価格をある程度上回ってくれば、空売りをして株価をおさえようとするでしょう。
また、下限転換価格を上回ったところで空売りをすれば、それよりも安い下限転換価格で手に入れた株式で借株を返還できますので、やはり得をするということになります。

そうすると、転換価格が決まる11月30日ころまでは、株価の上昇は見込めなさそうです。また、11月30日になっても、株価が下限転換価格を上回っていれば、なおしばらくは空売り圧力が続くかもしれません。
もっとも、どこか大口の機関投資家が、その裏をかくつもりでうんと株価をつり上げれば別ですが、個人投資家が小口で参戦しているだけでは、なかなかそれは望めないのではないでしょうか。現在の時価総額は、たかだか90億円程度ですが・・・。



しかし、これを見ても分かるように、日本では相変わらず、機関投資家や発行会社が個人投資家である株主を食い物にする構図が見て取れます。こんなことが続く限り、日本の株式市場に朝はやってこないかもしれません。


証券取引所が是正しようとしないところにも失望は隠せません。なんだかんだいっても、株離れが進む個人投資家はみんなよく分かっているということではないでしょうか。

発行したリサ・パートナーズの方々は、自社に投資してくれている多くの個人投資家の方々が損失を抱え込む今回の事態をどのように思っているのでしょうか。あまり近づかない方がいい会社といえるかもしれません。

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