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[The Informant! (2009)]
ジョージ・クルーニー製作、スティーブン・ソダバーグ監督、主演マット・デイモンというお友達映画である。
例によって「事実に基づいた映画」なのだ。
会社名の "ADM" は、日本人の耳には "ATM" に聞こえる。
これは実在する「アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド」社である。
穀物メジャーといえば、超有名な「カーギル」社と "ADM" しかいないのだ。
そんな国際企業の副社長マーク・ウィテカーであるからして、パリ・チューリヒ・東京・メキシコ・ハワイを、肩で風切って飛び回るビジネスマン。
専攻は生化学、出身校はコーネルである。
当然ながらゴリゴリの資本主義信奉者であり、会社にはリンカーンの肖像画や白頭ワシの像が飾られている。
訪問先のアンハウザー・ブッシュ社(実在)の受付ホールにも、巨大なワシの像が展示されている。
星条旗が誇らしく掲げられた自宅がまた凄い。
「風と共に去りぬ」に登場するような南部コロニアル様式で、車は真っ赤なポルシェなと八台を所有。
さて、「リジン」(リシン lysine)は、劇中では「ライシーン」と発音されている。
わが味の素社は、このアミノ酸を大量生産しており、その原料はアメリカ産のとうもろこしなのだ。
そのモロコシを仕切るのが、穀物商社のADMというわけ。
日本の連想から、マークは妄想する。
日本のスシのトロはスペイン語と同音だな、日本にはパンティの自販機があるな、、云々。
大会社の幹部でありながら虚言癖のあるマークは、味の素社のリジン価格談合をFBIに垂れ込む。
盗聴装置を与えられて舞い上がったマークは、すっかりスパイ気取り。
あることないこと、周囲に吹聴して回るのであった。
FBIの内部通報者としてのマークの秘密の生活は二年半に及び、おびただしい録音テープを提供した。
証拠を固めたFBIは会社幹部を一網打尽にするのだが、この期に及んでようやく「事件」は、すべてマークのでっち上げだったことが判明してしまう。
そしてADM社は、マークが書類を偽造し、会社のカネを横領していたことを発見する。
この盗みを隠すために価格談合事件を吹聴したというのだが、さて本当なのだろうか。
横領した金額は5億円なのか11億円なのか、マークは明言しない。
会社自体は、当局に500億円の罰金を科せられてしまう。
マークは9年服役するが、女房のジンジャーは釈放まで待っていてくれた。
現在マークは立派に会社を立ち上げ、社長を務めているというから笑える。
ちなみに、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド社と味の素、協和発酵の国際カルテルの謀議は実際にFBIに隠し撮りされ、公開されて大騒ぎになった経緯がある。
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