よっちゃん流ノイズ処理(第3弾)最終回
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画像処理技術がますます必要とされる天体写真表現。 そして、かつての写真愛好家には解せない、そんなデジタル暗室作業を推進する私。 今までネット上で、それにまつわる色々な批判記事をみかけました。 慣れっこで、何も気にはとめませんが・・・。 そんな僕ですが、ひとつだけコダわっているものがあります。 それは、 ブラシワークなど、アクションで再現不可能な処理は使用しない。 ということです。
これに依存している方、いるでしょうか。 これは邪道なので、極力控えましょう。 例えば人工衛星とか強烈なゴースト除去とか、天体情報以外から来るごく限られた不自然な対象の 処理のみにとどめるなど・・・ご自身で線引きをしポリシーとされると良いと思います。 さて、先日からすすめていた「よっちゃん流ノイズ処理」。 正直言って、僕は悩んでいました。 何に悩んでいたかというと、それは処理の解説方法です。 自分で手癖を披露するのは簡単なのですが、それを文書と写真で解説する表現力が僕には足りません。 以下をご覧下さい。 自分の手癖をアクション記録したら、実にこんな膨大なものになってしまいました。 (所要時間はあっという間なのですが・・・) これをひとつずつ、丁寧にやさしく解説するなんて・・・僕には無理です。 たかがちょっとノイズを綺麗にしたいがために、こんなことをしてるんですね。 けど、僕は思います。 ブラシでノイズをゴリゴリやるよりは、よほどマシだ。と。 ブラシはお絵かきですよ、決して頼ってはいけません。 ・・・というわけで、手順を全て写真で解説するというのはとうてい無理です。 なので、今回は特別に元画像とアクションをダウンロード出来るようにしてみました。 興味のある方は、以下をダウンロードしてみて下さい。 興味のない方は、いつもの通りスルーして下さい。
<手順>
1.zipフォルダをデスクトップなど、分かりやすい場所に保存する。 2.zipフォルダを展開し、画像をフォトショップで開く。 3.添付のアクションファイルを読み込み、開いた画像に対して実施(再生)する。 4.処理前と処理後の効果比較、その他アクションの分析等にお役立て下さい。 ちなみに、以下が今回の添付画像(添付フォルダの画像を使って下さい。) すでにノイズ処理をした素材をさらに処理しますので、効果てきめんというわけではありません。 しかし、地味に玄人的なことをやっています。 効果比較をする際は、是非200%以上の表示倍率でご覧下さい。 さて、アクション提示だけでは不親切なので、今回は僕なりのノイズ処理論について解説しましょう。 ノイズ処理には、3つの要素があります。 それは、「ぼかす、こする、ねかす」です。 ぼかすはそのままですね。 こするは、ダスト&スクラッチなどを指します。 ねかすというのは、トーンカーブなどでカーブの傾斜を寝かせることを意味します。 そして、 この中で最も効果があり、かつ使用の難易度が高いと思われる処理が「ぼかす」です。 今回は、このボカシのノイズ処理をピックアップしたというわけですね。 では、なぜこの処理が難しいのか? ノイズをボカした際の副作用、つまり処理を果たす際に色々な邪魔がつきまとうからです。 つまりノイズ処理というのは、それを除外すべき要素との戦いに終始します。 たとえば前回の記事でお話した、星の周りがモヤモヤになる現象。 これもそのうちのひとつですね。 あれを解消するには、ひとつトリックがあります。 皆さん、ひょっとしてボカした画像に星マスクをかけてやるというのが正解だと思われなかった でしょうか? それでは、どうしても星の周囲の輝度あがりが排除出来ません。 つまり、どういうことかというと・・・ 星というのは、そもそも除外要素であって比較(明)にせよ星マスク併用にせよ 「ボカしてはならない」のです。 だって星って輝度が高いじゃないですか。明るいですよね。 それをボカすと、周りのバックグラウンドも当然輝度が若干なれど上がってしまいますよね。 それを比較(明)で合成すると、当然星の周囲のモヤモヤは改善されないままです。 ボカシでのノイズ処理をする際は、
なので、まずは精密な星マスクを作り、そこから星範囲を除外したコピーレイヤーを作成するという のが正解です。 手順をまとめましょう。 1.星マスクを作成する。(微光星までしっかり抜き出すこと)
2.星の選択範囲を読み出して、任意の範囲拡張をする。 3.選択範囲を「反転」 4.ここが重要。「レイヤー」→「新規」→「選択範囲をコピーしたレイヤー」で、星以外だけを 抜き取ったレイヤー画像を上層に配置する。 そしてはじめて、その画像をボカすわけです。 星のマスキングは使いません。 合成方法は大抵は比較(明)で事足ります。 さらに、最初の星マスクから読み出した選択範囲を、先ほどボカしたレイヤー上にあて「消去」 してやることで、星のブランク部分に周囲背景のボケ情報が及んでしまった事の影響をキャンセル 出来ます。これは奥の手として合成方法を比較(明)ではなく「通常」にする際においては必須作業 です。 ここまで理解出来たでしょうか。 ブログ閲覧的な流し読みでは、きっと理解出来ないと思いますので(笑)、習得されたい方はじっくり と文章を読み直してみて下さい。 もう一度言いますと、 「星など、ボカすことによって輝度の平均値を上昇させるような対象は極力除外したレイヤーを作成する」 ことが非常に重要です。 ちょっと画像処理にたしなみのある方なら、よくボカシまたはD&Sを比較(明)で行った際、処理前 と処理後で全体の輝度が上がってしまっている、ということを経験ないでしょうか? これはすべて、上記が原因です。 さて、次にノイズ処理でやっかいなこととして、
このブログをよくご覧頂いている画像処理に熱心な方なら、その解決法はすぐ分かりますね。 これはいわゆる「輝度マスク」を使い、明るい星雲部分には効果が及ばないように除外してやります。 いまさら説明の必要はないとは思いますが、気になる方やご存知ない方は添付のアクションを解析して みて下さい。 そして最後に、もう一つだけ難関があります。 それは、
これを経験された方は、大勢いらっしゃるのではないかと思います。 ひょっとしてブラシでマスクの暗黒部を黒く塗りつぶしてませんか? これは数学的に言うと、スマートな解ではありませんね。 この問題についても、よっちゃん流ノイズ処理についてはほぼクリアーしています。 方法は何か? 解答を演算式に示すと
することが可能だというわけですね。 ただし、この方式に沿って暗黒マスクを作成すると、除去したいノイズ成分までをも拾ってしまいます。 なので、このマスクに対してD&Sなどをしきい値やピクセル半径を試行錯誤し暗黒部のみ摘出して やるというわけです。 というわけで、解説は以上です。 いかがでしょうか? レベル強調しても破綻の少ない余裕のある画像が得られます。 今回の処理は、適切なノイジーな作例がなかったためとりわけ効果の分かりやすい例ではなかった かもしれません。 しかしノイジーな作例では効果てきめんで、これを習得すればノイズ処理技術は格段に向上するでし ょう。 いえ、ひょっとすると「ノイズ処理」という表現は適切ではないかもしれません。 鑑賞天体写真として、必要な情報を抽出し不要な情報を「省略」する作業。 と言えばより忠実かもしれません。 マルチバンドマスク(MBM)などの解説は、こういった技術を皆さんが当たり前に習得されてから でないと響かないと思いますので先延ばしにします。 決して隠しているのではなく、響かない情報を無駄にバラまきたくないのです。 皆さんと一緒に、序々にレベルアップ出来たら良いですね。 最後に、このアクションはこのM42画像に最適化されたパラメーター設定なので、他の画像では
使用効果が得られないと思います。 なのでアクション1発処理に頼らず、発想や手法の習得を第一にトライしてみて下さい。 また、先日私に無償で鏡筒バンドを下さった暖かなお方にお礼を申し上げます。 こんな解説ですがよろしいでしょうか。 すっかり遅くなりまして、申し訳ございません。 分からなければ、何なりとメールを下さい。 |
