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2012年センター試験日本史B解説・・・その(3)第3問13〜18まで

前回の続き。
 
<13>について。
鎌倉3代将軍実朝は知っていなければならない。公暁が利用された謀殺事件・金槐和歌集でおなじみの人物。実朝もわからないとなると、猛省が必要だと思う。

「愚管抄」と「吾妻鏡」。ポイントは作者が幕府関係者かそうでないか(私的個人か)。「愚管抄」の頻度は入試では高いから、みなさんご名前ぐらいは存知だと思う。作者の慈円は僧である。内容は武家台頭(いいかえれば公家没落)を道理と仏教思想によって理論化したもの。「吾妻鏡」のほうも名前はしっているはず。幕府関係者による日記体の記録書物である。たとえば守護・地頭配置などが記してある。

ただそれぞれの書物の内容については意外と知らない人もいたと思われる。それでも中堅校以上の受験するなら、本当は最低でもどちらかの内容は今からでも簡単にでも押さえておく必要はある。
内容を知らなかった場合あとは「勘」ということになる。それでも「慈円」「愚管抄」のイメージからは、「いきいきとした幕府」という感じはないはず。結局は「吾妻鏡」を選択できた人はかなり多かったのではないか。

答えは③。正答率も高かったはず。

<14>について。
 Xの内容「頼朝以来の先例・道理」は御成敗式目の典型的説明だから問題ないはず。当然正しい。
Yについては、武士が権力を握っていた時代であっても、朝廷(あるいは公家)の存在を全く否定していたのではなく、一定程度認めていたことは容易にわかるはずだ。それはたとえば江戸時代の「武家諸法度」と「公家諸法度」のこと考えてみればわかる。鎌倉時代もそれは同じで、「否定」するはずがない。御成敗式目はあくまで武家を対象としたものである。よってYは誤り。

答えは②。やはり正答率は高かったはず。

<15>について。
②の足軽の出現は戦国時代(江戸時代のものはここではふれない)。戦国の時代劇で傘と槍(あるいは鉄砲)をもって戦う姿はよくお目にかかるはず。③は室町期。④の「借上」は金融屋さん。運送や中継ぎ(流通)とは関係ない。①の「悪党」の異様なかっこ(姿)は、教科書や資料で見た人も多いと思う。「悪党」は鎌倉後半期でその素行不良(というか「ならずもの」的集団・・・荘園侵略など)には幕府も手を焼いた。

よって答えは①。基本的知識がしっかりしているかが問われた問題だと思う。間違えた人は猛省が必要。基本的レベルである以上正答率は高かったと思う。

 
<16>について。
建武の親政・南北朝期から室町期の先後関係を問う問題。キーポイントなる語句は「足利義持」「護良親王」「日本国王」。義持は4代。護良親王は鎌倉幕府打倒期に活躍した人物。日本国王は「日本国王臣源」のことで義満の明への服属を示す署名。義満は3代将軍。義満が分かればⅢとⅠの後先関係は容易。護良は南北朝や室町期に見かけた記憶はないはず。だとすれば、建武の親政前後かな(楠木正成なんかといっしょの頃かな)という推論を働かすことはできると思います。

答えは④。
間違えた人は護良親王や倭寇の存在時期の理解が甘かったり義満と明との国書の関係が分からなかった人だと思う。前者については「倭寇=室町時代」の知識だけではこういう問題はしんどい。むしろ護良の知識の語句のほうが頼りになる。後者(義満の)のことは受験生なら必須知識。
とはいえ今年の問題の中では、他の問題と相対的にみてやや難しい方の部類に入ると思います。

 
<17>について。
写真が金閣か銀閣かは教科書にものっているからわかるはず。
両者の見極めは容易にできる。「2階正面に同じ窓3つ」が銀閣である。そして北山金閣・東山銀閣は中学生レベルの知識。銀閣は北山ではない。
銀閣の下層の書院造も基本的知識。室町期は念仏宗(浄土真宗もそう)より禅宗が幕府に保護された時代。濃絵は桃山期でこの当時ではない。

答えは③。
②や④について知らなかった人でも、とりあえず中学生の頃のこと(北山金閣や書院造は室町時代に始まって室町時代の代表は銀閣)を覚えていれば容易にできたこと思う。
正答率は高かったはず。
 
<18>について
①に関する一向一揆は一向宗(浄土真宗)を通じて団結した門徒たちが起こした一揆。加賀の一向一揆と守護の富樫氏のことは受験問題的にはあまりに有名。「近江の馬借と正長の土一揆」とならんで必須知識。ほかにも「法華経(日蓮宗)門徒による山城本願寺の焼き討ちの法華一揆」などがある。今年のセンター試験予想その(7)で記したテーマでもある。また④についても桶狭間と今川氏のことは、受験問題というより常識問題といえます。

ただ②と③については意外と細かい知識といえる。余談になるが一般には歴史で戦国時代を好きな人は多い。しかし受験では戦国時代の出題頻度はそれほど高くない。その点ではわりと勉強した受験生でも、両肢の選択では運任せの解答になった人も結構いたと思う。毛利元就が陶晴賢を滅ぼしたのはその通り。伊豆の堀越公方を倒したのは北条早雲で北条氏康ではない。

答えは②。
今年の中では相対的にみて難しい問題の部類にはいるといます。

今回の中で<16><18>は8割後半から〜9割台をとるキーポイントとなる問題だったと思います。

それでは体調に気を付けて、受験生の皆さん本番頑張ってください。

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