第21話[Divining Rod]
 あらすじ
 オクラホマ州の連続殺人犯ロドニー・ギャレットの死刑が執行される。
 犠牲者は若い金髪の女性ばかり25人も被害にあっていた。
 同じ頃、同じ手口で同じタイプの女性が殺され、髪を切り取られていた。

 ギャレットは獄中で2度襲撃されており、そのたびに死刑が延期になった過去があったため、なにものかに命を狙われていたことがわかる。また最後の言葉は古典「千夜一夜物語」(*3)で、教養が小学生レベルのギャレットがどこから知識を手に入れたのか疑問がわく。
 ロッシとエミリーは、ギャレットの長年連れ添った妻ヘレンから、祖父はダウザー(*1)で、父からダウジングロッド(Divining Rod)(*1)に例えて「男に潜む悪を見つけられる」と言われたことを聞く。

感想
 途中までは連続殺人鬼と結婚してしまった病弱なヘレンに同情してしまいました。そして第二の連続殺人鬼に目をつけられてしまうなんて運が悪いと。病気の負い目からギャレットに尽くす姿が第二の惨劇を招いてしまったのかなーと。
 しかしディランに「殺せとは言っていない」発言。そこから疑問がふくらんで、そのまま結末につながるのは驚きでした。
 ヘレンのギラギラした目と犯人の純真そうな目の対比が強烈。

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(左からエミリー、ロッシ、手前が占い棒を持ったヘレン)


「劇中キーワードいろいろ」

(*1)『ダウジング』(Dowsing)
 特殊な道具を使って地下水や鉱脈などを見つける方法。
 歴史は古く、オカルトに寛容でそれほど水に恵まれていないヨーロッパやアメリカ、アフリカでは今でも行われている。
 道具:振り子やロッド・ダウジング(L字形の棒)が使われる

 劇中に出てくる祖父の発言や、ヘレンの発言「天啓を受けた」の背景には、特別な力でダウジングを行う"ダウザー"の孫娘ヘレンという設定がある。
[ダウジング - Wikipedia]
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A6%E3%82%B8%E3%83%B3%E3%82%B0)(日本語版)
(https://en.wikipedia.org/wiki/Dowsing)(英語版−写真が豊富)
[ダウジング|日本ダウザー協会公式サイト]
(http://www.j-dowsing.com/)
[水脈や鉱脈を探知できる? 「ダウジング」の検証](実例や検証が豊富なブログ)
(http://www.nazotoki.com/dowsing.html)


「死刑の方法」
 アメリカでは州によって死刑の方法が違い、ウィキペディアなどによると、舞台となったオクラホマ州では薬物・電気・銃撃の中から選択できるとある。しかしImdbのトリビアでは薬殺であり、劇中(2013年)でギャレットの希望により銃殺になったのはおかしいとの指摘(*2)もある。
 これは制度をとりまく環境が2009年頃から激変していることからきていると思われー。
(*2)["Criminal Minds" Divining Rod (TV Episode 2012) - Trivia - IMDb]
(http://www.imdb.com/title/tt2336719/trivia?ref_=tt_trv_trv)

 えーと、CNNのニュースによるとオクラホマ州では薬物による執行ができなかった場合、電気か銃撃のどちらかを選べることになっていましたが、薬殺に使用するチオペンタールが2009年に製造中止に。
 自動的に電気か銃撃のどちらかの選択肢しかなくなってしまったわけです。その間に試行錯誤でかわりの薬物を使用したところ、2014年、2015年と立て続けに失敗。世論の圧力を受けてニュース時点では死刑を中止しているそうです。
[CNN.co.jp : オクラホマ州で「窒素ガス」使用の死刑導入へ、米で初めてか]
(http://www.cnn.co.jp/usa/35063390.html)

 アメリカでは5分の3の州で実施されている死刑ですが、無用な苦痛を与えるべきではないとして、失敗の多い銃撃、電気は避ける傾向にあります。矛盾しているように感じますが、死刑に確実な効果がある薬剤が国内で製造できるようになるまでこの問題は続くのかも。


(*3)『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)

ギャレットの最後の言葉は:
 ”彼女はまるで幸せな夜の満月 魔法の力を持つ腰のくびれ 人を和ませる…
 光に映える深紅の頬 腰にしだれる漆黒の髪 心を許すな その巻き毛は毒蛇の牙 柔らかな脇腹は絹のよう 岩のごとき心は奥に隠され目に見えぬ…
 命ある限り 過去の責めを負い続ける まつげからのぞく彼女の目 その眼光ははるかかなたを射抜く”
(She comes like fullest moon on happy night. Taper of waist shaped like magic might. Her eye hath glances to quell mankind.  And ruby of her cheeks reflect this light. Enveils her hips, the blackness of her hair. Beware of curls that bite with viper bite. )

劇中でガルシアが「誰か出典をあててみて!」とやりとりする場面は
 Penelope Garcia: "She comes like fullest moon on happy night. Taper of waist..."
 (ガルシア:彼女はまるで幸せな夜の満月 腰のくびれ…)

 Dr. Spencer Reid: "With shape of magic might." It's from *The Thousand and One Nights*.
 (リード:(魔法の力を持つ…)『千夜一夜物語』だ)

 そこからなぜギャレットが『千夜一夜物語』を知っていたのかという話しになるわけですが、ヘレンの愛読書だったことから考えると、事件との関係性は
 ・ヘレンは死刑囚を作っては、毎日刑務所に話しを聞かせに行き、ヘレン=シェヘラザードに成りきっている、とか?


『千夜一夜物語』のあらすじ:
  女性不信から国中からさしださせた処女を抱いては殺していたシャフリアール王のもとへ、大臣の娘シェヘラザード(シャハラザード)が嫁いでくる。
 シェヘラザードは毎晩おもしろい寝物語を話しては、途中で「続きは明日」と切り上げ生き延びる。

 ※有名な劇中話はシンドバッドの冒険、アラジンと魔法のランプ、アリババと四十人の盗賊など

(20170218追記 ギャレットの詩は第22夜ではなく、物語の最後でシェヘラザードがシャフリアール王と正式に結婚する時の詩だそうです。早とちりで書いてしまいましたが下記の文章は間違いです)

 ギャレットの詩は第22夜にあたる「大臣ヌーレディンとその兄大臣シャムセディンとハサン・パドレディンの物語」
から。
 生まれる前から結婚する予定だった二人が数奇な運命で離れ離れになっても結局は結ばれる、という物語。

内容は
 美人(*4)兄弟の兄シャムセディン(ジャムズアルディン)と弟ヌーレディン(ヌルアルディン)は、同じ日に嫁を迎え、同じ日に兄に娘、弟に息子が生まれたら、いとこ(*5)になるから結婚させる約束をする。
 しかし二人はもめてしまい、弟は家を出、行方知れずになってしまう。後悔した兄は弟を待って美人の娘を19才(*6)まで手元に置いておくが、美しいという噂を聞きつけた国王に結婚を申し込まれ、事情を話して断るが国王を怒らせてしまう。
 嫌がらせに城中で最も醜い男と結婚することになるが、ジン(精霊)の争いに巻き込まれた弟の息子ハサンが兄の娘と婚礼の一夜をともにし息子アジブをもうける。
 しかし弟の息子ハサンはひと晩で消えてしまい、12年後ようやく探しあて再会する。

詩は、運命の二人が始めて会った婚礼の夜の詩で、
”楽しき夜にかの乙女 満月のごと現れぬ
 腰はすんなり、眉目(みめ)かたち 魔力を宿しうるわしく
 そのまなざしに男らは 心奪われ夢うつつ
 乙女の頬に紅玉の…” と続く
(引用元:バートン版 千夜一夜物語1 大場正史訳、河出書房新社発行、1966年11月発行)

(*4)アラビアンナイトの世界では男女問わず「美しい」は愛でる対象。
 男女問わず性的な対象にされたり、養子にされたり、財産や地位をゆずられたりする。

(*5)イスラム圏ではいとこ婚はたいへん望ましいこととされている。
 現在のアメリカではほとんどの州で禁止されておりヨーロッパでも王族を別として受け入れていない国が多い。
 イスラム圏では父方を中心とした家族制度のため、財産の分散を防ぐためと、女性が男性と同等の地位であるための二つの理由が大きいとされている。一番いとこ婚率が高いスーダンでは5〜80%の数字がでている。

(*6)行き遅れという表現

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第19話[Heathridge Manor]
あらすじ
 オレゴン州セイラムの精神病棟あとで、エリザベス朝のドレスをまとった死体が発見される。水につけられたあとニコチンで殺されていた。
 悪魔教の暦に基づいて拉致殺人が行われ、信者の犯行と推測されるが、その後の捜査で犯人は被害者を魔女かどうか見分けるために水責めの拷問を行っていることがわかる。
 犯人は悪魔をおそれる母親の妄想を受け継いでおり、母親は悪魔から守るためと信じ、犯人の妹の左手を切り落としていた。


感想
 リード役マシュー・グレイ・ギュブラーの監督回。

 シェイクスピア作「ウィンザーの陽気な女房たち」を下敷きにした話しで、犯人は悪魔の女房(花嫁)を殺すことで、悪魔をけん制し、悪魔から妹を守る使命を精神病の母親から託されていた。

 ラストは妹ララに悪魔の迎えがきて、ないはずの左手(ふだんつけている義手ではなく本物の左手にかわっている)を取るというオカルトなシーンで終わっていました。その悪魔がララの妄想なのか、ララは本当に悪魔の花嫁だったのかのどちらとも判断つかない終わり方で印象的。

 考えようによっては、ララは本当に悪魔の花嫁として産まれたから、母親がおかしくなって手を切り落としてしまった。犯人ジェームスも惑わされてララに妹以上の感情を抱いてしまい、彼女を殺せなかった。そして最後のシーンでは義手のまま階段を降りてくるのに、本物の左手で自ら扉を開けていることから、本人は自分が悪魔の花嫁であることを自覚していたかも、などと想像がふくらむ。

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 ジェームス(James Heathridge)役のカイル・ガルナー(Kyle Gallner)と、ララ(Lara Heathridge)役のマデリン・マーティン(Madeleine Martin)もエピソードの雰囲気にぴったりでしたね。

Imdbのトリビアによると、キャストはホラー物から起用されているそうです。
 ["Criminal Minds" Heathridge Manor (TV Episode 2012) - Trivia - IMDb]
 (http://www.imdb.com/title/tt2342615/trivia?ref_=tt_trv_trv)

 ・刑事ガスナー(ロバート・イングランド)は、「エルム街の悪夢(1984-)」の主演
 ・犯人ジェームズ・ヒースリッジ(カイル・ガルナー)は、リメイク版「エルム街の悪夢(2010)」、「ジェニファーズ・ボディ(2009)」、「エクトプラズム 怨霊の棲む家(2009)」など
 ・母親キャサリン・ヒースリッジ(ジュリエット・ランドー)は、「バフィー〜恋する十字架〜」出演
 ・妹ララ・ヒースリッジ(マデリン・マーティン)は、「Hemlock Grove(2013-2015年のホラー物TVドラマ)」に出演


「劇中キーワードいろいろ」

[マナー・ハウスとは - コトバンク]
(https://kotobank.jp/word/%E3%83%9E%E3%83%8A%E3%83%BC%EF%BD%A5%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9-1208073#E4.B8.96.E7.95.8C.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E7.AC.AC.EF.BC.92.E7.89.88)
 マナー・ハウス【manor house】
 "中世イギリスの荘園(マナー)領主の邸宅をいう。城郭に比して,防備的性格の希薄なものをさし(略)城郭よりもはるかに住み心地がよかった"
 タイトルのヘルスリッジ・マナーとは館の名前。城郭の次にマナーハウスが作られ、治安の向上により住み心地を追求したカントリーハウスに発展したそうです。


『セーラム魔女裁判』
 マサチューセッツ州セイラムで1692年に起きた魔女裁判。一年以上混乱が続き人口1700人中200人が逮捕されるという異常事態に発生した。
 今回の舞台オレゴン州セイラム(Salem)の地名は、マサチューセッツ州のセイラム(Salem)からきているという説が有力。
[ヒストリーチャンネル ブログ - 小さな村セーラムを襲った「魔女狩り」の悲劇]
(http://www.historychannel.co.jp/blog/2014/04/303)


『ダンバース精神病院(1878-1985?年)』
 マサチューセッツ州にあった巨大精神病院。
 現在は取り壊されているが、その迫力あるゴシック風デザインで州の観光名所だった。
 当時は画期的と言われたロボトミー手術が行われており、初期は裕福な患者を受け入れていたが、のちに手術の評判をきいた患者がつめかけ、業務用の地下通路にまで患者があふれ、収容率400%をこえる劣悪な環境になっていった。
 その巨大さと不気味さ、当時の異様なすしづめ写真、混雑による治療の流れ作業化による不透明さからオカルトな噂があとをたたない。
 ホラー映画「セッション9」にかつての姿が記録されている。
 ※今回の精神病院のモデルでしょうか?
[ダンバース精神病院とは - Weblio辞書]
(http://www.weblio.jp/content/%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B9%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%97%85%E9%99%A2)
[セッション9 - 作品 - Yahoo!映画]
(http://movies.yahoo.co.jp/movie/%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B39/237880/)


『悪魔の棲む家』
 ニューヨーク州オーシャン・アベニュー112番地にある家屋。
 1965年長男ロナルド・デフェオ・ジュニアによる一家6人の殺害事件が起きた。その後1975年にラッツ一家が家屋を購入。一月もたたないうちに引っ越したことで近所中の噂に。
 1977年作家ジェイ・アンソンが家屋を舞台にしたホラー小説「The Amityville Horror」を執筆、1979年「悪魔の棲む家」として映画化され一躍有名になった。
 ただし小説はかなり脚色されたものらしい。
[オーシャン・アベニュー112番地 - Wikipedia]
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%99%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC112%E7%95%AA%E5%9C%B0)

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第18話[Foundation]
あらすじ
 アリゾナ州で推定16才の少年が保護される。長期間監禁されたため成長が阻害され、条件性情動反応(CER)(*1)により口もきかず事情聴取もできない。
 同日13才の少年ビリーが行方不明になり、同一犯による犯行と考えられた。
 ニュースを見たサマンサという女性が、30年前にも鎖につながれた少年を見たと警察署にくるがとつぜん帰ってしまう。

感想
 影の主役サマンサの悲劇がちらりと見える回。
 立派だった父親が時々くれた高価なプレゼントのでどころを知る場面がかなしい。サマンサが男の子だったら犠牲者はもう少し少なくてすんだのかなーとか、サマンサが犠牲者の数に加わるだけなのかなとか考えてしまう。
 病気の動物みたいになってしまった少年に働きかけるのはモーガン。この場合はJJのほうが適役に見えますけど、モーガンは保護者タイプの上、本人も子供の頃一部似たような犯罪の犠牲者なので、ほうっておけないんでしょうね。

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(*1)[条件性情動反応とは - Weblio辞書]
(http://www.weblio.jp/content/%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E6%80%A7%E6%8A%91%E5%88%B6)
「条件性抑制、条件性情動反応」
【英】Conditioned Suppression,Conditioned Emotional
  ”中性刺激は嫌悪刺激との対提示によって、条件性嫌悪刺激となる。(略)オペラント反応の生起と無関係に条件性嫌悪刺激を提示すれば、この刺激の提示中はオペラント反応の自発が抑制される(略)”

えっと…なにを言ってるのかわからないので、翻訳してみると。

 ある刺激と嫌な刺激を同時にラットに与え続けると、条件反射でその刺激が嫌になる。その結果刺激を与える間じっとするようになる。という感じでしょうか。

 このエピソードでは長期間監禁されたため、少年は周囲からのあらゆる働きかけに犯人からと同じ恐怖を感じ、部屋の隅にうずくまって反応しなくなるという状態に使われているようです。


 アリゾナ州は誘拐率がもっとも低いそうですが、アメリカは誘拐大国のようで18歳以下の未成年に限っても、一年間で80万人近くが行方不明になるそうです。
 ちょっとした都市一個分。恐怖ですね。


エピソードのモデルになった事件は見つかりませんでしたが、監禁事件をいくつか。

[CNN.co.jp : 2カ月監禁の女性を保護、コンテナの中で首に鎖 米]
(http://www.cnn.co.jp/usa/35091629.html)
 サウスカロライナ州で2016年8月から行方不明だったカーラ・ブラウン(30)が、農場のコンテナに鎖につながれ監禁されているところを捜査員に保護された。持ち主のトッド・コーレップ(45)が逮捕されたが、カーラと一緒にいたチャールズ・カーバー(32)の行方はわかっていない。カーラによると敷地内には他に4名埋められているらしい。

[オーストリア少女監禁事件 - Wikipedia]
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%E5%B0%91%E5%A5%B3%E7%9B%A3%E7%A6%81%E4%BA%8B%E4%BB%B6)
 1998年3月オーストリアで、ナターシャ・カンプッシュ(Natascha Kampusch, 1988年2月-)(当時10才)が、ヴォルフガング・プリクロピル(Wolfgang Priklopil, 1962年5月-自殺)に誘拐され8年間監禁された事件。
 犯人への同情とずさんな捜査を行った警察への批判を交えた自叙伝を発表し、一躍有名になった。

[ジェイシー・リー・デュガード誘拐事件 - Wikipedia]
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E8%AA%98%E6%8B%90%E4%BA%8B%E4%BB%B6)
 1991年6月カリフォルニア州で、ジェイシー・リー・デュガード(Jaycee Dugard)(当時11才)が、フィリップ・ガリドー(Phillip Garrido)と妻ナンシー・ガリドー(Nancy Garrido)に誘拐され18年間監禁された事件。ジェイシーはエンジェル(15才)とスターリット(11才)という二人の娘といた。
 2011年フィリップ懲役431年、ナンシー懲役36年の判決が下された。またカリフォルニア州は賠償金としてジェイシーに2000万ドル支払っている。


監禁事件の元祖といえば
[カスパー・ハウザー - Wikipedia]
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%B9%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B6%E3%83%BC)
 カスパー・ハウザー(Kaspar Hauser, 1812年4月30日? - 1833年12月17日)
 ドイツで保護された野生少年。
 本人の状態と聞き取りなどから、幼少期は城内などで身分の高い暮らしをした後、長期間地下の牢獄に閉じ込められていたのではと推測されている。
 発見後に教育を施され、言葉を話せるようになったところで暗殺された。

 言葉がしゃべれないのに署名はできたこと、その風貌などからバーデン大公家の跡継ぎ説(1996、2002年の科学捜査では裏づけはとれなかった)ほか、様々な憶測をよび、現地では今でも祭典が行われている。

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第17話[I Love You, Tommy Brown]
あらすじ
 シアトルのデルリッジで2組の夫婦が殺される。
 殺し方は冷静で機械的、なにかの組織による犯行ではとの意見も出る。
 被害者には接点がなく現地に向かったところ、熱心な信徒で教会を通じて里親制度に参加していたことがわかる。

おまけ
 ガルシアの恋人ケヴィンがプロポーズの件でモーガンに相談したことで、コメディタイムに。と思っていたらガルシアもけっこうな闇をかかえていました。
 がんばれケヴィン。

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感想
 女性教師が未成年の男子生徒と関係を持った性的虐待事件は、せいぜい懲役2年。
 「性別が逆なら、男性教師の懲役は20年なのに」とロッシがぼやくと、リードが「(今回の)女性教師が美人だからすぐ釈放された。犯罪者にも序列がある」と言っていてすごいショックだった。

 被害者が精神的に未成熟であることと、加害者の成人としての義務と適用される法律は一緒なのに、求刑にあきらかな性差があるってことですよね。

 男女の場合は差別というよりも区別かなと思うんですが、リードの「容姿によっても違う」発言は衝撃。
 女性教師が美人だったケースと不美人だったケースでは、後者のほうが犯罪性が高いと法が判断するっていうのはすごい。


事件のモデル
ドラマの場所がワシントンということで、同地で起きた女性教師と教え子の事件でしょうか。

・メアリー・ケイ・ルトーノー(Mary Kay Letourneau)児童虐待事件
 当時小学校6年生13才の教え子と関係を持ち、子供を出産したことで全米の注目を集めた。

 裕福な上流家庭で育ったメアリー・ケイ・シュミッツ(Mary Kay Schmitz, 1962年1月生)は、1984年にスティーヴ・ルトーノーと結婚、息子2人娘2人を出産。
 1991年29才で教え子のサモア系アメリカ人(*1)、ヴィリ・フアラアウ(Vili Fualaau, 1983年6月生)8才と出会い恋に落ちる(自称)。1996年メアリー34才、ヴィリ13才のとき関係を持ち妊娠、娘オードリーを出産。1997年メアリーは逮捕、懲役3年を宣告された。

 1998年仮釈放されたメアリーは、2週間後ヴィリと会っていたことで再逮捕(*2)。その年2人目アレクシスを出産。
 出所後の2005年にメアリー43才、ヴィリ22才で結婚した。


 家庭環境は、
 政治家で大学教授の父親の元、敬虔なカトリック教徒として育てられた。7人兄弟の4番目で厳格なカトリック系の女子高に行っているが、美人で派手な男好きとして有名だった。父親も教え子と関係を持ち、異母兄弟が2人いる。
 前夫との4人の子供は、事件後夫スティーヴが保護。

 1999年にはヴィリと共同執筆で本を出版(*3)、事件を題材に映画化もされている。
 2人の娘オードリーとアレクシスの養育はフアラアウ家が行っているが、その件でヴィリの母親が訴訟(*4)を起こしたこともある。

(*1)サモア系アメリカ人とは
 サモア島出身者を祖先に持つアメリカ人。とくに事件の起こった地域では大きなコミュニティを持っている。見た目は色黒で体格が良いのが特徴。相撲選手だった小錦もサモア出身。

[南太平洋の島国サモア。実はサモアは2つあるって知っていましたか?|サモア(サモア)のたびナレ記事|海外旅行情報 エイビーロード]
(https://www.ab-road.net/beach/south_pacific/B74/guide/nation/10445.html)

(*2)2週間で妊娠
 これwikipediaに2週間後に逮捕、そのまま2人目出産と書かれているんですが、たいへん失礼ながら、すごい繁殖力…と思った。
[(抜粋)On February 3, 1998, two weeks after completing her jail sentence, Letourneau was found having sexual relations with Fualaau in her car and was impregnated a second time by Fualaau.]
「1998年2月3日、刑務所から釈放されて2週間後、夫スティーヴ・ルトーノーは、少年ヴィリとメアリーが車でセックスしているのを発見。2回目の妊娠となった」(適当訳)

刑期が短かったのは、少年ヴィリへの接近禁止の条件を承諾したからなので、刑務所で面会していてその時に…というのは考えにくい、ということはたったの2週間で妊娠…人体の神秘。

(*3)「禁じられた愛―それは愛なのか、それともレイプだったのか?」
メアリー・K. ルトゥルノー (著),ヴィリ ファラウ(著)
出版社: 日本文芸社 (1999/04)

(*4)[Fualaau's suit says he wasn't protected from Letourneau - seattlepi.com]
(http://www.seattlepi.com/news/article/Fualaau-s-suit-says-he-wasn-t-protected-from-1083448.php#photo-623805)
 シアトルの地方紙 "Seattle Post-Intelligencer"紙によると、2002年ヴィリの母親が、学区と市を訴えたそうです。学校がヴィリの保護を怠ったこと、ヴィリが中退したことで発生した差額の賃金、オードリーとアレクシスの養育費などを請求。その年の5月に学区と市には責任がないという判決がでたことが同誌に続報として掲載されています。

 え、なんで?
 オードリーとアレクシスは犯罪の結果生まれたと考えれば、養育を負担する義務はフアラウア家にはないのでは??被害者なのに負担するの?13才と15才の時の子供って、本人も子供なのでは?うーん。

 日本では8才の少年と聞くとすごく幼いイメージがありますが、ヴィリ少年は8才当時身長何センチくらいだったんでしょうか。
 外国のニュースでよく「少年がー」とアナウンスを聞いた後、映像を見ると2メートルありそうなコワモテのおじさんが映っていて、「あれで少年なんだ…」と別な意味で衝撃を受けたりします。

 もちろん体格がいいことと性犯罪は無関係であるべきですが、今回のエピソードのロッシとリードの発言って、差別ではなく現実なのではと思う。

 それで気になったヴィリ少年の幼年期の写真を探したんですが、シアトルのSeattle Post-Intelligencer紙に昔の写真がありました。

[Boy who fathered kids with Letourneau wants no part of suit - seattlepi.com]
(http://www.seattlepi.com/local/article/Boy-who-fathered-kids-with-Letourneau-wants-no-1051039.php#photo-615514)
 2001年4月の記事に不鮮明ながら2人の写真が載っています。これを見るとやっぱり子供は子供。幼いという印象なので、同情できない発言や行動が多いとはいえ、ヴィリ元少年も、学校に保護されるべき一人だと思うんですが…。 

 ヴィリ元少年は2人の愛は真実だと言っています。
 それが本当なら愛する人を二度も刑務所に送るのも、送られるのもどうかと。あと生まれた娘たちがどういう扱いになるのか2人は考えても良かったのでは。

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第16話[A Family Affair]

・あらすじ
 売春婦が殺される。
 遺体には刺し傷が何箇所もあり強い怒りが感じられるが、捨て方は丁寧でいたわりが感じられ、支払った250ドルはそのまま遺体に残されていた。

 チームは殺人と遺体遺棄は別の人間の犯行と考え、犯人たちを仲たがいさせるため、記者会見で呼びかけする。

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(二日酔いでぐったりの女性たち、ホッチの腕にはマジックでナンバー書いてあるし、オフって感じです)

感想
 主犯が誰かというのがむずかしいエピソード。
 ホッチはすべてを操っているのは母親と言っているけど。

 サイコパスで支配的な母親と、(おそらくそのせいで)アルコール中毒になった父親。
 飲酒運転で事故を起こし息子に車椅子が必要になったことで、さらにその関係が強化される。

 体が不自由になった息子は、女性を殺すことで快楽を得るが、アクションシーンでの会話だと、すべての殺しを息子がやっていたのかはあやしい。母親もからんでるんじゃないのかな。

 遺体を遺棄していた父親は罪悪感から耐え切れず自殺。
 さらに母親にガールフレンドを殺されそうになった息子が、焦って彼女を助けようとして、家族3人が精神的にバラバラに。
 息子を失いそうになった母親は、ガールフレンドを殺すことで、息子を取り戻そうとして。

 母親の支配的な態度がさりげないので、息子と父親の発言で、関係がよくないのかなーくらいにしかうかがえない。
 結末を見ると、この家族はお互いに離れた自立した暮らしと、医師の監督による投薬が必要だったのでは。


その他
 飛行機の中で子守を探していたJJに、リードが名乗りをあげて、エミリーが言葉をなくしたシーンがおいしい。
 言われてみればありなんだけど、リードと子守なんてぜったいに結びつかない。

 そしてエミリー、JJ、ガルシアがアブサン(The green fairy)を飲んで二日酔い、全員サングラス、中腰で登場というおまけも。

ところでアブサンってなに?
「【2008年6月号】禁断の酒「アブサン」とニガヨモギ」
[元気通信 研究員のウンチク - 養命酒製造株式会社の健康ポータルサイト]
(http://www.yomeishu.co.jp/genkigenki/researcher/080523/)

 アブサンとは、アルコール度数70%を越えるヨモギを主とした薬草系リキュール。
 歴史は古く、幻覚作用があるため禁止されている国が多かった。現在は原因となる成分ツジョンが一定の基準値以下であることを条件に解禁されている。
 バーなどでは独特な容器と飲み方(火をつける)で、別な楽しみ方ができる。

 同じく香草のアニス酒が地中海を中心に古代からあるが、中世になってヨーロッパで安く発明されたのがアブサン。
 主原料は同じでも国によって名前がちがったり、風味も変わったりする。
 よく手に入るタイプはすっきりとした香りとお菓子のような甘い味で、がんがんいくと後悔する。薬草といいつつ体にもよくないのでは。

 アニス酒も地域によってかなり味が違うが、やはりすっきりとした香りとどっしりとした味で、甘いタイプはあまりみかけない。
 個人的にはアニスがおいしいと思います。
[ウーゾ - Wikipedia]

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