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あの事故から一ヶ月経った。美由は退院したが、明日香はまだ深い深い眠りについている。
ナース達が「もう目を覚まさないんじゃないか」とか話しているのを聞いたことがあるが気にならない。
・・・いや、気にならないのではなく、気にしないんだ。
認めるのが怖くて、心のどこかで、勝手に噂を誤解だったのだと解釈していたんだ。
そんな事を考えながら学校へ向かう途中、小銭の落ちる音がした。
自分の財布の中身を確認すると、貴重な500円玉が消えている。
だが、当たりに500円玉の姿は無い。
キョロキョロしていると、赤い自動販売機が目に入った。
恐らくこの下に落ちたのだろう。
だが、人前で自動販売機の下に手を入れるのには抵抗があった。
人が居ないことを確認し、覚悟を決めて自動販売機の下を除く。
小さく丸い、光るものに手を伸ばした。
あとちょっと・・・という時に大きな雑音に一瞬驚く。
狭い猫の通るような道から出てきたのは
見慣れない顔立ちにキレイな黒い髪、痩せた体型、汚れたウチの学校の制服を着た男の子。
「あ、はよっ。何してんの?」
美由は即座に立ち上がり勢いで「きをつけ」をしてしまった。
「あ、、おはようっっ!!ななな何にもしてないよー♪♪」
演技力のない美由の嘘はバレバレだった。
「それ、嘘だろ?分かるっつの!何、金でも落とした?」
彼は自動販売機の下に顔を覗かせて、細い手を伸ばし500円玉を手に取った。
「あ・・・サンキュ・・・」
「どってことないって!またなんかあったら言ってな?」
そういって彼は全力疾走で行ってしまった。
さっきの出来事はなんだったのだろうか。
腕時計を見ると時間は遅刻寸前。
受け取った500円玉を握り締め走って学校へ向かった。
教室へ着くと、いつものように誰もが美由に近づこうとはしない。
理沙の件だ。
クラスでは、美由が理沙を殺したのではないかと噂になっているようだった。
まぁ、それも間違いではないが。
先生が前に立ち、皆が静まる。
「今日は転入生がいる。」
そういって先生は廊下のほうへ向かって手招きをした。
「はじめまして!結城 亮でっす!よろしくっす!」
そこに経っていたのは今朝の彼。
「あ・・・」
声が出そうになるが、声を出しても誰も美由には反応しないだろう。
そう思っていると彼の方から声をかけて来た。
「あー!お前今朝の奴ーっ!!」
指を刺して言うものだから皆が美由を見る。
「なんだ?結城と田村は知り合いか?じゃぁ席が近いほうがいいよな?」
そういって勝手に話を進められ、亮と美由は隣同士の席になった。
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